化粧水、ファンデーション、シャンプーはどれがいい?
乾燥肌対策アイテムの選び方

乾燥が気になる季節になると、それまで使用していた化粧品類やシャンプーが肌に合わなく感じたり、保湿面で物足りなく感じたりする方もいるでしょう。季節の変化に応じて肌や頭皮の乾燥対策ができるアイテムを選び、上手に活用していきたいところですね。
ここでは、乾燥予防となる化粧水やファンデーション、シャンプーの選び方や、効果的な使い方について紹介します。

乾燥肌におすすめの化粧水は?

乾燥した肌は、普段よりもデリケートな状態となるため、刺激や負担を与えずに優しく保湿することが大切です。化粧水の選び方や、日々のスキンケアのポイントを見ていきましょう。

化粧水の選び方

化粧水は、「高保湿」とうたわれているアイテムがたくさん登場しています。しかし、「高保湿化粧水」が必ずしも「乾燥肌向けの化粧水」というわけではないため、化粧水選びの際は注意しましょう。化粧水選びのポイントは、成分をよくチェックすることです。

●乾燥肌に必要な成分が配合されているか
乾燥肌は、セラミド、NMF(天然保湿因子)、皮脂の3つの成分が不足した状態です。特にセラミドは、肌の調子を守り、内部に水分を保持する働きを持つ成分であるため、セラミドの量が肌の保湿ができるかどうかを左右するといわれるほどです。
このことから、乾燥肌のケアにはセラミドが豊富に配合されている化粧水がおすすめ。セラミドにはいくつか種類がありますが、中でもセラミド1・セラミド2・セラミド3・セラミド6(II)が推奨されています。また、セラミドと合わせてヒアルロン酸やコラーゲンといったほかの保湿成分が配合されていると、なおいいでしょう。
●乾燥肌の負担となる成分が配合されていないか
乾燥肌は、刺激に敏感な状態です。高保湿の化粧水であっても、肌に刺激を与えやすい成分が配合されていると、逆に肌トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
そのため、次のような成分が配合されている化粧水はなるべく避けるようにしましょう。
  • ・アルコール
  • ・着色料
  • ・パラベン
  • ・鉱物油
  • ・香料
●肌が乾燥するリスクのある美容成分が配合されていないか
美容成分であれば何が配合されていても問題ない…というわけではありません。特に、美白効果があるとされている美容成分には、肌の乾燥を招くリスクがあるものもあります。乾燥肌のケアをしたい場合は、次の成分が配合されていない化粧水を選ぶことをおすすめします。
  • ・ビタミンC誘導体…皮脂分泌を抑える働きがあるため、効果が強すぎると肌が乾燥しやすくなるおそれが。
  • ・ハイドロキノン…美白成分として優秀である一方、刺激が強いため、乾燥肌には不向きです。

化粧水の使い方

化粧水を使う際は、次の3つのポイントを押さえることで、より保湿効果を高めることができます。

・手のひらでつける
・2~3回に分けて顔全体につける
・顔と手をホットタオルなどで温めてからつける

また、化粧水と合わせて乳液やクリームを使い、きちんと油分を補うことも大切です。化粧水で与えた保湿成分を肌にとどめるためにも、乳液やクリームでフタをしましょう。

乾燥肌におすすめの
ファンデーションは?

乾燥肌の場合、なるべく肌に負担をかけないファンデーションを選ぶことが大切です。また、乾燥予防となるメイクのポイントもご紹介します。

ファンデーションの選び方

ファンデーションを選ぶ際も、化粧水と同様に、成分に注目してみましょう。

●肌に負担をかける成分が配合されていないか
ファンデーションには、メイクの持続性を高めたり、製品を長持ちさせたりするため、合成界面活性剤やシリコン、防腐剤などが配合されている物があります。これらの成分は肌に負担を与えてバリア機能を低下させ、乾燥や肌荒れのリスクを高める可能性があります。乾燥肌の場合は、このような成分が配合されていないファンデーションがおすすめです。
●乾燥予防となる保湿成分を豊富に含んでいるか
化粧水と同様に、セラミドやヒアルロン酸など、保湿効果のある成分が配合されたファンデーションは、メイクをしていても肌の潤いを維持する働きが期待できます。
●クレンジング不要のファンデーションもおすすめ
クレンジングは洗浄力が強いため、過剰に行うと肌のバリア機能を担う角質層を守る「皮脂膜」を破壊してしまうおそれがあります。皮脂膜は皮脂(油分)と汗(水分)からできていますが、クレンジングで必要な油分も落としてしまうと、肌の乾燥の原因となってしまうのです。そこで、肌への負担を減らすために、ミネラルファンデーションのようなクレンジング不要のファンデーションを選ぶこともおすすめです(※)。

※ミネラルファンデーションでも、合成界面活性剤や防腐剤などが含まれる商品の場合は、クレンジングを行う必要があります。

ベースメイクのポイント

ベースメイクのポイントを、下地とファンデーションそれぞれのステップに分けて見ていきましょう。

●下地
肌に直接塗る下地は、ファンデーションと同様に肌に負担をかけないタイプを選びましょう。下地を塗る際は、「薄く、むらなく」を意識します。洗顔とスキンケアをした後の、清潔で保湿された状態の肌に塗っていきます。
まずは顔の中でも広いスペースである、両頬とひたいに塗りましょう。次いで、目・鼻・口の細かい部位に塗ります。内側から外側へと、むらのないように伸ばしましょう。下地を塗る際に肌を強くこすると刺激となってしまうため、優しく塗ることを心掛けてください。
●ファンデーション
ファンデーションも、下地と同様に厚塗りはせず、均一に伸ばして塗っていきましょう。また、ベースメイクの仕上げに、ミストタイプの化粧水などを吹きかけて保湿し、乳液やクリームなどでフタをすることでメイクを長時間キープすることができます。
リキッドファンデーションを使用する場合は、保湿効果を高めるためにリキッドファンデーションに乳液を混ぜるというテクニックもあります。乳液の量はファンデーションの半分程度が目安となりますが、その日の肌の状態に合わせて比率を変えてみましょう。

乾燥肌におすすめのシャンプーは?

一般的なシャンプーは強力な洗浄成分が配合されている物が多く、これらは頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうため、乾燥肌の方には負担となりやすいです。ここからは、頭皮の乾燥を防ぐためのシャンプー選びや毎日のヘアケアのポイントを紹介します。

シャンプーの選び方

頭皮の乾燥予防に効果的なシャンプーは、「保湿効果がある」「肌に優しい」ことです。乾燥が気になるシーズンだけでも継続して購入できるよう、「継続して購入しやすい価格である」ことも考慮して選ぶことをおすすめします。

●保湿効果のあるシャンプーとは?
保湿効果のあるシャンプーとして、オイル系とアミノ酸系のものが挙げられます。いずれのタイプも頭皮に負担をかけない洗浄力と高い保湿力を備えているため、乾燥肌や敏感肌の方にぴったりです。
オイル系のシャンプーには、「ホホバオイル」や「アルガンオイル」などが配合されています。また、アミノ酸系のシャンプーに配合されている成分としてはココイル系、ラウロイル系などが代表的です。
●頭皮や髪に刺激を与える成分が配合されていないシャンプーは?
乾燥した状態の頭皮は非常に敏感であるため、低刺激のシャンプーで優しく洗浄することが重要です。低刺激のシャンプーには、次のような特徴があります。
  • ・石油系界面活性剤不使用
  • ・添加物が少ない
  • ・石鹸系シャンプー
  • ・高級アルコール

これらの特徴を備えたシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで落とすこともないため、乾燥肌の方でも安心して使用できるといわれています。

髪の洗い方・乾かし方のポイント

最後に、頭皮の乾燥を予防するための、毎日の洗髪やドライヤーをする際のポイントを見ていきましょう。

●髪を洗うときは…
シャワーのお湯は38~40℃が適温です。頭皮からしっかりと濡らしてすすぎましょう。シャンプーを塗布したら、指の腹で頭皮をマッサージしながら洗っていきます。この際、爪を立てて強くこすらないように。泡で頭皮の毛穴を包み込むイメージで、頭皮全体を優しく揉みほぐしていきます。最後に、頭皮のぬるつきがなくなるまで、ぬるま湯できちんとすすぐようにしてください。
●髪を乾かすときは…
シャンプー後の頭皮は皮脂も減り、角質層から水分が蒸散しやすい状態です。この状態を放置すると乾燥の原因となってしまうため、自然乾燥ではなく、ドライヤーでしっかりと乾かすことが大切。
ドライヤーの風をあてる際は、頭から20cmほど離して使います。1ヵ所に集中して風があたらないように角度を変えながら、根元からしっかりと乾かしていきましょう。髪の表面・裏側どちらも湿気が残らないように乾かすことで、頭皮の乾燥やにおいのリスクをなくすことができます。

~おわりに~
毎日使用する化粧水やファンデーション、シャンプーは、アイテム次第で乾燥肌トラブルの予防・改善が期待できる一方で、選び方や使い方を誤ると、逆に悪化させてしまう可能性があることがわかったと思います。自分の肌や頭皮の状態を確認して、乾燥シーズンにぴったりのアイテムを見つけてください。