気を付けたい冬の脱水症状とはどんなもの?

夏によく発症する脱水症状ですが、空気が乾燥して水分を積極的にとらなくなる冬にも発症リスクがあります。また、アルコールやカフェイン飲料の大量摂取や冬に流行る感染症なども、多くの水分を排出してしまうため、脱水症状は季節を問わず注意したいところです。ここでは、冬の脱水症状の原因や、冬に取り組みたい脱水症状対策について紹介します。

冬の脱水症状の原因とその症状は?

まずは、冬でも脱水症状が起きる理由と、脱水症状によって陥る体の不調について見ていきましょう。

冬は水分補給をおろそかにしがち

私たちの体は、普通に生活しているだけでも、季節を問わず1日に2.5Lほどの水分を消費しているといわれています。失われた水分は、体内で作られる水分や、食事から得る水分だけでは十分に補うことができないため、意識してこまめに水分補給することが大切です。

冬は汗をたくさんかく夏よりも、水分補給をおろそかにしがちです。空気も乾燥しやすく、実は体が水分を必要としているケースがあるため、特に意識して水分補給をする必要があります。

なお、アルコールや多量のカフェインを含む飲み物には、利尿作用があります。そのため、これらの飲料を過剰摂取すると、より多くの水分が失われてしまうのです。例えばビールを10本飲むと、飲んだ量よりも多いビール11本分の水分が、尿となって排出されるといわれています。

普段からお酒やコーヒーなどをたくさん飲む習慣がある方も、脱水症状には注意したほうがいいでしょう。

感染症が脱水症状を引き起こすケースも

冬に流行するノロウイルスなどの感染症にかかると、下痢や嘔吐などの症状が続くことがあります。これらの症状によっても、体から多くの水分が失われ、脱水症状を引き起こしてしまうケースがあるのです。
冬はこうした感染症が流行するため、普段から予防を徹底することも大切です。

冬の脱水症状で体にどんな不調が出る?

私たちの体は水分不足に陥ると、あらゆる面で不調をきたします。特に、大部分が水分で満たされている脳や胃腸、筋肉にダメージが大きく、下記のような体調不良が表れやすくなります。

●めまい、立ちくらみ
●眠気
●疲労
●食欲不振
●関節の痛み

水分補給によってこうした不調が改善された場合、脱水症状が原因だったといえるでしょう。

日常生活に取り入れたい
冬の脱水症状対策

ここからは、冬の脱水症状を予防するために、生活の中で取り入れたい3つのポイントを見ていきましょう。

1 こまめな水分補給

汗をかきにくい冬は、つい水分補給をおろそかにしがち。喉の渇きを感じる前に、きちんと水分をとる必要があります。そのためには、1日3回の食事時に加えて、次のようなタイミングでの水分補給をするようにしましょう。

●起床時
●午前10時頃
●午後3時頃
●入浴後
●就寝前
●トイレの後

また、飲み物だけでなく、食事でも水分補給をすることがポイント。ほうれん草や小松菜など、水分とミネラルが豊富な緑黄色野菜を意識して食べることがおすすめです。

2 冬の乾燥対策

空気が乾燥している冬場は喉も乾きやすくなり、私たちの体はよりたくさんの水分を必要とします。特に暖房機器によって乾燥しがちになる自宅や職場では、積極的に乾燥対策をすることがポイント。日々の生活に取り入れやすい乾燥対策としては、次のようなものがあります。

●加湿器を置く
●定期的に換気する
●洗濯物を部屋に干す
●室内に観葉植物を置く
●水を張ったバケツにタオルをかけておく

3 利尿作用のある飲料の過剰摂取は控える

利尿作用のあるアルコールやカフェインの過剰摂取は、体内から多くの水分を排出する原因となってしまいます。冬は忘年会や新年会など、飲み会の多いシーズンでもありますが、飲酒は適量で済ませるように心掛けましょう。

コーヒーやエナジードリンクといったカフェイン飲料の摂取もできるだけ控えて、ほかの飲み物で水分補給をするようにしましょう。

脱水症状を起こしたときや、
スポーツ時におすすめの飲み物

脱水症状が原因で体調を崩したときや、運動して汗をたくさんかいたときには、どのような飲み物で水分をとるべきなのでしょうか。体調やシチュエーションに応じて、適切な飲み物を選ぶことが大切です。

●スポーツドリンク
冬でもスポーツなどをして汗をかくシーンがあると思います。スポーツドリンクは塩化ナトリウムやカリウムなどの電解質を含んでおり、汗をかいた体にすばやく水分補給ができるためおすすめです。
その一方で、スポーツドリンクは糖分が多く、飲み過ぎると糖分過多になってしまいます。普段の水分補給には向かないため、あくまで運動時など汗をかくときだけにしましょう。
●経口補水液
体調を崩したときや脱水症状を起こしたときは、塩化ナトリウムやカリウムなどの電解質が豊富で、スポーツドリンクよりも水分の吸収率が高い経口補水液がおすすめです。ただし、塩分が多く含まれているため、あくまで体調がすぐれないときだけ飲むようにし、症状が回復したら、飲むのは控えましょう。

~おわりに~
喉の渇きは、すでに脱水が始まっているサインともいわれています。そのため、冬でも意識して水分補給の回数を増やしてください。常に体内に十分な水分がある状態を維持することが、健康的に過ごすためのポイントです。