初心者から上級者まで!正しいランニングフォームの基本と改善法
ランニングは、引き締まった身体づくりや心肺機能の向上に効果的なスポーツです。しかし、すぐに疲れてしまったり、脚や腰が痛くなったりして、途中であきらめてしまう人も少なくありません。
「ランニングは向いていないのかも」「走るのがつらい」と感じたときに見直したいのが、ランニングフォームです。フォームの間違いを修正すると、走りの感覚が大きく変わり、もっと楽に、長く走れるようになるのだそう。
今回は、ランニング初心者からベテランまで指導する高橋トレーナーに、気持ちよく走り続けるための正しいランニングフォームを教えてもらいました。
教えてくれたヒト
- スポーツクラブ ルネサンス
高橋トレーナー - フィットネストレーナーとして栄養・運動指導を担当。陸上競技の経験を活かしてランニング初心者からベテランまでを広く指導する。パーソナルトレーニングやイベントなどでのランニング指導でも活躍中。指導歴17年。
正しいランニングフォームの基本
正しいランニングフォームなら、楽に、長く、安全に走り続けられます。
ポイントは「姿勢」と「脚の着地」の2点です。
姿勢を改善して身体の軸が安定すると、腕が自然と動いて推進力が増し、上半身と下半身の動きが連動して無駄な力を入れずに走り続けることができます。
また、足裏全体で着地する感覚をつかむと、脚の運びがスムーズになるほか、衝撃が分散されてケガをしにくくなります。
ここからは、フォームの基本となる正しい姿勢と脚の着地について、それぞれ説明しましょう。
正しい姿勢は、背すじをまっすぐ伸ばし少し前傾した状態
ランニングの基本姿勢は、頭から骨盤、脚までが一直線になるように立ち、軽く前傾した形です。
1枚の板のように背すじをまっすぐに保ったまま、片脚が自然と前に出るところまで身体を前に倒しましょう。
このとき、体幹部(コア)が崩れると背中が丸まって腰が落ち、脚への負担が増して疲れやすくなります。ケガの原因にもなりやすいため、体幹を使って上体を安定させるようにしてください。
また、お腹を軽くへこませたまま呼吸をする「ドローイン」を意識すると、適切にコアが使われて正しいフォームを維持できます。
ドローインのやり方は、「ドローインで腹筋に意識を向ける」で写真付きで説明していますので、あわせてご覧ください。
腕の振りは力まず、自然に振る
ランニング中の腕振りは、本来は身体の動きに合わせて自然に振れるものです。推進力を出そうと力んで腕を振り過ぎると、フォームが崩れる原因になります。
腕は、力を抜いて軽く肘を曲げ、脇を軽く締めて身体の横に添えましょう。
走るときは、脚を踏み出すたびに身体の中心(みぞおちあたり)から少しねじれが生まれます。
そのねじれに合わせて、肩甲骨がスッと動くと、腕は意識しなくても自然に前後に振れてきます。
着地は足裏全体を使う「ミッドフット」が◎
脚の着地は、足裏全体で地面をとらえる「ミッドフット」がおすすめです。
かかと・親指の付け根にある母指球、小指の下の小指球の3点に均等に体重を乗せるイメージで着地すると、衝撃を分散しやすくなります。
一方、かかとから着地する「ヒールストライク」は膝や股関節に、前足部から着地する「フォアフット」はふくらはぎや足首に負担がかかりやすい傾向があります。
フォーム崩れを見抜くためのチェックポイント
ランニング中に感じる膝の痛みや息切れ、疲れやすさは、フォームが崩れていることを知らせるサインです。
それぞれの原因と、セルフチェックのポイントを紹介します。
痛みにつながる膝の動き
膝が内側に入っていたり、外側に流れていたりすると、膝や膝周りに負担がかかって痛みが出ます。
ランニング中に膝の動きを意識するのは難しいので、スクワットをするときの膝の動きで自分の癖を確認してみましょう。
- <スクワットで確認できる膝の動き>
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- ・膝が内股ぎみになる場合:ランニングの着地でも膝が内側に入りやすい
- ・膝が外側に開きやすい場合:着地の際に膝が外側へ流れやすい
息切れや疲れやすさを招く筋肉の使い方
息切れのおもな原因はオーバーペースですが、よけいな筋肉を使っているために疲れやすくなっているとも考えられます。左右のシューズで靴底の減り方が違うのも、筋肉の使い方に問題があるサインです。
余計な筋肉を使っている場合、体幹やお尻の筋肉が十分に働かず、ランニング中に身体をうまく支えられなくなります。
本来使いたい体幹やお尻の筋肉が支えているかどうかを確認するために、「片脚立ちチェック」を行いましょう。
- <片脚立ちチェックのやり方>
-
- 支えを使わずに片脚で立つ
- 反対側の脚を軽く浮かせたまま、10秒キープする
- 左右の脚を入れ替えて、同じように10秒キープする
10秒の間に身体が左右へ大きく揺れる場合は、骨盤や体幹、お尻の筋肉がうまく使えていない可能性があります。筋肉の使い方を見直すサインとして覚えておきましょう。
正しいランニングフォームを身に付ける方法
自分の悩みの原因がわかったら、正しいランニングフォームを身に付けて、悩みを解消しましょう。
正しいランニングフォームのカギとなる姿勢と着地を身に付けるためのトレーニングを紹介します。
ランニングパフォーマンスを最大化!効果的なジムトレーニングとは|ルネサンスマガジン
安定した姿勢の獲得につながるトレーニング
姿勢改善のポイントは、腹筋やお尻の筋肉などの体幹です。体幹が安定した状態で走ると、身体のブレが減って脚が前に出やすくなります。
ランニング前には、次に紹介する3つのコアセットトレーニングに取り組みましょう。
コアセットを取り入れると、体幹を使う感覚が身に付き、フォームの土台となる姿勢が整います。
1.ドローインで腹筋に意識を向ける
ドローインは、お腹をへこませた状態を保ちながら呼吸を続け、体幹深層のインナーマッスルを働かせるトレーニングです。
- <ドローインのやり方>
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- 背すじをまっすぐにして立つ
- 鼻から息を吸い、お腹をふくらませる
- 口からゆっくり息を吐き、お腹をへこませる
- へこませた状態を保ったまま、10〜20秒自然な呼吸を続ける
- これを数回繰り返す
ドローインを続けるとインナーマッスルが働きやすくなり、安定した姿勢を保てるようになります。
その結果、ランニング中の身体のブレが減って脚が前に出やすくなり、疲れにくいフォームを維持しやすくなるでしょう。
2.お尻の筋肉を刺激する
次に、お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)が働きやすくなるやり方をご紹介します。
- <お尻の筋肉を刺激するやり方>
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- 足を肩幅に開いて立つ
- 両脚のつま先を外側へ向ける
- お尻に力が入る感覚を保ちながら10〜15秒静止する
- これを1~2回繰り返す
つま先を外側へ向けて立つことで、お尻の筋肉が働き、膝が内側や外側へ流れにくくなります。
その結果、安定した脚の軌道で体幹と下半身の連動もスムーズになり、脚が前に出やすいフォームが身に付きます。
3. ニートゥエルボーで身体のバランスを整える
ニートゥエルボーは、片脚立ちで身体をひねりながら腹筋と体幹を使うバランストレーニングです。
- <ニートゥエルボーのやり方>
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- 足を肩幅に開き、背すじをまっすぐにして立つ
- 片脚を軽く上げ、反対側の手を持ち上げる
- 上げた脚の膝と反対側の肘を近づけるように腹筋を縮める
- ゆっくり元の姿勢に戻る
- 左右交互に10回ずつ行う
ニートゥエルボーを行うことで姿勢保持に必要な腹筋や体幹が働きやすくなり、ランニング中の左右のブレが少なくなります。
身体が安定して、推進力を逃しにくくなるため、脚がスムーズに運びやすいフォームが自然と身に付いていきます。
脚の着地を身に付けるためのトレーニング
正しい脚の着地のためのトレーニングは、片脚踏み込みがおすすめ。
姿勢と同じくランニング前の習慣にして、無意識に実行できる状態を目指しましょう。
●片脚踏み込みで正しい着地の感覚を身に付ける
片脚踏み込みは、足裏全体で着地するミッドフットの感覚を身に付け、着地した反動で反対の脚を自然に引き上げる動きを習得するトレーニングです。
- <片脚踏み込みのやり方>
-
- 背すじを伸ばしてまっすぐ立つ
- 片脚を上げ、足裏全体でしっかり地面を押すように着地する
- 着地の反動を利用して、反対側の脚のかかとを軽く引き上げる
- 左右交互にリズムよく繰り返す
片脚踏み込みを実践すると、足裏全体を使ったミッドフット着地の感覚が身に付き、脚の運びがスムーズになります。
着地時の衝撃が分散されるため膝や足首への負担が減り、長く走っても疲れにくいフォームへとつながります。また、反動を利用した脚の引き上げが身に付くことで、無駄な力を使わずに推進力が生まれ、軽やかに走れるようになるでしょう。
~おわりに~
ランニングを長く続けるためには、身体の負担が少ない正しいフォームを習得することが大切です。
「フォームが崩れているかも?」と感じたときや、ランニング前に時間が取れそうなときは、ご紹介したトレーニングを実践して快適に走り続けられるフォームを定着させましょう。
正しいランニングフォームで走ると、自然と走行距離が伸び、「もっと走りたい」と思えるようになるはずです。
「今よりも速く走りたい」「フルマラソンに挑戦したい」といった目標に合わせてステップアップしていきたいときは、ルネサンスのトレーナーにぜひご相談ください。
さまざまなプログラムや、トレーナーの知見をフル活用して、皆さんを目標達成へと導きます。
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