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管理栄養士に聞く糖質制限!
正しい糖質制限ダイエットとは?

ダイエット方法のひとつとしてよく知られている糖質制限。しかし、「糖質の量を控える」という漠然としたイメージは持っていても、正しいやり方がわからない方は意外と多いのではないでしょうか。

どんなダイエット法も、正しい知識を持って取り組まなければ望む効果は得られません。そこで今回は、糖質制限ダイエットのメカニズムや注意点などについて、株式会社ルネサンスの管理栄養士・石神に話を聞きました。

糖質制限がダイエットに効果がある理由

糖質制限ダイエットにチャレンジするなら、まず「糖質とは何か」を知っておく必要があります。糖質制限とよく似たダイエット方法として「炭水化物抜き」がありますが、糖質と炭水化物は同じ意味なのでしょうか。

糖質は炭水化物の一部

「糖質とは、3大栄養素の炭水化物・たんぱく質・脂質のうち、炭水化物の一部です。炭水化物は、体に消化吸収される『糖質』と、消化できない『食物繊維』に分かれます。
食物繊維は腸内環境を整えるなど、ダイエット中でも積極的にとっていきたい成分。そのため、炭水化物と区別する意味で、『糖質制限』と呼ぶようになったのだと思います」

糖質制限でやせるメカニズム

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では、なぜ糖質を控えることがダイエットにつながるのでしょう。石神は、「血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌を少なくすることが糖質制限ダイエットのポイント」と言います。

「食事で糖質をとると、血液中の糖質の濃度、つまり血糖値が上がります。そして、その上昇を抑えるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは糖質を体に取り込み、エネルギー源として利用しますが、このとき余った糖は、脂肪として蓄えられることになるのです。『糖質をとりすぎると太る』といわれているのはこのためでしょう。

糖質制限を行うと、まず、糖質を余分に摂り過ぎることがなくなるため脂肪として蓄えられません。また、糖質は本来、体を動かすエネルギーになるものですから、摂取量が少なくなると、体内では代わりにたんぱく質や脂質をエネルギー源として使います。このように、エネルギー源として脂肪が燃焼されやすい体を作っていくというのが、糖質制限ダイエットのしくみです」

カロリー制限と糖質制限の違いは?

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ダイエットと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、食事の量そのものや、食事のカロリー(エネルギー)を減らすことかもしれません。
しかし、糖質制限では、摂取カロリーはそれほど気にしなくてもいいのだそうです。

「できるだけ脂質を控えるカロリー制限ダイエットに対して、糖質制限ダイエットでは、たんぱく質と脂質はしっかりととりながら、糖質のみを抑えていきます。
もちろん、食べすぎは問題ですが、通常の範囲内であれば、食事量をそれほど気にする必要はありません。むしろ、糖質制限とカロリー制限を同時に行うと、エネルギー不足に陥ってしまうリスクがあります。」

糖質制限のメリットと注意点

糖質制限にはメリットがありますが、その反面、注意が必要な部分もあります。糖質制限のメリットと、注意したい点についても聞いてみました。

糖質制限のメリットとは?

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まず、糖質制限のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

「糖質制限のメリットとしては、まず、糖質を抑えることで脂肪を燃焼しやすい体にできる点。日々の代謝の中で、脂肪が使われやすい体に変えていくことができます。
また、糖質はその質量の約3倍の水分と結びつく性質を持っています。糖質制限をすると体内の水分も同時に減少し、短期間で一時的に体重が落ちるので、モチベーションアップにつながるのではないでしょうか。余計な水分がなくなるため、『体のむくみがとれてスッキリした』と感じる方も多いようです」

糖質制限はリバウンドしやすい!?

糖質制限を始めると、数日で体重が目に見えて落ちることがあります。つい、「脂肪が減った!」と喜んでしまいますが、石神によれば、それは糖と結びついていた水分が減ったということ。体がすっきりする効果はありますが、糖の代わりに脂肪が分解される体になるには、2週間から3ヵ月程度の期間は必要だといいます。

「例えば、3ヵ月間糖質制限を続けて体重が減ったとしても、その後いきなり糖質をしっかりとる食事に戻してしまうと、リバウンドを招くおそれがあります。
糖質制限をしていた体が急に糖質をとると、血糖値が急激に上がり、糖の吸収が非常に活発化します。リバウンドを避けるには、ゆるやかに段階を踏んで食事内容を戻していくことが大切です」

糖質制限が「危険」といわれるのはなぜ?

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メリットがある一方で、「糖質制限は危険」という声を聞くことがあります。
石神は、「間違った方法や自己流での糖質制限は、体に悪影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らします。

「糖質制限をしていると『もっと体重を落としたい』と考えるあまり、糖質だけでなく、食事量全体を減らしてしまう方もいます。しかし、一日に必要なエネルギーが足りないと、健康的な生活を送ることはできません。糖質制限中はたんぱく質や脂質をしっかりとり、エネルギー不足に陥らないようにすることが大切です。
また、体が低血糖状態になることで、頭痛やめまいなどの不調が現れる可能性があります。いきなりきびしい糖質制限を始めるのではなく、それまでの食事から徐々に糖質を減らして、様子を見ながら始めてみることをおすすめします」

糖質制限ダイエットに向いている人・向かない人

糖質制限は、ご飯やパンなどの主食を控えることになり、食事内容がそれまでとは一変します。「少なくとも2~3ヵ月は継続が必要」という糖質制限ですが、人によって向き不向きはあるのでしょうか。

「まず、血糖値を下げる薬を飲んでいる方やインスリン注射をしている方、また腎臓や肝臓などに疾患のある方、その他何かしらの不調により通院をしている方は、糖質制限を行ってはいけません。また、体が成長段階にある若い世代の方にもおすすめしません。
糖質制限ダイエットは、ある程度長期戦になりますから、そういった意味では根気強く続けられる性格の方が向いているのではないでしょうか。一方、仕事の付き合いなどで食生活を変えられなかったり、忙しくて生活が不規則になりやすかったりする方は、なかなか継続が難しいかもしれません」

正しい糖質制限とは?

「理想のスタイルを目指したい」と始めたダイエットで、健康を害してしまっては本末転倒です。正しく効果的な糖質制限を行うには、専門家のサポートを受けるのもひとつの方法でしょう。

「一口に糖質制限といってもさまざまな方法が提唱されており、きびしい制限からゆるやかなものまで段階があります」と石神は言います。糖質制限を行う上で注意すべき点などについて、話を聞きました。

ルールを知って正しいダイエットを

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「最もきびしいやり方を例に挙げると、一日にとってもいい糖質の量は50g程度。これは、ご飯にするとおにぎり1個分程度です。糖質は野菜や調味料などにも含まれることを考えると、ご飯やパン、麺類といった主食は、ほぼ食べられません。

炭水化物を避けると、一般的な食事に比べて食物繊維の摂取量が少なくなってしまうので、野菜を意識して多めに食べるといいと思います。根菜類は糖質が多いので、歯応えのある葉物野菜などがおすすめですね。また、体内の糖質が少なくなると水分を蓄えにくくなるため、必要な水分をきちんととるようにしましょう。
糖質を控える分、たんぱく質や脂質はしっかりとります。

コンビニや外食も賢く活用

最近では「糖質制限ダイエット」「ローカーボ・ダイエット」という言葉も定着し、コンビニや外食チェーンなどで低糖質食品を目にすることも増えてきました。
なかなか食事を用意するのが難しい忙しい人もこのような商品を活用すれば、上手に糖質制限にチャレンジできるかもしれません。

「コンビニには、サラダやゆで卵、豆腐、サラダチキンなど、糖質制限ダイエットに役立つ商品がたくさんあります。栄養成分表示を見れば、どれくらい糖質が含まれているのかすぐにわかるのもポイントですね。また、外食の際は、肉や魚の定食を頼んでご飯だけをお断りするのがいいと思います。

糖質制限は、あくまでも数あるダイエット方法のひとつ。体質やライフスタイル、ご自身の性格などによっても向き不向きがあると思います。メリットとデメリットの両方をきちんと把握した上で、まずは段階を踏んでチャレンジしてみるのがいいのではないでしょうか」

~おわりに~
総合スポーツクラブのルネサンスでは、管理栄養士が監修した糖質コントロールプログラム「nosh(ナッシュ)」を実施しています。専属の料理人が調理した低糖質のメニューが冷凍で届き、好きなときに温めるだけで食べることができ、糖質制限ダイエットにぴったり。ライフスタイルや目標に応じて、トレーナーがnoshの取り入れ方を提案します。健康的に脂肪が燃焼されやすい体づくりを目指したいという方は、ぜひお試しください。

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記事監修

管理栄養士
石神 咲希
フィットネストレーナーとして栄養・運動指導を経験したのち、現在はボディメイク系プログラムの開発や自治体向け栄養セミナーの講師、さらにジュニアアスリートへの栄養サポートなど、さまざまな分野に携わる。

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