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ケトルベルの効果とは?
複合的な動きで鍛えるトレーニングの最終形

ケトルベルトレーニングと聞いて、どんなトレーニングかイメージできる方はそう多くないでしょう。鉄製の球にハンドルがついたトレーニング器具を振り子のように動かすなどして鍛えるものですが、これまで筋肉をパーツごとに鍛えていた方にとっては、個々の筋肉ではなく全体をくまなく使って、全身の統合を図るような効果が得られます。
ルネサンスにおいては、2021年5月からスタートした少人数のスクール制チームトレーニング「TRYnations Team Training(トライネーションズチームトレーニング、以下「TTT」)」の最終段階で、ケトルベルを使ったトレーニングを導入。4段階のレベル別クラスのレベル4で、満を持して取り組むことになります。

ここでは、究極のコンパウンド(複合的)エクササイズと呼ばれるケトルベルトレーニングについて、ダンベルなどほかのツールを使ったトレーニングとの違いや、TTTでケトルベルトレーニングを採用した狙い、目指す効果などについて、「TRYnations Team Training」開発者の安藤誉に聞きました。

ケトルベルとは?ダンベルとの違いも知っておこう

ケトルベルは、鉄製の球にハンドルがついたトレーニング器具です。その形状がやかん(ケトル)に似ていることから、ケトルベルという名がつきました。
おもりを手に持って行うトレーニングといえば、まず思い浮かぶのがダンベルです。ケトルベルとダンベルには、どのような違いがあるのでしょうか。

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「ケトルベルとダンベルの最も大きな違いといえるのが、重心の位置です。ダンベルは2つのおもりの中心を握るため、重心とグリップ(握る位置)が一直線上に重なります。動作が直線的でコントロールしやすく、腕や肩など部分的に負荷をかけるのに適しています。
一方でケトルベルは、重心とグリップの位置がかなり離れています。そのため、振り子のような動きが可能になり、動作にスピードと遠心力が加わります。コントロールが不安定になる分、それを支えるためにケトルベルを持つ腕以外の筋肉も活性化されるんです」(安藤)

全身を複合的に使える点がメリット!TTTでケトルベルを採用したわけ

TTTの最終ステージであるレベル4では、このケトルベルをメインツールとして使用します。ケトルベルトレーニングを採用した意図を安藤に聞きました。

「TTTでは、身体の機能をプッシュ・プル(引く動き)・スクワット・ヒンジ(股関節の動き)・コアの5つに分けてトレーニングを行います。この5つの基本機能をバランスよく向上させるために、レベル1ではトレーニングを楽しみながら正しいフォームを習得し、レベル2では自分の得手・不得手を理解した上で苦手を克服。そして、レベル3でより強度の高いトレーニングに挑戦していきます。
これらの段階を経て到達するレベル4は、培った5つの基本機能と筋力をベースにパワフルなトレーニングを実践する最終ステージです。全身を機能的かつ複合的に使うことを目指す上で、ケトルベルトレーニングは最適だと考えました」(安藤)

ケトルベルトレーニングが「究極のコンパウンドエクササイズ」と呼ばれる理由

安藤が言うように、ケトルベルは重心とグリップの位置が離れているため、振り子のような曲線軌道を描く動きが可能です。動作には遠心力やスピードが加わり、反動をしっかりと支えるには全身の筋肉を使う必要があります。

「ケトルベルトレーニングでは、1つの動作で全身、つまり5つの基本機能を同時に使います。反動を伴う動きを支えようとすると、ヒップを中心に大腿部や背部、腹部といった表層の大筋肉群だけでなく、深層にあるコアの小さな筋肉までもが複合的に働くのです。
一見ダンベルと同じようにトレーニングをしたとしても、ケトルベルは活性化される筋肉の量が多いのでカロリー消費も大きいですし、心拍数も比較的早く上がりやすいのが特徴です」(安藤)

こうした理由から、ケトルベルトレーニングは『究極のコンパウンドエクササイズ』とも呼ばれています。

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そう聞くと、中には「ダンベルよりケトルベルのほうがトレーニングには効果的なの?」と思う方もいるかもしれません。しかし安藤は、「ダンベルとケトルベルは目的が違います。どちらが優れているというものではないんですね」と言います。

「ダンベルは部位ごとの筋肉を鍛えるのに適した、いわば部分最適化トレーニング。対してケトルベルは、その鍛えた各パーツの筋肉を統合させて機能性を高める、全体最適化トレーニングです。
TTTのレベル4でケトルベルトレーニングを取り入れるのも、レベル1~3で得た筋力やパワー、筋持久力、全身持久力などがあるからです。これらの土台なしに表面的にケトルベルトレーニングの動きだけをなぞってもなかなか効果は表れにくいと考え、一定のトレーニングを積んだ方に向けたトレーニングの新章として、ルネサンスでは取り入れることにしました」(安藤)

ケトルベルを使ったトレーニングの内容は?

ケトルベルには、瞬発的な動作やじわじわと負荷をかけるトレーニングなど、基本となる6つの種目があります。ひとつずつ、その内容を見ていきましょう。

スイング

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スイングは、脚を開いてケトルベルを持ち、脚の間を前後にパワフルにスイングするテクニックです。ヒンジ(股関節)が動作の中心で、ケトルベルトレーニングの中でもよく知られている種目のひとつです。

クリーン

クリーンは、スイング同様に、ヒンジ(股関節)の動作を使ってケトルベルを上に跳ね上げるように持ち上げ、拳・肘・肩の3点を結ぶ中央のポジションに「ラック」する種目です。

プレス

クリプレスは、クリーンでケトルベルを「ラック」ポジションに持ち上げ、そこからさらに頭上へとケトルベルを持ち上げるものです。プレスをするには必ずクリーンを介する必要があります。代表的な種目はクリーン&プレスです。

スナッチ

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スナッチは、スイング同様に、ヒンジ(股関節)の動作を使ってケトルベルを上に跳ね上げるように持ち上げ、天井に向かって拳でパンチをするようにケトルベルを持ち上げる種目です。
最も難易度が高く、トレーニングを重ねる中で鍛えたあらゆる身体の機能を試されます。

フロントスクワット

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フロントスクワットは、ケトルベルを「ラック」ポジションで構え、深くしゃがみ込む種目です。
必ずクリーンを介する必要があり、代表的な種目はクリーン&スクワットです。

ターキッシュゲットアップ

ターキッシュゲットアップは、床に寝た状態から、ケトルベルを持った片手を天井に腕を伸ばして持ち上げ、そのまま上体を上がらせていく一連の動作によって、肩周辺の機能を高めコアを活性化する種目です。

ケトルベルフローで、より広い筋肉へパワフルにアプローチ

ルネサンスのTTTレベル4では、ケトルベルの各種目の動きをしっかりとマスターしたのち、例えば、スイングからクリーン、スナッチ、またフロントスクワットからプレスというように、各種目を組み合わせて連続したトレーニングに挑戦します。このような一連の流れの中で行う動作を、「ケトルベルフロー」といいます。

ケトルベルフローに取り組むメリットについては、「いくつもの種目を組み合わせることで、より広い範囲の筋肉にアプローチできますし、それぞれのパーツがつながり合って高いレベルで全身の機能を引き出すことができます。1つの種目だけの反復だと『疲れてしまってもうできない』という方でも、ケトルベルフローなら最後までやり通せることも多いんですよ」と話す安藤。

さらに、ケトルベルのすべての種目に共通するのが、ヒンジ(股関節)の主要な筋肉であるヒップが力の源になるということ。正しい姿勢でケトルベルを持ち上げるだけで、ヒップを中心とした筋肉に負荷がかかり、ヒップからつながる脊柱起立筋やハムストリングス、負荷に晒される広背筋なども自然と鍛えられるのです。
ケトルベルトレーニングは、全身をパワフルかつ機能的に使うために、非常に理にかなった方法だといえます。

ケトルベルトレーニングで新たな自分を手に入れてほしい

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TTTでは、レベル4で初めてケトルベルが登場します。メンバーは全員同じスタートラインに立ち、レベル1~3で習得したすべてを活かしてさらなる高みへと挑戦。安藤は、「ケトルベルトレーニングによって、新しいことにチャレンジするワクワク感もお届けしたい」と力を込めます。

「TTTの4つのレベルのうち、レベル3と4はその中でさらに3つのランクに分かれ、各自の目標をクリアしながらステップアップしていきます。レベル4の各ランクでは、一人ひとりの年齢や性別、体重に合わせたケトルベルトレーニングの目標を設定しています。これまで、レベル1~3でトレーニングに取り組んできた方も、もっと全身をパワフルに使えることを知り、きっとご自身の伸びしろを実感されると思いますよ。
ケトルベルは全身最適化トレーニングなので、身体を美しく鍛えるだけではなく、生活やスポーツなどあらゆるシーンで活きてくるはずです。トレーニングを通して、ぜひご自身の夢や理想をつかみ取ってほしいですね」(安藤)

~おわりに~
総合スポーツクラブのルネサンスでは、3ヵ月1クールのスクール制チームトレーニング「TRYnations Team Training」を、各クラブで実施しています。トレーニングが初めての方はもちろん、これまでジムでのトレーニングに満足できずにやめてしまった方や、自分を進化させたい方も、ぜひお試しください。
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記事監修

株式会社ルネサンス
スポーツクラブ事業本部スペシャリストリーダー
TRYnationTeamTraining開発者 MASTERコーチ
安藤 誉
株式会社ルネサンス入社後、チーフトレーナー&パーソナルトレーナー、人事教育担当、営業企画部SV、ソフト開発部、新業態開発などを歴任。

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