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水泳教室の選手コースは厳しいの?
競泳コーチに聞く生徒との関わり方

生後6ヵ月の赤ちゃんから年配の方まで、幅広い世代が通うルネサンスのスイミングスクール。その中で、国内外の競技大会への出場および上位入賞を目的にトレーニングを行っているのが選手コース(選手育成コース)です。
オリンピアンをはじめ、世界レベルの競泳選手も多数輩出しているルネサンスの選手コースでは、どのような指導を行っているのでしょうか。選手コースでトップチームのコーチを務める西崎勇に、指導者としての想いや子供たちの力を引き出す工夫、選手を支える保護者の方へ伝えたいメッセージなどを聞きました。

一般クラスと選手コースの最大の違いは、外部の大会に出るかどうか

全国約2,500名の選手が在籍する、ルネサンスの選手コース。年齢や泳力に応じて「幼児育成コース」「育成コース」「選手育成コース」「選手コース」の4段階に分かれ、選手たちは日々トレーニングに励んでいます。西崎は、この選手コースで20年以上にわたりコーチとして指導にあたってきました。現在は、18歳から23歳まで、9名のトップ選手を担当しています。
そもそも選手コースは、一般的なスイミングスクールのクラスとどのような違いがあるのでしょうか。

「違いを一言で伝えるなら、外部の競技会に参加するかどうかです。一般のスイミングスクールでは、1~2ヵ月に一度の進級テストが実力を測る機会になるでしょう。
一方、選手コースで目指すのは、大会に出場して好成績を収めること。地域大会や未公認大会からスタートして、早いお子様であれば小学校低学年くらいから、日本水泳連盟に選手登録をして公認大会に出場するようになります」

また、選手コースでは美しいフォームと速く泳ぐことが重視されるのも特徴です。そのためには、厳しいトレーニングの積み重ねの“足し算”だけではなく、「いかに水の抵抗を少なくするか」といった効率の良いフォーム習得の“引き算”も欠かせません。選手の年齢にもよるものの、泳ぎに対するアプローチが異なる点も、一般的な水泳クラスとの違いといえます。

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さまざまな大会を経て、目指すは五輪のメダル

選手コースの生徒たちの多くが最終目標に掲げるのは、オリンピックでのメダル獲得です。「選手の競技レベルや年齢に沿った明確な目標を持たせ、共有し、高いモチベーションを維持向上させるそこに私たちコーチの指導力が問われます」と、西崎は言います。

これは、小さいうちからあまり高い目標を設定しても、具体的に考えられなかったり、焦って苦しくなったりするリスクもはらんでいるから。西崎は、「スモールステップで成功体験を積み重ね、気づいたときには高いと思っていたハードルも越えられそうな場所まで来ていたというのが理想ですね」と笑顔で語ります。

そのため、ルネサンスの選手コースでは、お子様の心と体の成長を重要視し、無理のない段階指導を行っています。

こうして力をつけた選手の中には、すでに国際的な大会で結果を出している選手も多数。例えば、リオデジャネイロ・東京の2大会連続五輪出場の池江璃花子選手をはじめ、リオ五輪代表の持田早智選手、ユニバーシアード大会やアジア大会で活躍した山本茉由佳選手、2022年のジュニアパンパシフィック選手権の日本代表に選ばれた川島朝陽選手と田村真優選手など、世界レベルの選手がルネサンスから生まれています。

選手を目指す子に必要なのは、元気とみずから考える力

ルネサンスで選手コースに進むのは、基本、コーチからの推薦を受けた子供たちです。競泳選手を目指す上で向いている子とはどんなタイプなのかを、西崎に聞きました。

「小学校低学年くらいまでは、タイムの速い遅いはさほど重視しません。それよりも、飛び抜けて元気な子や、板キック(ビート板を使ったキック練習)だけはすごく速い子など、何か強みを持っている子に惹かれますね。まず大切なのは、『運動が好き』『水泳が大好き』という気持ちだと思います」

また、西崎によると、トップ選手はジュニア時代から自ら考える力が身に付いていたことも、特筆すべき点だそうです。

「例えば池江・持田の両選手に共通するのは、ジュニア期から自分の考えをきちんと持っていたことです。競技で思うようなタイムが出なかったときもコーチ任せにせず、自発的に結果を分析して対策を考えていました。それは、トップアスリートになってからも変わりません。『全てを教えてもらう』というスタンスではなく、どうすれば勝てるか、どうすれば速くなるか、どうすれば課題を改善できるかを、常に自ら考える姿勢が見受けられます」

これは西崎によると、経験上「コーチや保護者に言われたからやる」という考え方だと、思い通りの成果が出ないときや苦しいときに、どうしても人のせいにしたり、自分自身に言い訳する癖がついてしまう。
西崎は、「選手自身が自発的に考えて行動できるよう、指導者が導いていくことが幼少期のコーチングでは重要だと強く感じています」と、今後の指導に意欲を燃やします。

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指導者として重視する、選手の「笑顔」と「会話」

個人競技である水泳は、一人でストイックに練習に取り組むようなイメージを持たれがちです。ましてや選手コースとなれば、「練習は厳しくつらいものだろう」と考える人も多いかもしれません。しかし、コーチとして意識していることを西崎に尋ねると、意外にも「笑顔と会話」という答えが返ってきました。

「たとえ練習が苦しくても、チーム内が明るい雰囲気(表情・会話)であれば、選手たちはきっとトレーニングの達成感を得ているでしょう。反対に、チーム内に笑顔や会話が少ないときは、納得のいく練習ができなかった、体調が優れない等、何かしらの原因が考えられます。こんな時は、必ず声を掛けフォローするようにしています。
笑顔と会話は、明日につながるひとつのバロメーターになるのです。
競泳はレースの瞬間だけを見れば個人競技ですが、実はチームでの活動がとても重要です。チームの雰囲気が良ければお互いに支え合って、つらいことも前向きに乗り越えていけます。実際に、これまで見てきた強い選手が集まるチームは明るく、エネルギーにあふれ、非常に活発な会話が交わされていました」

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今ではこう語る西崎ですが、コーチとして駆け出しの頃は、厳しさだけで指導してしまっていたこともあったといいます。しかしながら、一方通行の厳しさだけでは生徒の伸びに限界があることを学んでいき、「難易度・強度の高いトレーニングをいかに楽しませながらやるか」という現在の指導スタイルに変化させていったそうです。

保護者は選手の背中を押してくれる存在

選手にとっては家庭のサポートも欠かせないものです。ルネサンスの選手コースでは、選手を中心にコーチと保護者が目標を共有し、競技力向上に向けたサポートを行っています。
保護者として、どんな態度や気持ちで子供の習い事に向き合っていくか悩む場合もあるかもしれませんが、「保護者の皆さんには、選手の最大の理解者であってほしい」と西崎は力を込めます。

これは、選手活動を続ける上で、どんな選手でも勝ち負けのいずれも経験するものですが、お子様への期待が大きくなり過ぎて、練習・競技結果に対し必要以上のアドバイスを行うことで、選手に迷いが生じたり、時にはプレッシャーを与えてしまう可能性があるからです。
そのため西崎は、「選手のがんばりを後押しする、苦しい局面でくじけそうになったときに陰ながら支えてあげる。そんな親御さんの存在が、子供たちにとって心強い支えになるはずです」と、これまでの指導経験から力強く話しました。

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今後は、選手と同時に優れたコーチも育成するのが目標

自分の可能性にチャレンジし続け、さらなる高みを目指す未来のオリンピアンたち。そんな子供たちを指導するコーチとして、今後目指したいことを聞きました。

「ルネサンスの選手コースから初めてオリンピック選手が誕生したのが、2016年のリオオリンピックでした。池江選手や持田選手に続く次世代のトップ選手を育てるには、指導者の育成が欠かせません。選手の力を伸ばす一番の要因はもちろん本人の努力ですが、指導者や周りのサポートによる影響も大きいです。
ですから、今後は選手を育てると同時に、コーチも育成するのが私の務め。2024年パリ大会や、2028年ロサンゼルス大会、さらにその次へと、継続して日本代表選手を輩出していきたいと思っています」

~おわりに~
ルネサンスジュニアスイミングスクールの選手コースでは、「オリンピックでメダル獲得」を大きな目標として、日々選手の指導に取り組んでいます。全国・地域の競技大会への出場だけでなく、上位入賞が可能なレベルの競泳競技力に高めることが目標です。
さらに、指導においては選手を心身ともにサポートすることを大切に、忍耐強い精神力までが身に付くような場でありたいと、常々考えています。
「お子さんに水泳を習わせてみたい」と考える、保護者の方も多いかもしれません。この機会にぜひ、お近くのルネサンスクラブで水泳を始めてみませんか。
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記事監修

株式会社ルネサンス
競技強化部 強化ヘッドコーチ
西崎 勇
1999年にルネサンス入社。フィットネストレーナーを経てルネサンス幕張でスイミングコーチとして勤務をスタートする。2016年リオオリンピックに持田早智選手を輩出。2021年東京オリンピックに池江璃花子選手を輩出し、自身も日本代表コーチに選出された。現在は競技強化部に所属し、競泳活動全般の運営・指導に従事している。

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