やけ食いはNG!
ストレス解消に◎な食べ物と食習慣のポイント

ストレスと食は、実は密接な関係にあります。ストレスをいち早く解消させるためには、ストレス解消に効果的な栄養をとり、食習慣を改善することがとても大切。反対に、やけ食いやストレス解消の妨げとなる食事を続けると、いつまでもストレスを抱える悪循環に陥ってしまうため、注意が必要です。ここでは、ストレスを抱えているときにおすすめの食べ物やNGな食べ物のほか、食習慣を改善するポイントなどについて紹介しましょう。

ストレスを抱えているときにおすすめの食べ物

ストレス解消に効果的な栄養は、下記の4種類といわれています。

●セロトニンを作る栄養素
●抗ストレスホルモンを作る栄養素
●ポリフェノール
●カルシウム

ここでは、それぞれにどのような食べ物があるのか見ていきましょう。

セロトニンを作る栄養素

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神経伝達物質であるセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、精神を安定させる働きがあります。このセロトニンを作るためには、トリプトファンとビタミンB6が必要。トリプトファンは、脳内でセロトニンを合成する際の原料となります。トリプトファンが含まれる食品は次のとおりです。

●牛乳やチーズなどの乳製品
●豆腐や味噌などの大豆製品
●赤身の魚
●バナナ
●卵 など

また、ビタミンB6はトリプトファンからセロトニンを合成するために必要な栄養素となります。ビタミンB6をとるには、サンマやイワシ、マグロなどの魚類、レバー、しょうが、にんにくなどがおすすめです。上記の食品と一緒にとれば、より効率的にセロトニンを作ることができます。

抗ストレスホルモンを作る栄養素

ストレスを感じたとき、私たちの体内では抗ストレスホルモンが分泌されます。この抗ストレスホルモンの合成に必要なのが、ビタミンB群とビタミンC。ストレスを受けるとこれらが大量に消費されるため、積極的にとることをおすすめします。それぞれの栄養素が豊富に含まれている食品を見ていきましょう。

●ビタミンB群
豚肉やレバー、卵、牛乳など
●ビタミンC
ピーマンやパセリなどの野菜類、レモンやキウイ、イチゴなどの果物類

ポリフェノール

ポリフェノールには、不安や緊張感などを緩和し、気分を落ち着かせる効果があります。ポリフェノールはカカオに豊富に含まれているため、仕事中などにおやつを食べたいときは、カカオ含有率の高いダークチョコレートがおすすめ。

カルシウム

イライラしたときに◎な、心を落ち着かせる栄養素ともいわれるカルシウム。神経や筋肉の働きを保つためにも不可欠なミネラルです。牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品のほか、エビやイワシといった魚介類、小松菜やパセリなどの緑黄色野菜に豊富に含まれています。

ストレスを抱えているときは避けたほうがいい食べ物

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ストレスを抱えているときには、摂取するのを控えたほうがいい成分もあります。特に、カフェインや脂質、糖質はストレスを受けたときについとってしまいがちですが、新たなストレスを生む原因となってしまうため、極力我慢したほうがいいでしょう。

カフェインを含む飲み物

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、脳を刺激して集中力を高めるホルモンを分泌させます。しかし、カフェインをとり過ぎると神経が緊張し、イライラしがちになるという側面も。カフェインの適量には個人差があり、1~2杯のコーヒーだけでもイライラの原因となってしまう方もいます。

集中力を高めたいときや、仕事中に何か飲みたいときは、カフェインレスの飲み物か、煎茶・ほうじ茶がおすすめ。1杯あたりのカフェイン量がコーヒーに比べて大幅に少ないため、神経も刺激されにくくなります。また、茶葉の中にはストレスや不安感をやわらげることが期待できるL-テアニンが含まれているため、ストレス時にはうってつけの飲み物といえるでしょう。

脂質、糖質たっぷりの甘い物、脂っこい物

ストレスを感じると、つい甘い物や脂っこい物が食べたくなるという方もいるでしょう。しかし、体が脂質や糖質を代謝するにあたって、抗ストレスホルモンづくりに必要なビタミンBを消費してしまいます。そのため、なるべく甘い物や脂っこい物を食べるのは控えましょう。

ストレス時の食習慣で注意すべきポイントは?

ストレスを抱えているときは、食べ物だけでなく、食習慣を改善することも重要なポイントです。最後に、ストレス解消のための食習慣改善の方法について見ていきましょう。

おすすめの食べ方とは?

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ストレスを抱えているときは、極力リラックスした状態で楽しく食事をすることが重要です。家族や友人と団らんして食べてもいいでしょう。一人での食事が寂しく感じるときには、リラックスして過ごせる相手と外食をするなど、食事環境を変えてみるのも◎。

避けたほうがいい食べ方とは?

ストレスを抱えているときは、さらにストレスに拍車をかける偏食や欠食、暴飲暴食などの不規則な食生活に気を付けましょう。また、「仕事をしながら」や「スマートフォンを操作しながら」といった「ながら食い」も避けたいところ。忙しくても、1日3食落ち着いて食べる時間をきちんと確保することが、ストレス解消につながります。

酒やたばこ、過食に逃げない

先程も解説したように、脂質や糖質を代謝するには、抗ストレスホルモンを作るために必要なビタミンBを消費します。さらに、アルコールの代謝には同じくビタミンBが必要で、たばこはビタミンCを大量に消費するため、飲酒や喫煙はストレス解消を妨害してしまうのです。

ストレスを感じているときに飲酒や喫煙、過食へ逃げがちになると、それらの依存症に陥ることもあるため注意しましょう。

~おわりに~
ストレスを感じている時は、つい好きな物ばかり食べたり、反対に食が細くなってしまったりと、食生活が偏りがちです。しかし、そうした食習慣は胃に負担がかかるばかりか、ストレスに拍車をかける原因にもなるため、ストレスを感じているときこそ規則正しい食習慣と、栄養バランスのとれた食事に配慮してみてください。

かといって、食事内容を気にしすぎることもイライラの原因になりかねません。適度に好きな食べ物を食べたり、リラックスして食事できる時間を確保したりしながら、上手にストレスを解消しましょう!