イメージ画像

腰痛やぽっこりおなかの原因!
女性に多い反り腰の原因と改善方法

慢性的な腰痛や、太っているわけではないのに下腹だけ出ている「ぽっこりおなか」は、普段の姿勢が大きく影響しています。中でも女性に多いのが、腰に負担がかかりやすい「反り腰」。腰痛以外にもさまざまな症状を引き起こす原因となります。
ここでは、反り腰とはどんな姿勢をいうのか、その原因や症状、チェック方法をご紹介します。また、反り腰解消の方法も見ていきましょう。

反り腰とは?

無自覚で、反り腰の姿勢をとってしまっている方も少なくありません。ここではまず、反り腰とはどのような状態の姿勢をいうのか、また反り腰によって体にかかる負担の大きさや、反り腰に起因する体の不調についても紹介します。

反り腰は体が前に傾いてしまう状態

反り腰とは、本来は閉じているはずの骨盤が横に開いたままとなり、内臓が正しい位置に収まっていない状態をいいます。これは、姿勢を保持するための「主要姿勢筋」という筋肉が大きく関係してきます。

主要姿勢筋とは、頭部を支える頸部筋、背骨を支える脊柱起立筋、太ももの裏側にある大腿二頭筋、足首を動かすヒラメ筋で、いずれも体の背面にある筋肉。これらの筋肉が衰えていたり、うまく使えていなかったりすると、体が支えられず、前に倒れるような状態になります。特に、骨盤の後ろとつながっている大腿二頭筋が弱いと、骨盤は前に傾いてしまうのです。

その結果、体は前に倒れないようにバランスをとろうとするため、腰のあたりで「反る」姿勢になります。これが「反り腰」なのです。

反り腰は腰にかかる負担が大きい

イメージ画像

正しい姿勢をとっていても、腰の骨は負担がかかりやすいもの。立っているときは体重と同じくらいの重さの負荷がかかりますが、最も負荷がかかる姿勢は椅子に座った状態。これは、体の重心が前に出るためです。デスクワークの人が腰痛に悩まされやすいのは、長時間座った姿勢で、腰に大きな負荷をかけ続けてしまうからというのがわかります。

反り腰の人は、こうした負荷がかかる姿勢をとるときに、本来姿勢を支えるための背面の筋肉がうまく働かない状態にあります。腰の筋肉と、背骨同士をつなげている筋肉だけで体を支えようと、踏ん張ってしまうのです。これが、慢性的な腰痛の原因にもなります。

反り腰によって引き起こされる症状

反り腰によって、慢性的な腰痛以外にも、人の体にはさまざまな不調が起こります。例えば、「太っていないのに、おなかだけぽっこり出ている」「むくみやすい」といった女性に多い悩みの原因も、実は体型や体質ではなく、反り腰であるケースがあるのです。これは、反り腰によっておなかが前に突き出た姿勢であることや、骨盤の歪みによって血流が停滞し、体がむくみがちになるためです。

また、骨盤が開いた状態で歩くとO脚になりますし、腰痛も出てきます。前傾姿勢を支えようと足先に力を入れて歩く癖がつくと、外反母趾や巻き爪にもなってしまいます。

反り腰になる原因は?

ここからは、反り腰になる代表的な3つの原因をご紹介します。

筋肉の衰えや柔軟性の低下

繰り返しになりますが、加齢や運動不足による筋肉の衰えは、反り腰になる大きな原因。例えば、骨盤の前傾を防ぐ役割を持つ腹直筋など、おなか回りの筋肉が衰えることでも、骨盤は前に傾いてしまいます。また、腸腰筋や太ももの大腿直筋の柔軟性が低下し、硬くなることでも、骨盤は前に傾きやすくなります。

体型の変化

妊娠や太っておなかが出ることも、重心が前に傾くため、反り腰の原因となります。おなかの重みを支えて立とうとすると、無意識に腰を反らせた姿勢をとる癖がつきやすくなるのです。

ヒールの高い靴をよく履く

イメージ画像

女性は、ヒールの高い靴を履くことも、反り腰の原因となります。ヒールを履いた姿勢は、「つま先立ちで坂道を下る」状態に近いためです。

つま先立ちでは、平らな道も歩きにくいもの。坂道を下るとなると、前につんのめるような状態になるため、倒れないように体の重心が後ろにいきがちになります。ヒールを履いたときも、無意識にその姿勢をとってしまうため、腰もどんどん反ってしまうのです。

自分が反り腰かどうかチェックしてみよう

自分が反り腰であるかどうかは、簡単にチェックすることができます。ここでご紹介するのは、壁を使って立った状態と、仰向けで行う2通りのチェック方法。慢性的な腰痛やむくみなどの悩みがある方は、一度実践してみることをおすすめします。

壁を使ったチェック方法

素足になり、壁や柱からかかとを5cmほど離した位置でまっすぐ立ちましょう。次に、壁や柱に頭・背中・お尻をぴったりつけて、壁と腰の隙間に手を入れます。このとき、壁と腰の隙間に手がすっぽり入って、余裕がある場合は反り腰であるといえます。

仰向けで行うチェック方法

両手を体に沿わせた状態で、仰向けで寝ます。このときの床と腰の隙間を確認します。そこに手が入る程度なら問題ありません。それ以上の隙間がある場合は、反り腰に該当します。また、ひざを伸ばして仰向けになると腰が痛く、ひざを立てると痛みがやわらぐ場合も、反り腰である可能性が高いです。

反り腰を改善する方法

反り腰が原因の腰痛の場合、整体やマッサージで一時的に症状がやわらいでも、根本的な改善にはなりません。ストレッチやトレーニングを行って筋肉を柔らかくしたり、鍛えたりすることが反り腰解消のためには重要なのです。

そこで、反り腰解消につながるストレッチやヨガのポーズをご紹介します。無理のない範囲で体を動かして、筋肉を伸ばしてあげましょう。

椅子に座ったままできるストレッチ

椅子に座った状態で、腰を丸めるストレッチです。まず、椅子に浅めに腰かけて、背筋を伸ばします。ゆっくりと息を吐いておなかをへこませ、おへそを見るように腰を丸めて、そのまま5秒間キープしましょう。

さらに5秒数え、息を吸いながら頭を真上に上げるように姿勢を戻していきます。この動きを10回繰り返しましょう。こり固まった腰回りの筋肉がほぐされ、腰の動きがスムーズになります。

反り腰を改善するヨガポーズ

呼吸に合わせて体を動かすヨガは、血行促進や固まった筋肉をほぐして柔軟性をアップさせることに効果的。腰回りの筋肉をほぐすヨガのポーズなら、反り腰の原因である骨盤の傾きを、正しい状態に戻すことにもつながります。また、ヨガのポーズで腹筋を鍛えれば骨盤を安定させられるため、反り腰の再発やぽっこりおなかの改善にもおすすめです。

●猫のポーズ
イメージ画像
四つん這いの姿勢になる猫のポーズは、腹筋を使って、おなかを内側に引き込みながら腰を丸めるイメージで行います。背中を丸めた後、さらにもう少しおなかを引き締めるように意識してみましょう。
●合蹠のポーズ
イメージ画像
足の裏同士を合わせた姿勢で行う合蹠(がっせき)のポーズは、骨盤回りの筋肉の柔軟性アップに◎。腰、お尻、股関節周辺を緩めて、筋肉の固まりや力みをなくしていきます。体を前に倒す際は、腰と背中を丸め、肩の力を抜くことを意識しましょう。

~おわりに~
人の体は、腰部に特に負担がかかりやすい構造になっています。女性の場合は男性よりも筋力が低く、加齢とともに腹筋などの筋肉も衰えがちになるため、反り腰のリスクも高くなります。いつまでもきれいな姿勢とスムーズに動かせる体をキープするためにも、日常的にストレッチや筋トレを行い、体全体を支えるしなやかな筋肉を育てていきましょう。