【初心者必見】ピラティスの代表的なポーズ一覧と基本の姿勢・呼吸法

ピラティスは、体幹を鍛えて姿勢を整え、しなやかな身体を手に入れられるエクササイズです。近年はアスリートのコンディショニングにも取り入れられるようになり、その効果は科学的にも注目されています。
とはいえ、はじめてピラティスをする方は、「どんなポーズをするの?」「運動が苦手でも大丈夫?」と不安に思うことも多いでしょう。

そこで本記事では、初心者が押さえておきたいピラティスの基本姿勢や呼吸法、具体的なポーズまで、詳しく紹介します。

教えてくれたヒト

スポーククラブ ルネサンス
河瀬インストラクター
エアロビクスなどアクティブ系のエクササイズの指導を経て、年齢を重ねても長く続けられるピラティスに注目。過去のケガの影響や、関節の違和感を抱える人などにも優しいピラティスで、身体だけでなく心も整えるレッスンを心掛けている。 健康運動指導士やPeak Pilates PPC1認定、Peak Pilates アドバンスマット認定、ペルビックストレッチマスターインストラクターなどの資格を保有。

ピラティスの基本姿勢

ピラティスを行う上で重要なのが「基本姿勢」です。正しい姿勢をとれば、身体に余計な負担をかけず、体幹を安定させたまま安全に動けます。

なかでも、代表的な基本姿勢として知っておきたいのが、「ニュートラルポジション」と「インプリントポジション」の2つです。どちらも背骨と骨盤が自然にカーブした姿勢で、これらの姿勢を意識してピラティスのポーズをとることで体幹が安定します。

腰痛がある方、腹筋が弱い方はインプリントポジションから始め、将来的にはニュートラルポジションからポーズを展開できるとよいでしょう。

ニュートラルポジション

ニュートラルポジションは、背骨と骨盤が自然なカーブを保った、もっとも基本的なピラティスの姿勢です。身体への負担が少なく、体幹の筋肉がしっかり働くため、多くのエクササイズの土台となります。

まず、仰向けに寝てひざを立て、ひざとひざの間にこぶし1つ分のすきまを空けましょう。骨盤のカーブがつぶれないよう、腰と床の間にも手の平1枚分のすきまを空けてください。

坐骨を立て、腰骨のでっぱりと恥骨を結んだ三角形が床と平行になっていれば◎。

インプリントポジション

インプリントポジションは、腹筋が弱い方や腰に不安がある方でも取り組みやすい、ピラティスの補助的な基本姿勢です。背骨を床に密着させることで、より安定した状態でエクササイズが行えます。

ニュートラルポジションと同様に、仰向けになってひざを立て、ひざとひざの間にこぶし1つ分のすきまを空けます。
骨盤を後ろに倒してお腹に力を入れ、お腹を床に近づけて腰と背骨をすべて床につけましょう。インプリントポジションを続けることで、自然と腹筋が鍛えられます。

恥骨が坐骨より高い位置にあり、腰骨と恥骨を結んだ三角形が坐骨側に傾いていることを確認してください。

ピラティスの呼吸法「胸式呼吸」

基本姿勢と併せて意識したいのが、呼吸法です。ピラティスでは、インナーマッスルを鍛え、エクササイズの効果をより高めるために「胸式呼吸」を行います。
鼻から息を吸い、肋骨を左右に広げるように胸を膨らませたら、息を吐きながら肋骨をすぼめましょう。慣れてきたら、左右だけでなく後ろにも空気を取り込むようなイメージで呼吸します。

このとき、胸が上に上がったり、お腹が膨らんだりしないように注意してください。深く安定した呼吸を身に付けることで、体幹の安定性や集中力の向上にもつながります。

初心者が取り組みやすい、6つのマットピラティスポーズ

ここでは、初心者の方でも無理なく取り組める6つの代表的なマットピラティスポーズをご紹介します。どれも、体幹の強化や柔軟性の向上、姿勢改善につながるポーズで、レッスンでもよく取り入れられている基本の動きです。

ピラティスでは、背骨のしなやかさと身体の中心軸を意識した動きが大切です。その際、ポイントとなるのが「スクープ(scoop)」という感覚。お腹をスプーンですくうように引き込めば、腰を守りながら動作をサポートし、エクササイズの質を高められます。

それでは、各ポーズの効果や取り組み方、注意点を順に見ていきましょう。

テーブルトップポジション

テーブルトップポジションは、体幹を安定させる力を養い、正しい姿勢づくりに役立つピラティスのポーズです。

<テーブルトップポジションの取り組み方>
  1. 仰向けになり、ひざを立てた基本姿勢からスタート
  2. 息を吐きながら、両足をそろえて床から持ち上げ、股関節とひざがどちらも90度になるように曲げる。太ももは床に対して垂直、ひざからつま先までは床と平行になるよう意識する
  3. このポジションを数秒キープしたら、息を吐きながらゆっくりと基本姿勢に戻す

骨盤がブレないように意識しながら行うことで、より深く体幹にアプローチできます。

ハンドレッド

ハンドレッドは、体幹の強化や持久力アップに効果的なピラティスのポーズです。血流を促し、集中力を高めたいときにもおすすめです。

<ハンドレッドの取り組み方>
  1. テーブルトップポジションをとり、股関節とひざを90度に保つ
  2. 息を吐きながら上体を少し起こし、視線はおへそへ向ける
  3. 両腕を前に伸ばし、床と平行に保ったまま上下に小さく振る
  4. 息を吸いながら5回腕を振り、吐きながら5回振って1セット。これを10セット繰り返す

目的は体幹を安定させることなので、腕の動きに身体が引っ張られないように注意しましょう。

背骨のアーティキュレーション

背骨のアーティキュレーションは、背骨をひとつひとつ丁寧に動かすことで、柔軟性と体幹の安定性を高めるピラティスのポーズです。姿勢改善や腰まわりの緊張緩和にも効果が期待できます。

<背骨のアーティキュレーションの取り組み方>
  1. 仰向けになり、ひざを立てた基本姿勢をとる
  2. 息を吐きながら、お腹を引き込みつつ尾骨から順に背骨を床から持ち上げていく
  3. お尻が上がり、肩からひざまでが一直線になったら息を吸ってキープする
  4. 息を吐きながら、背骨をひとつずつ丁寧に床におろしていき、最後に尾骨がつくように戻す

背骨の動きを意識することで、身体の中心からコントロールする感覚が身につきます。ゆっくりとした呼吸と動きがポイントです。

ショルダーブリッジ

ショルダーブリッジは、体幹を安定させながら、お尻やもも裏、股関節まわりをバランスよく鍛えられるピラティスのポーズです。姿勢改善や骨盤周りの引き締めにも効果が期待できます。

<ショルダーブリッジの取り組み方>
  1. 仰向けでひざを立てた基本姿勢からスタート
  2. お腹を引き込む意識を持ちながら、息を吐きながらゆっくりお尻を持ち上げる
  3. 肩からひざまでが一直線になったら、鼠径部をしっかり引き伸ばす
  4. 息を吐きながら足を天井方向へ上げ、吸いながら床と平行の位置まで下ろす

足を伸ばして行うのが難しい場合は、ひざを曲げたままでも構いません。無理せず、自分のレベルに合わせて取り組みましょう。

シングルレッグストレッチ

シングルレッグストレッチは、腹筋を集中的に鍛えるとともに、股関節まわりの柔軟性を高める効果があるピラティスのポーズです。コアの安定性を高めながら、下半身の動きをスムーズにするサポートにもなります。

<シングルレッグストレッチの取り組み方>
  1. テーブルトップポジションからスタートし、息を吐きながらおへそを覗き込むようにして上体を起こす
  2. 片足のひざを胸に引き寄せ、両手でひざ下を軽く抱える
  3. もう一方の足は床と平行にまっすぐ伸ばす
  4. 息を吸い、吐きながら左右の足を交互に入れ替える動作を繰り返す

ポーズがきつい場合は、両足ともひざを曲げた状態で行っても問題ありません。呼吸と連動させながら、丁寧に行うことが大切です。

ハーフロールバック

ハーフロールバックは、腹筋と体幹の強化に効果的なピラティスのポーズです。背骨をコントロールしながら動かすことで、姿勢改善にもつながります。

<ハーフロールバックの取り組み方>
  1. ひざを立てて座り、ひざとひざの間にこぶし1つ分のすきまを空ける
  2. 息を吸い、吐きながら骨盤を後ろに倒してお腹を引き込み、背骨を丸めながら上体を少しずつ倒していく
  3. 半分まで倒したら、その位置で一度息を吸い、吐きながらゆっくり起き上がる

お腹の力で動きをコントロールし、腰や首に力が入りすぎないよう注意しましょう。呼吸と動きを連動させるのがポイントです。

インストラクターが語る――
誰でも気軽にはじめられる、ピラティスの魅力と継続のコツ

今回は、ピラティスの指導歴が豊富な河瀬インストラクターに、初心者にもおすすめできるピラティスの魅力について伺いました。

--ピラティスはどんな人に向いているエクササイズですか?

「ピラティスは、年齢や性別、運動経験の有無を問わず、どなたでもはじめられるのが特徴です。元々リハビリテーションを目的として開発されたエクササイズなので、関節に不安がある方や、過去にケガをした経験がある方にもやさしい動きが多いんです。実際、腰痛や肩こりの改善、姿勢の見直しを目的にはじめる方も多いですよ」

ピラティスの効果は?初心者向けの頻度やダイエット効果を解説|ルネサンスマガジン

--初心者がつまずきやすいポイントはどこですか?

「最初はポーズがうまくできない、体が思うように動かないと感じて戸惑う方が多いです。例えば、ハンドレッドで頭を起こすのがつらかったり、テーブルトップがぐらついて安定しなかったり…。でも、それはごく自然なことなんです」

--できないと続けたくなくなってしまいそうですが…

「そうですね。ただ、ピラティスはポーズの完成度を競うものではなく、動作の質や背骨の動き、呼吸を意識することが大切です。完璧にできなくても、正しい姿勢と呼吸を意識するだけで十分に効果は出ますよ」

--では、継続のために大切なことは何でしょうか?

「楽しむことが大切ですね。がんばりすぎず、自分のペースで続けることが大切です。慣れるまでは、ひざを曲げたり、ツールを使ったりして無理なく動く方法もあります。

可能であれば、スタジオレッスンでインストラクターのアドバイスを受けるのがおすすめです。自分に合った動きが見つかれば、自然と続けたくなりますよ」

自社開発のピラティス・Essential Pilatesを体験!|ルネサンスマガジン

~おわりに~
今回ご紹介したピラティスのポーズは、自宅で気軽にはじめられる基本のポーズです。基本の姿勢と呼吸を忘れずに、ぜひ取り組んでみてください。

最初は思うように動かなくても大丈夫。無理なく続けることで、少しずつ効果を実感できるはずです。

ルネサンスでは、基礎から丁寧に学べる「エッセンシャル・ピラティス」のプログラムもご用意しています。正しい動きを身に付けたい方や、継続して取り組みたい方は、ぜひレッスンに参加してみてください。

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※1:旧スポーツオアシスの施設。別サイトへ移動します。