仲間(peer)が同じ環境に集まり、互いに刺激し合うことで、全体としても個人としてもパフォーマンスが高まることを「ピア効果」と言います。「仲間と一緒なら頑張れる」という気持ちが働くことで、いつの間にかモチベーションが上がり、運動習慣からの離脱防止にもつながります。人のココロとカラダがつながっていることに、改めて気付かされます。
前向きな、カラダ。
日々の運動が健康的なカラダにつながるとわかっていても、
いざ実践するとなると続かず挫折してしまう人は多いです。
前向きなカラダを作るには、前向きなココロも必要。
だれしもうまくいかず
ネガティブになることもありますが、
前向きなココロとカラダがあれば
乗り越えられるはずです。
どうすればポジティブに日々の運動を楽しめるのか、
闘病生活を乗り越えて競泳で活躍する
池江 璃花子選手に聞きました。
- 池江璃花子
- 東京都江戸川区出身。
ルネサンス所属:専門は自由形とバタフライ。
行き詰まったら
休んでリセット。
私はポジティブな性格ではないので、切り替えを大事にしています。
ネガティブな気持ちになったらとにかく寝てしっかりカラダを休ませてリセットすると、自然とココロも前向きになるんです。それでもうまくいかなくて落ち込んだ時は
「ほかの人ができたことなら私だってできるはず!」
と自分を励まして、どんなに調子が悪くても最後の一本に集中します。そうやってうまく切り替えることで毎日のトレーニングをやり切ることができました。陸上より水中のほうがしっくりくるくらい泳ぐことが当たり前になりましたね。(笑)
前向きなイメージが
継続する行動力に。
前向きなイメージってすごく大事。落ち込んでいても元気にふるまっていると本当にココロが明るくなりますし、気持ちが乗らなくても
朝起きた時に1日のスケジュールを立てるとワクワクして、前向きに行動するパワーが生まれます。
大ざっぱなので挫折することもありますが、うまくいかなくても失敗とは思いません。「どうしたらうまくいったんだろう?」と振り返って、次につなげています。全力を尽くせばすべていい経験になるので、直近の目標だけでなくその次の目標も立てて
「もしダメでも次があるから大丈夫」
と自分の可能性を信じて挑戦を続けています。
喜怒哀楽を
共有する幸せ。
病気になるまでは個別指導が多かったです。人と感情を共有することができず、自分の強さだけを追求する孤独な世界にいました。復帰してから心配されても私の気持ちはわからないだろう、と思っていたんです。でも、みんなと練習するようになって
「ひとりじゃない、仲間がいるんだ。みんなも苦しさを乗り越えてるんだ」
と思えて、孤独感がなくなっていきました。しんどくても周りの環境や人に左右されずただ目の前のやりたいことに向き合えば、
同じ時間や喜怒哀楽を共にした仲間ができて人と分かち合う楽しさを味わえます。そして前に進んでいる実感を得られ、新しい自分を感じられます。