
良い汗と悪い汗の違いって?代謝がいい人のやせる汗とは
一口に汗といっても、質感やにおいなどの違いによる「良い汗」や「悪い汗」があります。両者は汗の出るタイミングや身体にもたらす影響も異なり、いわゆる良い汗をかいているときは代謝が良く、やせやすい状態といえるのです。
ここでは、汗の役割や種類のほか、良い汗と悪い汗の違いについて解説します。併せて、良い汗をかくメリットや効果についても見ていきましょう。
そもそも汗とは?
体温調節に欠かせない汗は、皮膚にある汗腺で作られるものです。汗の成分の大半は水で、人間の体温が上がると身体の水分が汗として放出されます。この汗が出るしくみによって、人間の体温は一定に保たれているのです。
また、汗が作られる汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」があり、それぞれ下記のような特徴があります。

エクリン汗腺
エクリン汗腺は、皮膚の中でも毛のない部分にある汗腺のこと。全身のほとんどの場所にあり、おもに体温調節時に出る汗をはじめ、ストレスを感じたときに出る汗や、刺激物を食べたときに出る汗などがエクリン汗腺から出ています。汗が無色無臭であることも特徴です。
アポクリン汗腺
アポクリン汗腺は、毛根を包んでいる皮膚組織である、毛包の上部にある汗腺のこと。毛の周りから皮膚へと汗がにじみ出る構造となっており、全身に分布するのではなく、脇の下や陰部などの部位に存在します。
アポクリン汗腺の分泌機能は思春期から活発になる点が、エクリン汗腺との違い。ワキガの原因ともなるほか、フェロモンとの関わりも深いといわれています。
どうして汗が出たのかで分かれる3つの汗の種類
汗の出る要因によって、汗の種類は「温熱性発汗」「精神性発汗」「味覚性発汗」の3つに分けられます。ここでは、それぞれの汗の特徴について見ていきましょう。
体温を調節する「温熱性発汗」
温熱性発汗は、気温の上昇や運動、労働などによって体温が上昇したときに、体温を調節するために出る汗です。手のひらや足の裏を除く全身から出る汗で、エクリン汗腺が関わっています。
ストレスを受けたときの「精神的発汗」
精神的発汗は、痛みや緊張、不安、怒りなどのストレスを受けたときに出る汗で、おもに脇の下や手のひら、足の裏に見られます。エクリン汗腺、アポクリン汗腺の両方が関わっています。
刺激物を食べたときに出る「味覚性発汗」
味覚性発汗は、辛い物などの刺激物を食べたときに、おもに顔(や頭)から出る汗です。カプサイシンという辛み成分が口の中にある温度センサーを刺激して痛みを発生させ、発汗神経が刺激を受けることで汗が噴き出るといわれています。こちらも、エクリン汗腺が関わっている汗のひとつです。
良い汗と悪い汗の違いは何?

汗腺や汗の種類と違いがわかったところで、続いては、良い汗と悪い汗の特徴について見ていきましょう。両者には、下記のような特徴や違いが挙げられます。
さらさらとして、発汗後に不快感を覚えにくい「良い汗」
ダイエットのためにも、良い汗をかけているかどうかを意識したいところ。良い汗には、下記のような特徴があります。
- <良い汗の特徴>
-
- ・少しずつ出る
- ・塩分濃度が低く、さらさらとしている
- ・汗の粒が小さい
- ・におわない
- ・蒸発しやすい
本来、人間の汗のほとんどは水分です。全体のうち約1%だけに水分以外のミネラルや塩分、老廃物が含まれていますが、限りなく水に近いことで、汗をかくとうまく肌の上で蒸発して、体温が調節されます。
この、汗の元となるのは血液です。汗腺は、汗を作るときに血液中のミネラル分を濾過して血液中に戻す役割も果たしていますが、この濾過機能は、運動不足やエアコンの効いた部屋で一日中過ごすなど、汗をかき慣れていないと徐々に退化し、良い汗をかきづらくなってしまいます。
一方で、身体が暑さに慣れて汗の分泌機能が高まっていくと、一度に大量の汗をかくのではなく、少しずつ発汗できるように。すると、塩分濃度の低い、良い汗が出るようになります。さらに、良い汗はかき始めるタイミングが早いため極端に体温が上昇することもなく、心拍数の増加まで抑えられるのが特徴です。
ベタつき感があり、体温調節の効率も下がった「悪い汗」
一方の悪い汗の特徴としては、次のようなことが挙げられます。
- <悪い汗の特徴>
-
- ・塩分濃度が高く、ベタベタしている
- ・汗の粒が大きい
- ・においが強い
- ・蒸発しにくい
体温を一定に保つという汗の目的から考えると、一概に悪い汗とは言い切れませんが、汗腺の濾過機能がしっかり働いていないと、身体へのデメリットが大きくなります。
悪い汗はベタついて不快感を覚えやすいだけでなく、血液中のミネラル分が汗をかくたびに失われていくため、疲労感からくる夏バテや、熱中症にもつながりやすくなってしまいます。また、良い汗と比べると、水分以外の成分が多く含まれることから、比較的水分蒸発がしづらく、体温調節もうまくいかなくなります。

良い汗を流すメリット
良い汗を流すことで、人にはやせやすくなる点をはじめ、さまざまなメリットが生じます。良い汗を流す具体的なメリットを押さえておきましょう。
代謝の良い身体となり、やせやすくなる
良い汗をかけるようになると、代謝が高まります。代謝とはエネルギーの吸収から消費までのサイクルのことで、代謝が良ければエネルギーを溜め込まずに消費できるため、太りにくくやせやすい状態となります。
むくみや肩こり、腰痛、冷え性などの改善が期待できる
良い汗をかいて代謝が高まると、血行も促進されます。すると、老廃物が排出されやすい、むくみにくい身体となります。血流が良くなれば、肩こりや腰痛、冷え性などの改善も期待できるでしょう。
肌の調子が良くなる
良い汗をかくと皮脂も盛んに分泌されるようになります。そして、出てきたばかりの皮脂と小粒な汗が合わさると、上質な皮脂膜を形成し、外部からの刺激から肌を守ったり乾燥を防いだりしてくれます。こうして、潤いのある肌に整いやすくなる点もメリットといえます。
熱中症のリスクも抑えられる
良い汗はさらさらとして蒸発しやすいため、少ない量でも効率的に身体の熱を逃がしてくれます。この働きは、熱中症リスクの高い夏場において特に重要です。生活習慣や運動習慣を改善して良い汗をかきやすい体質になれば、熱中症リスクの低減にもつながるでしょう。
反対に、悪い汗は蒸発しにくいため体温が下がりにくくなります。体温調節がうまくいかないと、熱中症リスクも高まってしまいます。
こちらの記事では、良い汗をかいて代謝を高める方法について詳しく解説していますので、参考にしてください。
~おわりに~
良い汗と悪い汗には、体温調節の効率や、ベタつき感の有無などに違いがあり、日常的に発汗する習慣を取り入れることが、いかに大切かおわかりいただけたと思います。ついつい夏場などはエアコンの効いた部屋で一日を過ごしがちですが、今一度、運動や入浴などの生活習慣について見直してみてください。できるところから発汗する機会を持つようにすると、少しずつ汗の質が向上していき、健康的でやせやすい身体づくりにも役立つはずです。
また、上質な汗をかく習慣として、なかなかご自身で運動を続けることが難しいと感じる方もいるかもしれません。そんなときは、フィットネスに通うのもひとつの手。総合スポーツクラブのルネサンスでは、運動不足の方や初心者の方でも無理なく始められるエクササイズプログラムを多数ご用意しています。有酸素運動や筋トレはもちろん、女性に人気のヨガやストレッチなどのプログラムも豊富です。ぜひこの機会に、お近くのルネサンスを見学・体験してみてください。 見学・体験のご案内