BIG3で効果を出す!
ボディビル界のカリスマに聞く、基本の正しい鍛え方

筋トレのBIG3とは、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトの3種目のこと。大きな筋肉を効率的に鍛えられる筋トレの基礎であり、初心者にも中上級者にも有効な王道種目です。
最近では、マッチョな身体を目指す男性のほか、美しいボディラインを手に入れたい女性にも人気なのだとか。ただし、フォームが間違っていると、BIG3を続けても期待する効果は得られません。むしろ、腰や肩の故障につながることもあります。

まずは、BIG3で重要な事前姿勢とフォームを確認し、ケガなく効果的なトレーニングをしましょう。
今回は、数々のタイトルを獲得した日本ボディビル界の実力者であり、再現性の高い指導ができるトレーナーとして生徒からも仲間からも支持を集める山田幸浩トレーナーに、BIG3の基本を教えてもらいました。

教えてくれたヒト

ルネサンス 山田幸浩トレーナー
トレーナーと並行してボディビル競技者のキャリアを磨き、日本ボディビル選手権大会第3位など華々しく活躍。現在はフィットネスクラブ コクール ルネサンス名古屋の支配人を務めつつ、トレーナーとして全国のルネサンスを回り、トレーニングの直接指導も行っている。親しみやすく、理論的で丁寧な指導が好評。

BIG3で重要なのは主動筋を意識すること

初心者でも自然と動作が安定するマシントレーニングと違って、フリーウェイトは全身でバランスを取る必要があります。
その結果、フリーウェイトでは身体を安定させることに気が向いてしまい、本来鍛えたい筋肉である主動筋への意識が弱くなってしまうことがあります。BIG3で効果を出すためには、「今、どの筋肉を動かしているのか」「どこを鍛えたいのか」を常に意識しながら動作を行うことが重要です。

また、安全かつ効率的にトレーニングを行うためには、ラックや安全バーを正しく設定し、崩れない事前姿勢(セットアップ)を取ることも欠かせません。これらの準備が、主動筋をしっかり使った質の高いトレーニングにつながります。

ベンチプレス(主動筋:大胸筋)

ベンチプレスの主動筋は、大胸筋(胸の前側を覆う筋肉)です。肩や腕ではなく、「胸を使って押す」感覚を持つことが、効果を高めるポイントになります。動作中は、胸が伸びて縮む感覚を意識しながら行いましょう。

手順は以下の通りです。

1. 安全バーを調整する

安全バーは、バーを上げきれなくなった際に、首やお腹にバーが落下するのを防ぐための装置です。目安としては、背中をベンチにべったりつけたときに、バーが身体(胸や首)に触れず、安全バーに乗る高さに設定します。これにより、もし力尽きてもすきまから転がって脱出することができます。

安全バーの設定ができたら、次はバーを乗せるラックの高さを調整しましょう。ベンチに横になった状態で事前姿勢を取り、ラックから無理なく外せる位置にバーをセットしましょう。高すぎても低すぎても事前姿勢が崩れるため、自分に合う位置を探してください。

2. 事前姿勢をとる

ベンチプレスの事前姿勢は、肩甲骨をぐっと寄せて胸を張り、背中の下に手のひら1枚分程度のすきまを作った状態。ベンチに横になり、まずはこの姿勢をセットしましょう。

3. ラックをバーから外す

事前姿勢をキープした状態で、目線の上にバーが来るように位置を調整します。小指、または薬指をバーのラインに当て、バーをラックから外して胸の真上(トップバスト)に構えます。

肘を90度に曲げたときに、前腕(手首〜肘)が床と垂直になる手幅であることを最終確認しましょう。この垂直のラインが、最も安全に力を発揮できるポジションです。

4. トップバストに向かってバーを下ろす

トップバストに向かってまっすぐバーを下ろします。胸がぐっと伸びる感覚があれば、しっかり主動筋を使えているサインです。

5. 胸の筋肉を使って押し戻す

胸が両側に開いたら、事前姿勢と垂直のラインを維持したまま上に押し戻してください。肘が伸びきるまで上げると姿勢が崩れるため、肩甲骨を寄せたままで戻せるところ(肘が伸びきる寸前)までが目安です。

スタッフアイコン
簡単にバーが持ち上がるとつい重りを増やしたくなりますが、重さを扱えてもフォームが崩れては意味がありません。
重りを100kgにして50%しか筋肉を使えないよりも、50キロの重りで筋肉を100%使えた方が効果的です。無理せず段階的に上げていきましょう。
<初心者が陥りやすいミス>
  • ・バーを押し戻しすぎて、肩が胸より上にあがってしまう
  • ・指に近い位置でバーを握り、手首が寝ている
  • ・肩甲骨を寄せきれず、背中がベンチにぴったりくっついている

スクワット(主動筋:大殿筋、大腿四頭筋)

スクワットの主動筋は、大殿筋(お尻)と、大腿四頭筋(太ももの前側を覆う筋肉)です。お尻と太ももにしっかり刺激が入っている感覚を意識しながら行いましょう。

手順は以下の通りです。

1. 安全バーを設置する

安全バーの位置は、ボトムポジション(スクワットで一番下までしゃがんだ状態)のバーの位置よりも少し下です。高すぎると可動域が狭まり、低すぎると体勢を崩したときに身体を守りきることができません。

2. 事前姿勢をとる

スクワットの事前姿勢は、腰幅から靴1つ分外側に立って膝と股関節を少し曲げ、お腹に力を入れて体幹を固定した状態。

膝とつま先はやや外側に向け、関節は力が入りすぎず、少し緩んだ状態に保ちましょう。

3. バーをかつぎ、股関節から曲げていく

バーを肩にかつぎ、かかとに重心を置いて股関節を動かしてお尻を後ろに引きます。身体を少しずつ前傾させ、最後に軽く膝を曲げましょう。
目線は常に前方を向き、背中はまっすぐの状態をキープします。

ボトムポジションは、太ももが床と平行になる位置、前傾は45度です。膝とつま先の向きを揃え、膝が大きく前に出過ぎないよう注意してください。

4. 主動筋を意識して元の姿勢に戻る

お尻と前ももを意識しながら、ゆっくりと体勢を元に戻します。

スタッフアイコン
スクワットは、ヒップアップを目指す女性にもおすすめのトレーニングです。
正しい姿勢を身につけることで、日常動作や立ち姿も美しくなります。
<初心者が陥りやすいミス>
  • ・膝を先に曲げ、つま先重心になる
  • ・腰が丸まる

デッドリフト(主動筋:脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋、菱形筋)

デッドリフトの主動筋は、脊柱起立筋(背骨の両側)、広背筋(背中の上部全体)、僧帽筋(首から肩、肩甲骨)、菱形筋(背骨と肩甲骨の間)です。
背中全体を使って引き上げる感覚を意識しながら行いましょう。

手順は以下の通りです。

1. 安全バーを設置し、必要に応じてベルトを締める

デッドリフトの安全バーは、バーを握って構えたときの高さよりも少し下に設置します。
腰を保護し、腹圧を効果的にかけたい場合は、トレーニングベルトの装着もおすすめです。

2. 事前姿勢をとり、バーを持ち上げる

デッドリフトの事前姿勢は、耳・肩・骨盤・くるぶしがほぼ一直線に並ぶ自然な事前姿勢をとり、膝と股関節をフレックス(少し緩んだ状態)にした状態。

足幅を腰幅と同じ広さにして胸を張り、この状態を作りましょう

股関節から前傾したら、膝を曲げてバーを両手でつかみます。このとき、バーを握る位置は肩幅からこぶし1つ分外側です。
身体の前面にバーを沿わせるようにしながらゆっくりと持ち上げ、事前姿勢に戻りましょう。

3. ボトムポジションまでバーを下げる

再び股関節から身体を前傾させ、持ち上げるときと同じく身体の前面に沿ってバーを下ろしていきます。

4. 再びバーを持ち上げ、事前姿勢に戻る

バーを下ろした位置で静止せず、再び背中の主動筋を使って、バーを身体に沿わせながら持ち上げます。耳・肩・骨盤・くるぶしが一直線になる事前姿勢に戻るまでがデッドリフトの1レップ(1回)です。

動作中、常に背中が丸まらないよう意識し、一連の動きをスムーズに繰り返しましょう。

スタッフアイコン
背中が丸まったり身体からバーが離れたりすると、腰への負担が大きくなります。
事前姿勢をキープできる重量を選び、ゆっくりとした動作で行うことが、安全かつ効果的なトレーニングにつながりますよ!
<初心者が陥りやすいミス>
  • ・腰が曲がる
  • ・腰が反る

成長スピードを上げる!メニューの組み方

メニューの組み方は、トレーニングに通える頻度によって異なります。

BIG3で鍛える大きな筋肉は回復まで72時間かかるため、週3日なら「1日目は胸」「2日目は背中」「3日目は脚」というように、日ごとに部位を分けてトレーニングすると良いでしょう。

各部位に多様な刺激が加わると効果が高まるため、BIG3で狙う筋肉と同じ部位を鍛えられるマシントレーニングや、スタジオプログラムを組み合わせるのもおすすめです。

重量設定の考え方

重量は、レベルに関わらずフォームを崩さずに主動筋を使える重さで設定します。
ベストな体勢を維持したまま、目標回数を5回増やすことができたら、重量アップを検討するタイミング。男性は5kg、女性は2.5kgを目安に重りを増やしてみましょう。

ただし、フォームが崩れたり、主動筋を使っている感覚が薄れたりしたら、すぐに重量を戻すことが大切です。

~おわりに~

筋トレに初めて取り組む方は、マシントレーニングで基本的な動きを学んでからフリーウェイトに移行する方が多いようです。フリーウェイトで行うBIG3は、バーを支える動きなどで主動筋以外の部分も刺激されるため、より多くの筋肉を使いたい方はぜひトライしてみてください。

BIG3の効果を最短で最大化するには、フォームの乱れによるもったいない動きを減らすことがカギ。基本フォームの習得や、個人の体型や柔軟性に合わせたステップアップを目指す方は、ルネサンスのパーソナルトレーニングもご検討ください。

アイコン パーソナルトレーニングのご案内

見学予約・入会については
お近くのルネサンスクラブで

北海道・東北
関東
東京
中部・北陸
近畿
中国・四国
九州・沖縄

※1:旧スポーツオアシスの施設。別サイトへ移動します。