春の花粉が飛ぶのはいつまで?
知っておきたい花粉症の基本

花粉が飛び始める春先は、くしゃみや鼻水などのつらい花粉症に悩まされる方もいるでしょう。花粉の種類によっては、2月中から飛散が始まるものもあります。そこで今回は、2019年春の花粉の飛散時期や、日常生活に取り入れたい花粉対策についてご紹介します。

多くの人を悩ませる、春の花粉の特徴は?

まずは、春の花粉の飛散時期と飛散量について見ていきましょう。

春の花粉の飛散期間

日本気象協会による2019年春の花粉飛散予測を見てみると、スギ花粉の飛散開始は2月中旬頃で、九州や四国、東海、関東地方の一部で飛散が始まる見込みです。関東地方は、花粉の種類・量ともに、全国的に見ても圧倒的に多いといわれ、3月から4月にかけてスギ花粉とヒノキ花粉がピークに。
これらの花粉は、ピーク後も長期間花粉が飛散し、7月頭の初夏頃まで飛散し続ける傾向となっています。

花粉の飛散量

2019年春の花粉の飛散量については、東北から近畿、九州地方までの広い範囲で例年の飛散量を上回るといわれています。地域によっては、前シーズンと比較して少なくなる見込みのところもありますが、例年よりも多いとされているエリアが広いようです。

花粉の飛散量は、前シーズンの夏の気温や日照時間の長さによって変わってきます。2018年の夏は、東北から九州にかけて広い範囲で非常に高い気温の日が続き、日照時間も長くなりました。そのため、2019年の春の花粉飛散量も、多くなると予測されています。

花粉症を引き起こす花粉の種類

ここでは、3月から4月にピークを迎える、スギ花粉とヒノキ花粉の特徴を見ていきましょう。

●スギ花粉
日本で最も多い花粉がスギ花粉といわれています。春にピークを迎えますが、9月頃から1月頃にかけても、飛散量は少ないものの飛び続けているため、悩まされる方が多い花粉です。鼻のアレルギー症状だけでなく、目や肌のかゆみ、喉の違和感など、多岐にわたる症状が現れます。
●ヒノキ花粉
スギ花粉とほとんど同じ時期に飛散しますが、スギ花粉よりも少し遅めに飛散し始める花粉です。スギ花粉のピークが終わったと安心しても、ヒノキ花粉が飛び続けているために花粉症の症状が長引く…というケースもあるため、注意したいところです。
ヒノキ花粉は飛散距離が長く、広範囲に飛ぶため、近くにヒノキがない場合でも花粉症を引き起こす場合があります。ほかの花粉と合わせて重症化してしまわないためにも、しっかりと花粉対策をとっていきましょう。

こんな日は花粉が多い!

日々の花粉の飛散量は、その日の天候によって大きく変わってきます。また、時間帯によっても飛散量が変化するため、花粉の飛び方の特徴を押さえておくことが予防のポイントにもなります。花粉の飛散量が多いとされているのは、次のような天候の日です。

・よく晴れた、気温の高い日
・風が強い日
・前日に雨が降った、よく晴れた日

前日に雨が降ると、翌日は前日分と合わせて2日分開花します。そのため、より多くの花粉が飛んでしまうのです。

花粉の飛散量が多い時間帯って?

花粉の飛散量は、一日の中でも時間帯によって変動します。花粉が特に多くなる時間帯は、昼過ぎと日没頃といわれています。

天気が安定していると、夜のあいだは閉じているスギの花が、日中に気温が上昇するにつれて開花します。その結果、昼過ぎは特に花粉の量も多くなってしまいます。また、昼間に空中を漂っていた花粉は、空気の流れに乗って上空へと運ばれます。これらの花粉は、日没になると再び地表に舞い降りてくるため、夕方の時間帯も飛散量が多くなるのです。

花粉から身を守るには?

スギやヒノキなどの花粉がアレルゲンとなって発症する花粉症。春の花粉症のように、毎年特定の季節に症状が現れるものを「季節性アレルギー性結膜炎」といいます。
花粉症を引き起こさないためには、アレルゲンとなる花粉との接触を、できる限り避けることが重要です。ここからは、花粉シーズンの日々の生活の中で実践したい、花粉対策をご紹介します。

花粉が飛散している屋外に出る際は、花粉を肌や髪、衣服などに、極力付着させないための対策をとることがポイントです。

●マスクをする 
マスクは花粉対策に非常に効果的で、着用することで大幅に花粉をカットすることができるといわれています。ポイントは、マスクと顔のあいだに隙間を作らないこと。顔に合った大きさのマスクを選びましょう。また、花粉対策には「濡れマスク」もおすすめ。2枚のマスクを重ね付けし、マスクのあいだにウェットティッシュを挟みます。すると、ウェットティッシュが花粉を吸着するため、花粉の侵入を防ぐことができるというもの。ウェットティッシュが乾くと吸着効果がなくなってしまうため、乾いた場合は交換しましょう。
●眼鏡をする
目元への花粉の付着を防ぐには、眼鏡や花粉症防止用ゴーグルの着用が効果的。一般的な眼鏡をかけているだけでも、裸眼やコンタクト着用時より、目に入る花粉の量は大幅にカットされます。普段はコンタクトレンズをしている方も、花粉シーズンのあいだは眼鏡で過ごすのもおすすめです。
●花粉がつきにくい服を着る
花粉が付着しにくい素材の服を選びます。特に、コートやジャケットといったアウターは、綿やポリエステルなどの表面がツルツルしている素材の物がおすすめです。逆に、ニットやフリースなどの素材は花粉が付着しやすくなるため、外出時は避けたほうがいいでしょう。
●気象庁などの花粉情報をチェックする
花粉シーズンになると、テレビやラジオ、インターネットなどで、その日の花粉の量をはじめとした詳しい花粉情報を見ることができます。こまめに花粉情報を確認して、飛散量の多い日や時間帯は外出を控えたり、対策をしっかりとったりしていきましょう。
●家の中に花粉を入れない
帰宅時は、家に入る前に衣類に付着した花粉をはらい、室内に花粉を入れないようにしましょう。髪にも花粉が付着しているため、全身を一通りはらいます。帰宅後は、すぐに手洗いとうがいと洗顔をし、できればシャワーを浴びるようにします。すぐにシャワーができない場合は、外出時に着ていた服から着替えることがおすすめです。

洗濯物の外干しは要注意

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花粉シーズンに洗濯物を外に干すと、大量に花粉が付着してしまうことがあります。できるだけ部屋干しをしたり、衣類乾燥機を使ったりして、洗濯物を外に出さないようにしましょう。

また、花粉は静電気によって引き寄せられます。洗濯時に使用する柔軟剤は、大抵の物は静電気を防ぐ効果があるため、それで衣類の静電気防止をしておくことも効果的です。

換気の方法

花粉の量が多い、晴れて風が強い日は、花粉の侵入を防ぐためにも、窓やドアはできるだけ閉めておきましょう。換気をする際は窓を10cm程度開けて、網戸や薄手のカーテンを閉めておきます。窓は長時間開けたままにせず、短時間の換気をこまめに行ってください。

~おわりに~
悩まされている人も多い花粉症は、とにかくセルフケアが重要です。飛散量の多い日や時間帯だけでなく、普段からなるべく花粉から身を守る生活を送り、暖かい春を気持ち良く過ごしましょう!