内臓脂肪を落とす!
効果的な1週間の運動メニューをトレーナーが解説

中高年になって太りやすくなった、お腹がぽっこり出るようになった、と感じている人も多いのではないでしょうか。もしかしたら、内臓脂肪が蓄積しているのかも。内臓脂肪とは、お腹を中心とした内臓のまわりについた脂肪のことで、内臓脂肪が蓄積すると血圧、血糖、コレステロールなどの健康リスクを抱えやすくなります。内臓脂肪を減らすためには、バランスのよい食生活はもちろん、運動が大切です。

そこで、管理栄養士の資格を持つルネサンス認定パーソナルトレーナーに、内臓脂肪を減らすのに効果的な1週間の運動メニューを提案してもらいました。

教えてくれたヒト

ルネサンストレーナー・管理栄養士
奥 結南
管理栄養士の資格を持つルネサンストレーナー。企業向けオンラインレッスン用の運動・栄養のプログラム開発に携わり、現在はトレーナーとして運動や栄養指導などを幅広く担当。「お客様が生活に取り入れやすい工夫を一緒に寄り添って考えながら提案することを心掛けています」。

内臓脂肪を減らすための2つのポイント

管理栄養士の資格を持つ奥トレーナーに、効果的に内臓脂肪を減らすための運動や食事の方法について聞きました。内臓脂肪が気になる方は、まずは日常生活で2つのポイントを心掛けてみましょう!

1. 運動と食事の両面からアプローチする

--奥トレーナーによると、内臓脂肪を減らすには、まず食生活を把握することが大切だといいます。

「内臓脂肪を減らすには食事と運動の両面からアプローチする必要がありますが、まずは自分が1日に摂取しているエネルギー量を把握しましょう。日常の活動状況や年齢によっても異なりますが、エネルギー量の適正量は、一般的に18歳~70歳未満の場合、女性は2,000~2,400kcal/日、男性は2,400~3,000kcal/日(※)といわれています。適正量と摂取量の差を知ることが大切です。食事記録できるアプリなどを使うと、適正量や摂取量を簡単に知ることができ、適正量や摂取量を自動で計算してくれるのでおすすめです。

食事の記録が難しい場合は、朝昼晩の食事のバランスを工夫するだけでも効果はあります。夕食後は寝るだけという方が多いので、夜にエネルギーを多く摂取すると体はそれを溜め込んでしまいます。この場合は、朝と昼の比重を多くするのがポイント。朝:昼:晩の配分を3:4:3にするなど工夫をしましょう」

※参考:農林水産省「食事バランスガイド

--内臓脂肪を減らすには食生活の改善だけでは成果に繋がりにくい。同時に運動を取り入れることが必要です。では、内臓脂肪を減らすにはどのような運動を取り入れるとよいのでしょうか。

「軽めの負荷をかけながら長時間継続する有酸素運動を行うと、脂肪を燃焼させる効果があります。でも、基礎代謝量(安静時に消費するエネルギー量)を上げることも必要です。筋力トレーニングで筋肉量を増やして基礎代謝量を上げつつ、有酸素運動で脂肪を燃やす、というのが理想です」

--でも、いきなりハードなトレーニングに挑戦するのは難しいという方も多いのではないでしょうか。

「階段で上り下りするとか、いつもより5分遠いスーパーに行くとか日常生活に運動をプラスαしていくほうが、取り組みやすいですよね。厚生労働省でも『+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう』という『アクティブガイド』を提案しているのですが、10分歩くとだいたい1000歩ぐらいなんです。1日にそれだけ歩数が増えると、エネルギーの消費量も増えるので、こまめに体を動かすように心掛けましょう」

※参考:厚生労働省「アクティブガイド

2. 効果的な食事と運動の組み合わせを考える

--もうひとつのポイントは、運動と食事の組み合わせについて考えることだそうです。

「平日9~18時で働いている方であれば、仕事終わりに1時間ほど筋力トレーニングと有酸素運動をしてもらって、その後の夕食を腹八分目に抑えてもらうとよいと思います。1時間はあくまで目安なので、忙しいときには30分でもOK。例えば、いつもは筋力トレーニングを3種目やるところを1種目にして、有酸素運動を20分でもいいと思います。一時的にがんばっても体は変化しないので、継続することが大事です」

--でも、トレーニング後はお腹が空いてついつい食べ過ぎてしまうという方も多いのではないでしょうか。そんな方には「分食」がおすすめだそう。

「『分食』は1食分を何回かに分けて食べる考え方で、夕食で食べる予定の主食、例えば、おにぎり1個を食べてから運動します。運動が終わってから、残りの主菜や副菜を食べる。そうすると、運動の後に食べる量が少なくなるので、満腹状態で就寝することもなくなります。空腹時は、脂肪を燃焼させやすいのですが、低血糖で倒れたり、筋肉を分解したりするリスクもあるんです。栄養補給後のトレーニングで糖分を燃やして、その後に有酸素運動を15~20分行うと、脂肪の分解も促進されるので、ぜひ実践してみてください」

1日おきでもOK!トレーナーが提案する1週間の運動メニュー

ここからは、トレーニングにどのように取り組んだらいいのか、実践方法を考えてみましょう。運動に慣れていない人でも取り組みやすい、筋力トレーニング3種目と1週間の運動メニューを提案してもらいました。

■おすすめ1週間の運動メニュー例

曜日 トレーニング内容
月曜日 筋力トレーニング3種目+有酸素運動(ウォーキング)20~30分。
※有酸素運動は水泳やランニングなど、取り組みやすい運動で可。
火曜日 お休み
水曜日 有酸素運動(ウォーキング)を20~30分。
※筋肉痛などがなければ、月曜と同じメニューでも可。
木曜日 お休み
金曜日 月曜日と同じメニューを行う。
土曜日 お休み
日曜日 有酸素運動(ウォーキング)を20~30分。

--上記の運動メニューについて、奥トレーナーにポイントを教えてもらいました。

「筋力トレーニングをすると、普段運動をしていない方はひどい筋肉痛になる可能性もあります。だから、1日おきにお休みを入れることで、筋肉が回復した状態でトレーニングが行えるようにしました。筋肉が傷んだまま続けるとケガの原因にもなりますし、長く続けられなくなってしまうこともあります」

--運動に慣れない人がトレーニングをはじめる場合、どういったことに気をつけるべきなのでしょうか。

「まず大前提として無理をしないこと。今回ご提案したのは週3~4回の運動ですが、まずは週1回でいいから取り組んでみてください。それができたら1日増やすという感じで、少しずつ増やしていくのがいいと思います。最初から無理をするより、簡単な運動でも続けることが大切です」

自宅でできるおすすめの筋力トレーニング3種目

奥トレーナー提案の運動メニューの中から、筋力トレーニング3種目であるスクワット、ヒップリフト、プランクについて詳しく説明します。以下を参考に、ご自宅で実践してみてください!

筋力トレーニング1:スクワット

下半身の筋肉、特に太ももを鍛えるトレーニング。1セット(15~20回)を2~3セット行う。

1. 両足を腰幅くらいに広げて、つま先は正面に向ける。このとき、つま先とひざが同じ向きになるようにしましょう。腕は胸の前で軽く組んでも、腰に当ててもよい。

2. 背中をまっすぐに保ちながら、後ろにある椅子に座るように、お尻を後ろに引く。できそうであれば太ももと床が平行になるまで、お尻を下げる。難しい人は下げられるところまででOK。

3. ゆっくりとお尻を元の位置まで戻す。

·注意したいNGポイント
ひざが内側に入り過ぎたり、ひざがつま先よりも前に出過ぎたりすると、ひざに負担がかかってしまいます。

筋力トレーニング2:ヒップリフト

お尻の筋肉を鍛えるトレーニング。1セット(15~20回)を2~3セット行う。

1. 仰向けになり、両ひざを立てる。かかとがひざの下にくるように。足幅·両ひざはこぶし1つ分開ける。

2. 手を床につけて、お尻に力を入れて持ち上げる。お腹からひざまでが一直線になるイメージ。ゆっくりとお尻を下ろす。それを繰り返す。

·注意したいNGポイント
お尻を持ち上げたときにひざを開き過ぎると、腰に負担がかかってしまいます。

筋力トレーニング3:プランク

体幹を鍛えるトレーニング。1セット(30秒キープ)を2~3セット行う。

1. 四つん這いになって両ひじを曲げて床につける。このとき、肩の真下にひじを置くように。

2. 足を伸ばし、つま先とひじだけを床につけて、腰を浮かせる。頭からかかとまでが一直線になるように。この姿勢を10秒キープする。慣れてきたら、キープ時間を30秒にする。
足を伸ばして行うのが難しい場合は、ひざを床についてもOK。その場合はひざから頭までが一直線になるように。

·注意したいNGポイント
腰が反ったり、お尻が上がったりすると腰に負担がかかるので、気をつけましょう。

効果的な有酸素運動にする正しいウォーキング

ウォーキングは、1日20~30分行うと、脂肪燃焼に効果的です。ただ歩くのではなく、姿勢、歩幅、スピードを意識するとよいでしょう。正しいウォーキングのポイントを説明します。

1. 目線は2~3m先を見て、背筋を伸ばして、胸をはる。手は軽く握り、ひじはおよそ90度に曲げて、しっかりと振ること。ひじを後ろに引くイメージで行いましょう。

2. 後ろの足で地面を蹴って進む。ふくらはぎや太ももの筋肉を意識する。歩幅はいつもより少し大きく。息が軽くはずむくらいのスピードで歩く。会話しながら歩ける程度を目安にしてください。

·注意したいNGポイント
目線が下がると姿勢が悪くなるので、目線は前でキープするようにしましょう。

日常動作に取り入れよう!かかと上げ

忙しくて今日は無理というときもあるでしょう。そんなときは無理をせず、日常動作にトレーニングを取り入れることも大切、と奥トレーナーはいいます。おすすめは、下半身、特にふくらはぎを鍛える「かかと上げ」です。「歯磨きをしているとき」「電車やバスを待っているとき」など生活の中に取り入れやすい動きなので、習慣化してみてください!

1. まっすぐ立ち、両足をこぶし1つ分開く。目線は前を見る。

2. かかとをゆっくりと上げて、つま先立ちをする。難しいようなら、壁に手をついて行ってもよい。親指の付け根から小指の付け根まで、しっかりと体重を乗せる。

3. かかとをゆっくりと下げる。床まで下げ切らずに、またかかとを上げる。これを繰り返す。

階段など段差があるところで行うと、かかとがより伸びるのでトレーニングの強度が上がりますので、もうちょっと伸ばしたい!というときは段差を活用してみましょう。

·注意したいNGポイント
足を傾けずにまっすぐ上げるのがポイント。足の外側、内側に傾けてしまうと、ケガの原因になってしまいます。

継続が大事!でも挫折しそうなときには?

--内臓脂肪を減らすための食生活と運動メニューは、継続することが重要です。しかし、続ける中でモチベーションが下がってしまうこともあります。そんなときの対処法について、奥トレーナーに聞きました。

「ご家族や友人など、いっしょに取り組む仲間を見つけてもらえたらいいと思います。1人では続けられなくても、誰かといっしょならやれることもありますから。あとは、食事や運動を管理するアプリなどを活用するのも手です。自分のがんばりが数字となって可視化されるとうれしいですし、成果が出ないときにはその原因を振り返る材料にもなりますよ」

--結果が出ないと挫折してしまう人も多いですが、効果的に結果を出すために大切なことは何でしょうか。

「効率良く筋肉を動かすためには、正しいフォームが大切です。フォームが間違っていると、ひざや腰を痛めて長く続けられなくなることもあります。今は動画サイトなどで簡単にトレーニング法を知ることができますが、自分が正しいフォームでできているかはなかなか分からないので、客観的に見てもらうことも必要なのかなと思います。ジムなどでトレーナーにアドバイスをもらうのが効率的かもしれません。それに、ジムに来るとみんなが運動しているから、自分もがんばらなきゃって思えるじゃないですか。そういう場所に行くのは大きいポイントだと思います」

~おわりに~
内臓脂肪を減らすためには、日常に運動を取り入れることが大切。ここで提案した1週間のスケジュールを参考に、まずは自分ができることを見つけて運動を習慣化させましょう。

1人ではモチベーションが保てないという人は、ジムに通うのも良い方法ではないでしょうか。ルネサンスならトレーナーの指導も気軽に受けられますから、初心者が運動を始めるのにぴったりな環境です。個別でじっくり指導してほしい方には、パーソナルトレーニングもご用意していますので、ぜひ一度体験してみてくださいね。

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