梨状筋が原因かも?坐骨神経痛改善におすすめの梨状筋ストレッチ |RENAISSANCE magazine【ルネサンスマガジン】
梨状筋とはどのような筋肉で、坐骨神経痛とはどんな関係があるのかを解説
腰やお尻、脚などに痛みやしびれを引き起こす坐骨神経痛。これにはさまざまな原因が考えられ、運動によって症状悪化を予防できるケースもあります。
ここでは、複数ある坐骨神経痛の原因を解説した上で、おすすめの運動や筋トレ、身体を動かす場合の注意点をご紹介します。理学療法士によるアドバイスも参考にしながら、坐骨神経痛の改善にお役立てください。
まずは、おもな坐骨神経痛の原因を4つに分けてご紹介します。原因がひとつではなく、複合的な場合もありますが、まずはそれぞれの特徴や、どのような症状があるのか押さえておきましょう。
腰の骨には神経の通り道があり、この通り道が加齢や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などによって狭くなると、骨や椎間板に神経が圧迫されて痛みが生じます。この腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)は、特にお年寄りの方に多く見られます。おもな症状は次のとおりです。
腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアとは、何かしらの衝撃や運動、姿勢などの影響によって起こるものです。腰部は腰椎という5つの骨で構成されていますが、この腰椎と腰椎のあいだでクッションの役割を果たす椎間板がつぶれてしまい、椎間板内部にある髄核(ずいかく)が飛び出して神経を圧迫すると、痛みが生じます。
なお、ヘルニアとは、本来あるべき場所から、体内にある組織の一部(臓器や骨など)が飛び出してしまう症状のことをいいます。腰椎椎間板ヘルニアのおもな症状は、次のとおりです。
腰椎分離症(ようついぶんりしょう)とは、運動のしすぎなどが原因で、腰椎(腰部の背骨を構成する5つの骨)の連続性が絶たれる症状のことをいいます。スポーツ選手に多く見られ、疲労骨折が原因とも考えられています。
この腰椎分離症が進行すると腰椎が前方にすべり、腰椎分離すべり症になるのです。すべった腰椎の一部が神経にあたることなどが原因となり、痛みやしびれが生じるようになります。おもな症状は次のとおりです。
お尻の筋肉のひとつである梨状筋(りじょうきん)が硬くなる梨状筋症候群になると、梨状筋の前を通る坐骨神経が圧迫されて、腰回りや下肢に痛みやしびれが出やすくなります。長時間のデスクワークなどによって梨状筋がこり固まっている場合は、特に注意が必要です。おもな症状は次のとおりです。
なお、梨状筋症候群は、お尻の筋肉をほぐすストレッチによって改善できる可能性があります。
▼梨状筋と坐骨神経の関係や、梨状筋をほぐすストレッチについては、こちらもご覧ください。
坐骨神経痛の改善のために運動を取り入れることについて、疑問に感じる方もいるかもしれません。しかし、痛みやしびれなどの症状が落ち着いた段階からスタートすれば、運動や筋トレは、体力や筋力の低下による坐骨神経痛の悪化・再発の予防につながるので、効果的といえます。
また、坐骨神経痛の原因によっては、梨状筋など特定の筋肉をストレッチしたりほぐしたりすることで、改善の余地がある場合もあります。
坐骨神経痛改善のための運動を行うときには、どのようなことに注意するべきなのでしょうか。
梨状筋が原因となっている場合なら、「梨状筋は股関節の深層にあるインナーマッスルで梨状筋の下を坐骨神経が走行しています。ストレッチすることで坐骨神経の圧迫症状も軽減してきますが、坐骨神経との位置関係を考慮しストレッチの抵抗には注意が必要です。いきなり強く抵抗をかけると痛みが増大することがあります。最初は抵抗かけすぎないよう弱い抵抗からはじめて、徐々に強くしていくなどの注意が必要です」(理学療法士 吉田周平)と話します。
また、次の2点に十分に注意した上で取り組みましょう。
適度に身体を動かすことは効果的な一方で、無理に動かすとかえって症状を悪化させてしまうおそれがあります。特に、「痛みがひどくて、立っているのもつらい」「少し身体を動かしたり歩いたりすると、痛みやしびれが強くなる」など、重度の坐骨神経痛の症状があるときは、運動は控えて安静第一に過ごしましょう。
運動は痛みやしびれが治まった段階から始めて、少しずつ身体を慣らしていくことが大切です。
運動をしても大丈夫かどうか不安なときは、自己判断せずに医師や担当の理学療法士などに相談し、運動許可を得た上で取り組みましょう。その際、どのような運動を、どの程度行ったら問題ないのかも聞いておくと安心です。
ここからは、坐骨神経痛の改善や再発予防効果が期待できる運動を4つご紹介します。ひとつずつチェックしていきましょう。
痛みやしびれなどの坐骨神経痛の症状が落ち着いたら、10分程度の短距離からウォーキングを始めましょう。足腰への衝撃を抑えられる、土や芝生の上などを歩くといいでしょう。慣れてきたら、15分、20分と時間と距離を少しずつ延ばしていきます。
片脚立ちで、床から離したほうの脚を振り子のように前後に揺らす運動は、脚の付け根のインナーマッスルに作用して、坐骨神経痛の原因となる神経の圧迫をやわらげます。
お尻の筋肉を鍛えることでも、坐骨神経の症状の改善が期待できます。横になった姿勢で取り組める、負担の少ない筋トレから始めましょう。
腰を少しかがめると神経の通り道(脊柱管)が広がって、圧迫を受けていた神経にゆとりが生まれます。特に、腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛にお悩みの方は、腰をかがめる運動から始めてみましょう。
~おわりに~
坐骨神経痛の改善や再発防止効果が期待できる運動をご紹介しました。症状が落ち着いていたら運動を取り入れることが理想ですが、運動中に痛みやしびれなどを感じたときは無理に続けず中断し、安静に過ごすことを優先させましょう。医師や理学療法士とも相談しながら、無理のない範囲で身体を運動に慣らしていくことが重要です。
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