ホットフラッシュ対策に悩んだら?
インストラクターの体験談に学ぶ更年期の乗り切り方
40代や50代を迎えてから、急な体調不良に悩まされる方は珍しくありません。これまで経験したことのない不調が長引いたり、受診しても明確な原因がわからなかったりすると、大きな不安を感じますよね。
今回は、突然の不調の理由が更年期だったことに気づき、生活や食事を工夫して上手な付き合い方を見つけた2名のインストラクターにインタビュー。不調が出たときの気持ちの切り替え方や、身体のつらさが楽になるストレッチを教えてもらいました。
教えてくれたヒト
- 吉永インストラクター
- 大学卒業後、スポーツクラブでインストラクターとして働きながら、障がいのある子どもたちが活動の中心となる「BAMBOO CLUB」を設立。ルネサンスではインストラクターとして、企業や自治体などの講座を通じて地域の健康をサポートしている。パワーリフティングの選手として世界大会でも活躍中。健康運動指導士、介護予防運動指導員、障害者スポーツ指導員、睡眠上級健康指導者、シナプソロジー教育トレーナー。
教えてくれたヒト
- 佐々木栄養士
- 管理栄養士・健康運動指導士・介護予防運動指導員として、食事や運動に関するセミナーを全国で担当。セミナーの内容はプロフェッショナル向けから地域住民向けまで幅広く、わかりやすく親しみやすい講義で人気を博している。骨粗しょう症検診を受診された方に向けた骨粗しょう症予防教室で教える食事の工夫は、「すぐに取り入れられる」と好評。シナプソロジー教育トレーナー。
女性の更年期のサインは十人十色。「なんとなく変」を見逃さないことがカギ
女性の更年期とは、閉経を挟んだ前後5年間、合計約10年間にあたる、女性ホルモンの分泌量が急激に減少する時期のことです。
「急に身体がほてって大量の汗をかく」「経血の量が急に増える」「わけもなくイライラする」「関節が痛む」など、更年期に伴う症状は多岐にわたり、感じ方や始まる年齢にも個人差があります。
※参考:男女共同参画白書 平成30年版
40代、50代を過ぎて「なんとなく体調がおかしい」と感じたら、更年期のサインかもしれません。まずは、1つの可能性として疑ってみることが大切です。
まずは、更年期に気づいた最初のきっかけについて、2人に話を聞きました。
突然のほてりと生理時の大量出血。更年期に気づいた「きっかけ」
--最初に「おかしい」と感じたのはいつ頃、どんな症状でしたか?
佐々木栄養士:
生理の際の大量出血が最初の症状です。48歳くらいから、時々尋常ではない量の出血が見られるようになり、調べてみると「更年期に見られる症状の1つ」だとわかりました。
ただ、吐き気やお腹の不快感があったので、もしかしたら別の病気かもしれないと不安になり、更年期だと思っていたら子宮がんだったという話を聞いたこともあったので、胃腸科や婦人科を回ってくまなく検査してもらいました。
吉永インストラクター:
私は50歳のころ、車を運転していて急にのぼせたように暑くなりました。一気に汗が吹き出して、「家族がシートヒーターを切り忘れたんだな」と思ったほどです。それからは、就寝中に大量の汗をかいて目が覚めることが増え、眠りが浅い時期が続きました。
急なほてりや大量の発汗を伴うホットフラッシュかな、と少し思いましたが、「今も第一線でスポーツをしているのに、体調を崩すわけがない」という根拠のない自信があって(笑)。もともと病院嫌いなこともあり、そのときは特に検査はしませんでした。
その後しばらくして佐々木さんと同じような大量出血があり、競技にも支障をきたすようになったため、婦人科を受診しています。
--病院ではどんな検査をして、どのように診断されたのでしょう。
吉永インストラクター:
がん検査をして、問診で何気なく「むくんだり、関節が痛んだりすることがある」と伝えました。すると、もしかしたら更年期かもしれないねと。がん検査はクリアしていたので、痛みが悪化するようだったら別の検査をして治療しましょうといわれました。
経血量は、ピルで女性ホルモンをコントロールしたことで落ち着きました。競技に集中できるようになって、ひと安心しましたね。
佐々木栄養士:
私は、子宮がん検査に加え、内診やエコー、血液検査で、子宮と膣の異常、筋腫・ポリープの有無、ホルモンバランスと貧血の状態を確認しました。
結果は、特に問題なし。おそらく更年期だろうけど、排卵もまだあるし、服薬などは必要ないとの診断でした。「年頃の女性にはよくあることだし、一時的な症状だから気にしなくていいよ」といわれて、「みんな同じか」とホッとしたのを覚えています。
症状をオープンに話すことで得られる「気持ちの軽さ」
--更年期の症状をまわりに理解してもらえず、悩む人も多いようです。お2人はどのように説明されましたか。
吉永インストラクター:
私たちの場合、地域の健康講座などの生徒さんは少し年上のほうが多いので、理解していただきやすい環境だったと思います。
ホットフラッシュが来たときに「ごめんなさい、今発火中です!」と宣言したら、みんな「私も!」「先生もついに仲間だね!」と受け止めてくれました。
今は、バッと汗をかくたびに「セルフサウナだ!」とポジティブに捉えるようにしています(笑)。それだけで、だいぶ気分が変わりますよ。
佐々木栄養士:
睡眠が浅くて昼間の仕事に影響が出たときは、睡眠上級健康指導者の資格を持っている吉永さんに相談してアドバイスをもらいました。
朝に太陽の光を浴びると、約16時間後に眠気が出やすくなると聞いて、朝4時30分に起き、21時30分に寝る生活に変えたんです。おかげで、今は仕事の効率もとても良いです。
吉永インストラクター:
私も、更年期に必要な栄養素のとり方は管理栄養士の佐々木さんに教えてもらいました。
3食しっかり食べることを前提に、ゆで卵やチーズ、しらすなどの常備食を活用して毎食タンパク質をとること、1日1回は乳製品でカルシウムをとることなどを実践しています。
家族に症状を伝えたことで軽くなった、負担と誤解
--ご家族は理解してくれましたか?
吉永インストラクター:
眠れないことや、気力がわきにくいことなどを夫に話し、特に家事に対してやる気が起きないと正直に伝えました。それで、2年前に家事の主な担当を夫に交代してもらったんです。「私はここまで26年間がんばったから、この先はお願いね。26年経ったらまた交代するから!」と(笑)。
家事は家族みんなが生活するために必要な仕事なのに、どちらか一方の負担になるのはおかしいですよね。助けてほしい、手伝ってほしいというのではなく、「交代」してもらえたことで、とてもすっきりしました。
佐々木栄養士:
私は、2人の娘に詳しく話しました。女性の骨量は20代頃をピークに、その後は年齢とともに減少し、特に更年期以降は骨量が減りやすくなるため、無理なダイエットなどで栄養が偏りがちな若い世代にこそ知ってほしい話だからです。
知識があれば、若いうちからカルシウムをはじめ、骨の健康に必要な栄養を意識してとることが、将来の骨粗しょう症予防につながりますよね。
更年期になると身体に何が起きるのか、症状を楽にするために何をしているのかも説明したので、早寝早起きの生活リズムにも理解を示してくれるようになりました。
関節の痛みやむくみには、どんな対策がありますか?
佐々木栄養士: むくみは、塩分を控え、カリウムを含む食品を意識してとったり、脚を少し高くして寝たりすることで改善が期待できます。
吉永インストラクター:
朝、ベッドの中でストレッチをしてから起き上がると、血液の循環が良くなって関節の痛みがやわらぎます。寝る前に行うと、副交感神経が優位になって眠りを誘う効果も。
身体の可動域を広げるために、出かける前のストレッチもおすすめですよ!
身体の痛みやだるさを楽にする、おすすめのストレッチ
関節の痛みやだるさは、朝晩のちょっとしたストレッチでやわらげられます。ここでは、吉永インストラクターに教えてもらった3つのストレッチを紹介します。
不眠に悩む更年期世代の方には、以下のストレッチもおすすめです。
関連記事:不眠対策にもおすすめ!更年期世代に効果的なストレッチとは?
1. 【朝・夕に】寝たままできる、股関節ストレッチ
1. 仰向けに寝て膝を立て、両手を左右に広げます。
2. 両膝をそろえたまま、肩が浮かないように意識しながら、左膝を下にして体の左側にゆっくり倒します。顔は反対の右側に向けましょう。
3. 元の姿勢に戻し、今度は右膝を下にして体の右側に倒します。顔は反対の左側に向け、反対側も同様に行います。
2. 【出かける前に】背中ともも裏を伸ばすストレッチ
1. 椅子の背もたれに両手を置き、脚を腰幅に開いて立ちます。
2. 背中をまっすぐにしたまま股関節からゆっくり体を前に倒し、両手を背もたれの上に置きます。
3. 腕を伸ばしたまま頭を両腕の間に自然に下ろし、もも裏や背中が気持ちよく伸びる位置で膝の曲げ具合を調整します。
3. 【デスクワークの合間にも◎】お尻に効くストレッチ
1. 椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします。
2. 数字の「4」を作るようなイメージで、片足のすねの外側を反対側の膝の上に乗せます。
3. 乗せた足を両手で軽く支え、背筋を伸ばした姿勢をキープします。
~同世代の仲間や更年期の先輩との出会いが、乗り切るヒントに~
更年期の症状は、身体的なものから精神的なものまで多岐にわたり、現れ方の強さや始まる時期は人それぞれです。つらい時期を乗り越えた先輩たちの体験談やアドバイスを知ることで、「この不調にもいつか終わりが来る」と前向きな気持ちで毎日を過ごせるようになるでしょう。
つらいときこそ、一人で抱え込まず、同世代の仲間や更年期の先輩と出会える場に出掛けてみませんか。ルネサンスのインストラクターは、自治体や地域住民向けの健康づくりプログラム、介護予防教室などを通じて、更年期の症状を楽にするストレッチや生活の工夫をお伝えしています。
まずは体験レッスンで、ご自身の身体と向き合う時間をつくってみませんか。