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クーラーの使用を控えて
効率的に涼しくなる方法とは?

暑さのきびしい夏は、つい冷房に頼りがち。しかし、冷房に頼りすぎる生活は、思わぬ体の冷えや不調の原因となってしまうため、冷房以外の方法も取り入れながら涼しくしていきたいものです。夏場は扇風機を活用したり、温度だけでなく湿度を下げるよう工夫したりすることでも、効率的に涼しさを取り入れることができますよ。

そこで今回は、冷房を強くする以外で涼しくなる方法をご紹介します。寝苦しい夏の熱帯夜に快適に眠るための、冷房の使い方についても見ていきましょう。

暑い夏、冷房ばかりに頼るのは危険

夏場の冷房は、夏バテや熱中症予防のためにも欠かせません。だからといって、冷房の設定温度を極端に下げたまま使い続けたり、気温差の激しい室内と屋外の行き来を繰り返したりしていると、さまざまな不調の原因となる「冷房病」になってしまうリスクがあります。

冷房によって無意識のうちに体が冷やされると、夏風邪を引いたり、夏特有の冷え性になって新陳代謝の低下や腰痛などを引き起こしたりする原因にもなるため、冷房は適度な利用を心掛けることが大切です。
冷房に頼りすぎない工夫を取り入れることは、こうした体調不良予防になるほか、節電というメリットもあるでしょう。

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冷房以外で涼しくなる7つの方法

ここからは、夏場に実践したい、冷房以外で涼しくなる方法を7つ見ていきましょう。

1 家を出る前にカーテンは閉める

帰宅したら家の中に熱がこもっていて暑かった、という経験をしたことがある方も多いはず。日中、建物が直射日光にさらされると、外気にふれている屋根や外壁、ベランダ、そして室内の床など、建物のあらゆる部分が熱を持ちます。熱気は上へと集まっていくため、建物の上部ほど高温になるのです。

夏場に家を空けるときは、外出前にカーテンを閉めておくことで、こうした日中の直射日光の影響をカットすることができるでしょう。

2 帰宅後は窓を開けて空気を入れ替える

日中に窓も扉も締め切っていた家の中は、熱気がこもった状態になっています。帰宅後はすぐに冷房をつけるのではなく、まずは窓を開けて、室内の風通しを良くして空気を入れ替えましょう。

可能であれば、窓は対角線上にある2ヵ所を開けると、さらに風通しが良くなります。窓が1ヵ所しかない場合は、玄関の扉も少しのあいだ開けておいたり、換気扇を回したりするのも◎。
玄関の扉を開けておくのは防犯面で不安…という方は、ドアチェーンやドアストッパーを使って少し開けるだけでも、空気を入れ替えることができますよ。

3 扇風機を活用する

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室内の熱気がなかなか逃げていかない場合は、扇風機を活用してみましょう。
おすすめの置き方は、扇風機を窓辺に設置し、扇風機の前面は外側に向けて、背面が室内側になるようにすること。扇風機は、「背面の空気を取り込み、前方へ送る」しくみになっているため、室内に残る熱気を外に流してくれるのです。このように、扇風機の置き方を工夫してみてください。

4 「扇風機+濡れタオル」「扇風機+ミントオイル」でより涼しく

扇風機の風を浴びる場合、ひと工夫を加えることで、より効率的に涼しくなることができます。

●扇風機+濡れタオル
濡れタオルを固くしぼって、扇風機のファンの後ろ側に掛けます。こうすることで、濡れタオルの水分が蒸発し、常に冷気が風にのりますよ。濡れタオルの代わりに、凍ったペットボトルや薄手のタオルで包んだ保冷材を扇風機の後ろ側に固定することでも、同様の効果が得られます。
●扇風機+ミントオイル
ミントオイルやハッカ油など、爽快感のあるオイルをコットンに2~3滴垂らし、扇風機の網部分にクリップなどで固定します。この状態で扇風機を回すと、風に爽やかな香りがのって部屋中に広がり、体感温度を下げる効果が得られるでしょう。ルームフレグランスの代わりにもなります。なお、ハッカ油には引火の危険性があるため、扇風機のモーターなどの部分に、直接ふれないように注意してください。

5 湿度を下げる

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気温だけでなく、湿度の高さも暑さを感じさせる大きな原因。気温自体が大きく変わらなくても、湿度を下げることで思いのほか快適に過ごせるようになることもあるため、エアコンの「ドライ」機能や除湿器を活用して、室内の湿度を下げてみましょう。

また、できるだけ室内に湿気が入り込まないように工夫することも大切。浴室は窓を開けたり換気扇を回したりして、生活空間に湿気が流れてしまわないようにします。また、調理中も換気扇を回して、発生した蒸気をすぐに外に逃がすようにしましょう。

6 保冷材や濡れタオルを活用する

濡れタオルや、薄手の布に包んだ保冷材を体にあてて、体温を下げる方法です。特に首は太い血管が走っているため、効率的に涼しくなることができるでしょう。
保冷材は直接あてると低温やけどを負ってしまう可能性があるため、必ずタオルなどで包んで使ってください。

7 インテリアを工夫してみる

カーテンや寝具など、ファブリックを中心としたインテリアを工夫してみることで、室内に涼しさを取り入れることができます。気分転換にもなるため、より涼しさを感じられる部屋にしてみたいという方は、簡単な模様替えをしてみてはいかがでしょうか。

●遮熱カーテンやサンシェードを使う
夏場は、遮光カーテンやサンシェードを使えば、室内に入る直射日光を大幅にカットすることが可能。UVカット効果や熱を遮断する効果がある物も登場しているほか、外からの目隠しや雨よけにも役立つので、お部屋の雰囲気などに合わせて選ぶといいでしょう。
●青系インテリアで涼感アップ
青、青緑、青紫などの寒色は、冷たいイメージを与え、見続けていると体感温度を下げる効果があるといわれています。そこで、室内のファブリックやインテリアを寒色系で統一してみるのも、涼感アップのひとつの手。クッションカバーや寝具などであれば、手軽に交換することができますね。

寝苦しい夏の夜、快適に眠るためのポイント

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夏の熱帯夜はなかなか寝付けない、暑くて目が覚めてしまうといった理由で、睡眠不足の原因となりがち。ここでは、暑い夜でも快適に眠るための冷房の使い方や、生活習慣のポイントについて見ていきましょう。

「寝ているあいだはつけっぱなし」「冷房は使わない」は避けて

体を冷やしすぎないためにも、夜中は冷房を使わないほうがいいと思っている方も多いかもしれません。しかし、まったく冷房を使わないと、寝付けない原因となりますし、熱中症になってしまうリスクも…。だからといって、一晩中冷房をつけると体が冷えすぎてしまい、「朝方になっても体温が上がりきらない」「起床時にだるさや疲労感がある」といった不調の原因にもなります。そんなときは、冷房のタイマー機能を活用しましょう。

冷房は、就寝の2~3時間前からかけて、就寝後は1~2時間で切れるようにタイマーを設定してください。設定温度は下げすぎず、27~28℃にします。また、ベッドの位置に冷風が直接あたらないよう、風向きも調整しましょう。こうすることで、快適に眠れる室温を保ちながら、体の冷えも予防することができます。

また、朝方から室温が上がりやすく、暑さで目が覚めてしまうという場合は、少し高めの温度に設定した冷房を一晩中つけておくか、タイマー機能で朝方に冷房がオンになるよう設定する方法がおすすめ。

お風呂上がりに足を冷やす

夏場はお風呂上がりに動いたり、ドライヤーをしたりしているうちに汗をかいてしまいがち。お風呂上がりの汗の不快感や暑さで睡眠を阻害してしまわないためにも、入浴後はさっと汗を引かせましょう。

効率的に汗を引かせる方法は、「入浴の最後に足を冷やす」こと。お風呂から上がる前に、シャワーで足に冷水をかけると汗の全体量が減り、すっきりと浴室を出られますよ。

パジャマを着る

寝るときの服装も見直してみましょう。Tシャツやジャージなどの部屋着のままで寝ると、脳は睡眠時でも「日中の活動の延長」と感じてしまいやすいのです。パジャマは睡眠のために作られているため、寝返りの打ちやすさや、吸湿・吸汗性などに優れている物が多く、快適な眠りを促してくれるでしょう。

~おわりに~
暑さにさらされることもあれば、冷房を使う時間も長い夏は、「体を熱しすぎないこと・冷やしすぎないこと」の両方に注意しなくてはなりません。こうした暑さや冷えによる体の疲労は、季節の変わり目に不調となって出やすくなります。
冷房以外の方法でも適度に涼しさを取り入れつつ、夏場でもきちんと入浴したり、冷たい物をたくさん飲まないようにして、体を冷やしすぎないように心掛けましょう。