髪が傷む原因は、内的なものから外的なものまでさまざま。せっかく美容院でカットやトリートメントをしてきても、数日経つとツヤがなくなり、パサつきが気になってしまう方もいるのではないでしょうか。傷みを防ぎ、美しい髪をキープするためには、日々のケアがとても大切です。ここでは、髪が傷む原因やその対策について、毎日のヘアケアのポイントも含めて解説します。
髪が傷む原因は?
まずは、髪が傷んでしまう原因にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
シャンプー
清潔な髪を保つためにも欠かせない毎日のシャンプーですが、洗い方によっては髪を傷付けてしまう原因にも。髪の表面を覆ってつやを出すキューティクルは、髪が濡れると開き、乾くと締まる性質を持ちます。つまり、シャンプーのときはキューティクルが開いた状態となるのです。
この状態で髪を強くこすって洗うと、キューティクルは傷付き、つやが失われたりパサパサしたりと、髪が傷む原因になります。
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱

髪のキューティクルは、熱に弱いもの。ドライヤーやヘアアイロンなどの熱をあてることでも、キューティクルはダメージを受けてしまうのです。ドライヤーやアイロンなどを使うときはなるべく短時間で済ませ、1ヵ所に熱をあて続けないようにする必要があります。
自然乾燥
濡れてキューティクルが開いた状態の髪を放置すると、髪に必要な潤いやたんぱく質がどんどん失われてしまいます。
ドライヤーの熱もダメージを与えると紹介しましたが、自然乾燥ではさらに髪が傷んでしまうため、なるべく早くドライヤーで乾かすことがポイント。髪に水分が残っていると雑菌が繁殖するため、かゆみやにおいも発生しやすくなってしまいます。
また、髪が濡れたまま寝るというのも、枕と髪の摩擦が原因で、キューティクルが傷付きます。
カラーやブリーチ
カラーやブリーチは、髪のメラニン色素に作用して髪色を変化させていきます。カラー剤やブリーチ剤を髪の内部へ浸透させることになりますが、これらの薬剤にはキューティクルをはがす成分も含まれています。キューティクルがはがれるということは、つやが失われて髪が傷みやすくなるということです。
パーマや縮毛矯正

パーマや縮毛矯正は、髪を作るアミノ酸の結合を切断し、髪の形状を整えるという施術。アミノ酸の結合を一度切断すると、髪はやわらかい状態になり、ウェーブにしたりストレートに伸ばしたりすることができるのです。
カラーやブリーチと同じように、この施術もキューティクルをはがすため、髪が傷みやすくなってしまいます。
紫外線
髪の毛も、紫外線を浴びるとダメージを受けます。人の体の部位で最も太陽に近い髪や頭皮は、肌が受けるダメージよりもかなり大きいのです。特に、紫外線量の多い夏に髪の日焼け対策をしていないと、どんどんダメージが蓄積され、秋口になると髪の傷みに悩まされるケースも珍しくありません。
傷んだ髪は元どおりになる?
髪は、死んでしまった細胞の集合体です。そのため、一度傷んだ髪を自己修復機能で治すことはできません。傷んだ髪を補修してくれるシャンプーやトリートメントも販売されていますが、これらはあくまでダメージをやわらげるもので、完全に元のきれいな髪に戻すことは不可能なのです。
傷んだ髪を完全に修復するには、傷んだ部分を切り落とすしかありません。そのため、日頃から正しいケアを心掛け、できる限りダメージを防ぐことが大切です。
明日から実践したい、ヘアケアの方法と髪のお手入れの注意点
ここからは、髪の傷みを防ぎ、美しい髪を保つためのポイントを見ていきましょう。
カラーやパーマの頻度を下げる

キューティクルをはがしてしまうカラーやパーマは、短いスパンで行うほどダメージを与えてしまいます。なるべく間隔を空けて施術を行い、ダメージを軽減させましょう。施術後の髪の傷みが気になる場合は、美容師さんとも相談して、極力ダメージの少ない薬剤を使うようにします。
また、カラーやパーマは、繰り返し行わないようにしましょう。中でもヘアカラーは、白髪部分や新生部(新しく生えた髪、まだ染めていない髪)を重点的に染めるなど、全体染めよりも部分染めをメインに行うのが◎。
シャンプー前にブラッシングをする
毎日のシャンプー前には、乾いた状態でブラッシングをすることもポイント。髪が絡まりやすいと、濡れることでさらに絡まりやすくなってしまいます。事前に目の粗いブラシや手ぐしで、髪のもつれを解いておきましょう。
ブラッシングをしていて髪が引っ掛かった場合は、無理矢理通そうとせず、一度ブラシを抜きます。毛先から少しずつ絡まりを解いていけば、髪や頭皮への負担もなく、ダメージも少なくて済むでしょう。
それでも絡まりやもつれが解けにくいときは、洗い流さないタイプのトリートメントやオイルなどを使って髪の表面を滑らかにして、髪の通りを良くしてみましょう。
濡れている・湿っている髪は丁寧に扱う
濡れている・湿っている髪は、キューティクルが開いた状態でやわらかく、非常に傷付きやすい状態です。そのため、目の細かいブラシなどで解かすのは避けましょう。目の粗いブラシで簡単に髪全体を整える程度でOKです。
また、濡れた髪を乾かすときも、ブラシを何度も通してブローするのは避けましょう。髪の形は乾いたときに決まるため、濡れている状態でブラッシングしても、キューティクルを傷付けるだけになってしまいます。ブローするときは、髪が乾いたころにブラシを使ってください。
ドライヤー前はしっかりタオルドライする
ドライヤーをする前は、あらかじめタオルでできる限り髪の水分を取っておきましょう。熱によるダメージを抑えるためにも、できるだけ短時間で髪を乾かしてください。
そして乾かす際は、髪からドライヤーを20cmほど離した状態をキープするように。髪の根元に重点的にドライヤーをあてると、早く乾きやすくなります。
ヘアアイロンは乾いた髪に使用する

ヘアアイロンやコテは、髪が乾いた状態で使うのが必須。髪を思うようにスタイリングできないだけでなく、髪にダメージを与える原因になります。
こちらもできるだけ短時間で済ませてください。設定温度は、髪が傷みやすくなるといわれている160℃を超えないように。髪を強く挟んで引っ張るような使い方は、キューティクルを傷付けるので避けましょう。
アウトバストリートメントを使い分ける
お風呂から出たときに使う、洗い流さないタイプのアウトバストリートメント。ダメージを補修してくれる物やドライヤーなどによる熱や紫外線から髪を守る物など、期待できる効果のタイプがあり、種類もさまざまです。髪の悩みや傷みの原因に応じて使い分けることが大切ですよ。
頭皮のケアも忘れずに
健康的で美しい髪をキープするには、髪そのものだけでなく、頭皮のケアも必要です。頭皮には皮脂や脂肪酸が溜まるため、シャンプーで洗い流して清潔な状態を保ちましょう。肌と同じように、頭皮の角層が生まれ変わるサイクルを、正常な状態に保つことが大切です。
洗いすぎても髪や頭皮が傷付いてしまうため、シャンプーの頻度はかゆみやにおい、ベタつきが気にならない程度にしましょう。
~おわりに~
おしゃれを楽しむためにも、カラーやパーマをしたい女性は多いでしょう。それが、髪に少なからずダメージを与えることは確かですが、施術の間隔を空けるなどして、なるべく髪が傷まないよう美容師さんと相談しながら行うことで、ダメージを抑えることは可能です。毎日のシャンプーやドライヤーの習慣も見直して、美しい髪をキープしていきましょう!