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PMSのメカニズムとは?
つらい症状をセルフケアで改善する方法

生理前の時期はイライラしやすかったり、気分が落ち込んだりしやすい上、肌荒れやむくみが気になるなど、PMS(月経前症候群)による不調に悩まされる女性も多いはず。「こんなにPMSが重いのは自分だけ?」と不安に思う方もいると思います。PMSの症状を軽くするためには、生活習慣の改善を中心としたさまざまな方法があるため、日頃から生理周期や体調管理に気を配り、対策することが大切。

そこで今回は、PMSがどのようなメカニズムで起こるのか、そのサイクルの基礎知識や症状例を見ていきましょう。また、セルフケアでPMSの症状をやわらげるための方法もご紹介します。

PMSとは?

女性特有のPMSはどのような周期で起こるものなのか、そのしくみを解説します。また、PMSの症状は、身体的なものと心理的なものに分けられるため、それぞれどのような症状があるのかについても確認していきましょう。

PMSはどのような周期で起こる?

まず、PMSの症状がなく、多くの女性が心身ともに調子がいいと感じやすい時期は、生理が始まってから排卵日(生理スタートから14日目程度)くらいまで。この時期は女性ホルモンの「エストロゲン」が多く分泌されます。

そして、反対に不調を感じやすくなるのが、排卵してから次の生理が始まるまでの期間です。特に、生理の1週間ほど前からは、もう1種類の女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌量が増え、体温が高くなり、水分を体に溜め込みやすくなります。こうした体内のホルモンバランスの変化によって、生理周期のあいだに不調を感じやすくなるのです。

この生理前の1週間前後の期間が「PMS期」と呼ばれており、体や心、肌などのさまざまな部分で不調が現れやすくなります。症状のタイプや程度には個人差がありますが、生理前はほとんどの女性に何かしらの症状が起こるもの。日常生活にほぼ影響のない人もいれば、生活に支障が出てしまうほどに症状が重い人もいます。

PMSのおもな症状

PMSによってどのような心身の不調が出るかは、人によってさまざま。ここでは、身体的不調と精神的不調に分けて、それぞれ代表的な症状をご紹介します。

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●身体的不調
頭痛
腹痛
下腹部痛
むくみ
体の冷え
肌荒れ
体重増加
乳房の張りや痛み
強い眠気
●精神的不調
イライラする
不安や悲しみを感じる
集中力がなくなる
怒りっぽくなる
憂うつな気分になる
パニックになる

特に、日頃からストレスを感じやすい人や、完璧主義で几帳面な人ほどPMSの症状が重くなりやすいといわれています。

PMSを改善するためにできること

PMSの症状の程度は、生活習慣が大きく関係しています。不調を改善するためには、普段からケアを心掛け、生理前の不調に備えることが大切。PMSを極力抑えるために実践したいケアについて見ていきましょう。

食事

私たちの体を作る毎日の食事は、ホルモンバランスを整え、体の機能を整えるためにも重要です。栄養バランスや何気ない食習慣を振り返り、改善できるところから変えていきましょう。

●朝食を抜かない
朝は時間がなく、朝食は抜きがちという方もいると思います。しかし、朝食を抜くことは、イライラや眠気などのPMSの症状が悪化する原因に。朝は軽くても構わないので、まずは1日3食をきちんととるよう心掛けてみましょう。
●ビタミンとミネラルを積極的にとる
PMSの症状を緩和させるのに効果的な栄養は、ビタミンとミネラルです。普段の食事で栄養不足を感じている場合は、ビタミン・ミネラルの中でも、「ビタミンB6」「ビタミンE」「マグネシウム」「カルシウム」を、サプリメントやドリンクで補ってみましょう。

また、ビタミンとミネラルを豊富に含むおすすめの食材は「玄米」です。玄米には、白米よりもたくさんの食物繊維が含まれており、便秘解消だけでなく、余分なコレステロールや糖分を排出する効果も期待できます。
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●甘い物を避ける
PMS期は、甘い物をできるだけ避けましょう。イライラすると、ついケーキなどのお菓子を食べたくなりがち。しかし、砂糖を多く含んだこれらを食べると血糖値が急激に変化するため、必要な栄養であるビタミンやミネラルを消耗してしまいます。その結果、甘い物を食べてもさらにイライラしてしまう、という悪循環に陥ってしまうのです。

また、ファストフードやコンビニ弁当などの栄養バランスが偏った食事や飲酒なども、極力避けるようにしましょう。糖分や塩分を控えて、栄養バランスの良い食事を心掛けることで、PMSの症状も安定してくるはず。

運動

PMSの症状が重いのは、運動不足が原因である可能性も。適度に体を動かし、常に代謝や血流を良くしておくこともポイントです。

●無理のない運動でリフレッシュする
ウォーキングやストレッチなど、運動不足の人でも負担が少なく、体をじっくりと温められる運動を習慣化してみましょう。続けているうちに自律神経が整い、血流が良くなってむくみが解消されるだけでなく、リフレッシュ効果も期待できます。
女性に人気のエクササイズとしては、ヨガもおすすめ。心身の不調に効くさまざまなポーズへの挑戦を通して、自律神経を整えることができるでしょう。ゆっくりと深呼吸する癖がつくため、リラックス効果も得られます。
●体操で骨盤のゆがみを解消する
骨盤は、子宮や卵巣を守る重要な骨格です。骨盤がゆがんでいると周辺の血流が滞ってしまうため、卵巣機能が低下し、ホルモンバランスも乱れてしまいます。
そこで、バランスボールを使ったエクササイズやゆがみを矯正する体操を積極的に取り入れて、骨盤のゆがみを解消しましょう。

ストレス解消・休息

できるだけストレスを溜めず、心身を休ませることはPMS期を乗り切るために欠かせません。生活習慣を整えるだけでなく、毎日リフレッシュタイムを確保するなどして、快適に過ごせるようにしましょう。

●生活習慣を整える
自律神経を整える成長ホルモンは、就寝後の3時間にぐっすり眠ることで活発に分泌されるといわれています。毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きると体のリズムが整うため、深い睡眠が期待できるでしょう。遅くても、0時までには就寝するのが理想です。
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●五感からリラックス
良い香りをかぐ、おいしい物を食べる、好きな音楽を聴く、マッサージを受ける、癒やされる物を見るなど、癒やしを実感できることを積極的に取り入れて、心身をリラックスさせましょう。中でも、入浴時にアロマオイルを使う方法がおすすめ。37~40℃程度のお湯で半身浴をしながらアロマオイルの良い香りに包まれると、PMSで緊張状態だった心身がほぐれ、疲労やむくみの解消も期待できます。
●なるべくストレスを溜めない
PMSで不調のときに「あれもこれもしなければ」など、みずからプレッシャーをかけるのは避けましょう。自分を責めてさらにイライラしたり、気分が落ち込んだりしてしまいます。特に、PMS期は自分を甘やかすことが大切。あまり我慢をしない、趣味に没頭できる時間を設けるなど、心への負担をなくせるよう努めましょう。

PMSの症状を記録して体調管理を

症状を詳しく記録しておくことは、PMS期の体調管理に役立ちます。手帳やカレンダーに簡単にメモをしたり、スマホの体調管理ができるアプリを活用したりしてもいいでしょう。
心と体、それぞれどのような症状があったのか、そのとき生活ではどんなことがあったのか、覚えている範囲で記録してみてください。その際、忘れてはならないのが「生理の開始日と終了日の記入」です。生理痛の程度や、不正出血などについてもメモしましょう。

記録を続けているうちに、「どのような症状が何日間続くのか」「症状と合わせて自分には何が起こっているのか」といったことがわかってきます。PMS期や生理開始日をある程度予測した上で、対策がとれるようにもなるでしょう。また、2ヵ月以上のPMSに関する記録は、医療機関を受診する際にも重宝します。

~おわりに~
なかなかPMSの症状が改善されず、生活に支障が出てしまうほど重い場合は、PMS以外の病気が原因で不調に陥っている可能性もあるため、必ず医療機関に相談してください。
PMSに体調や気分を左右されず、毎日を快適に過ごすためにも、心身のサインに目を向けることが大切です。