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女性の体調管理に役立つ
基礎体温の見方・測り方

体温は、体調を崩したときにしか測らないという方もいるかもしれません。しかし、毎日の基礎体温を記録することで、自分の体のリズムを知ることができ、体調管理にとても役立ちます。特に女性の場合、排卵の有無や生理予定日、生理不順や妊娠の可能性など、基礎体温から体の変化やトラブルを読み取ることができるのです。そこで今回は、基礎体温の基本的な知識と合わせて、正しい基礎体温の測り方や記録したグラフの見方について見ていきましょう。

基礎体温とは?

基礎体温とは、人が安静なときの体温のこと。これは、生命を維持するための、最低限のエネルギーしか消費していない状態のときの体温になります。一般的には、朝目覚めてすぐに、安静な状態で測ったときの体温が基礎体温です。

女性の体と基礎体温の関係

排卵や生理が起こる女性の体は、女性ホルモンによって1ヵ月周期で月経、卵胞期、排卵期、黄体期の4段階に変化し、基礎体温は低温期と高温期の二相性に分かれます。そのため、毎日基礎体温を測り、グラフにしておくことで、体内の変化やホルモン分泌の状態を読み取れるようになるのです。

<女性の基礎体温の変化>
●生理が始まるころから排卵まで(月経・卵胞期)…体温は低い状態(低温期)になります。
●排卵期…体温は低い状態から高い状態(高温期)になります。体温が高くなれば、排卵があるということです。
●黄体期…体温は高い状態(高温期)のままですが、妊娠が成立しない場合は体温が下がり、次の生理を迎えます。

基礎体温の正しい測り方

低温期や高温期があるといっても、その差は0.3~0.5℃程度のため、一般的な体温計で測ることはできません。そのため、基礎体温を測る場合は、ドラッグストアなどで販売されている婦人体温計を使いましょう。基礎体温を測る手順と、正確に測るためのポイントをご紹介します。

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<基礎体温を測る手順>
1. 朝、目が覚めたらできるだけ動かず、寝たままの状態で検温する。
2. 婦人体温計の先端を舌の裏に入れて、口を軽く閉じて測ります。測定位置がずれないよう、指で体温計を支えてもいいでしょう。
3. 検温を終えたら、グラフにその日の基礎体温を記録します。

基礎体温を正確に測るためのポイント

正確な基礎体温をグラフにするためには、「検温する時刻」と「検温する姿勢」、そして気付いた点や普段と違う条件の場合にきちんと記録を残す、ということが大切です。

●毎日同じ時刻に測る
基礎体温は毎朝、できるだけ同じ時刻に検温しましょう。起きる時間が異なった場合でも、起床後すぐに測るようにします。
●測るときの姿勢は?
目覚めてからはなるべく体を動かさず、横になった状態のまま測ります。起き上がったり飲食したりした後では、正確に測定できないこともあるため気を付けましょう。婦人体温計は枕元に用意しておくと便利です。もし、一度起き上がってしまった場合は、30分以上安静にしてから測ります。
●条件が違うときの対処法
基礎体温は原則、毎日同じ条件で測ります。しかし、寝坊をしてしまったり、目が覚めてすぐトイレに行ったりと、毎日測定を続けていれば例外も出てくるでしょう。このような場合は、グラフにメモを残しておいてください。

さらに、基礎体温のグラフには、生理やおりもの、不正出血、性交日、腹痛や風邪、飲酒、睡眠不足など、体調に関係してくることも合わせて記録しておくと、グラフを見直して体温の変化があったときに、その理由を知るのに役立ちます。

基礎体温の記録方法とグラフの見方

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基礎体温は、必ずグラフに記入していきましょう。毎日の基礎体温をグラフにした基礎体温表からは、低温期と高温期のサイクルや基礎体温の変化を確認することができます。
基礎体温表は、薬局やドラッグストアで購入できますし、サイトなどからダウンロードすることもできます。また、スマホと連動して自動記録してくれるタイプの婦人体温計も発売されています。

毎日の基礎体温の記録方法

グラフには、その日の体温を点で記入し、前日の点と線で結びます。測り忘れてしまった日は、グラフの線をつなげず、空欄にしておきましょう。

また、基礎体温表には月経(生理)の始まった日から、次の月経が始まるまでの期間を指す「月経周期」の項目があります。生理が始まった日に「1」と記入し、次の日以降は2、3、4…と続けていきます。そして、次の生理が始まった日に、また「1」と記入します。備考欄は、その日の体温に影響するような体調の変化や要因がある場合に記入しましょう。

基礎体温グラフの見方

基礎体温表のグラフの理想的なパターンは、月経から次の月経まで、低温期と高温期が明確かつバランス良く読み取れることです。ここでは、気を付けたい基礎体温グラフのパターンについて見ていきましょう。

●高温期がずっと続く場合
通常は、2週間ほどで分泌が止まる黄体ホルモンが、妊娠した場合は分泌され続けます。高温期が3週間以上続いている場合は、妊娠の可能性が高いといえるでしょう。
●高温期が短い場合
高温期が短い場合は、黄体ホルモンの分泌が不十分な「黄体機能不全」の可能性があります。不妊の原因にもなるため、婦人科へ相談を。
●低温期が続く場合
低温期が続き、高温期がないパターンは、「月経があるけれど排卵が起こっていない」状態です。「無排卵月経」の疑いもあるため、早めに婦人科で相談することをおすすめします。

~おわりに~
基礎体温表は、婦人科を受診するときにも、体の変化を知る重要な資料として役立ちます。毎日、基礎体温表を確認することで、体調や月経周期の変化のサインにもいち早く気付くことができるため、早めの対策や治療につながるでしょう。健康的な生活を送るためにも、基礎体温を測る習慣をつけることをおすすめします。