
楽に長く泳ぐ!クロールの正しい泳ぎ方とコツ|初心者向け練習法も紹介
「ダイエットには水泳が効果的」と聞いて、近所のプールに行ったことがあるという方も多いと思います。でも、久しぶりに泳いでみると、子供の頃のようにスムーズに泳げず、疲れるばかりで長い時間泳ぐことができなかったという声も聞きます。
そこで、泳法の中でも長く泳ぐことに適したクロールについて、正しい泳ぎ方と楽に泳ぐためのコツをルネサンスのスイミングコーチに聞きました。

教えてくれたヒト
- スポーツクラブ ルネサンス
石川コーチ - ジュニア時代から全国大会などで活躍し、第58回・第59回日本選手権水泳競技大会(25m)で100m個人メドレー7位入賞を果たす。大学卒業後はルネサンスに所属。現在は親子ベビークラス、ジュニアクラス、成人クラスを担当するほか、選手育成コース、マスターズクラスの指導にも携わる。
選手育成コーチが教えるクロール上達のコツ
クロールの正しいフォームは、石川コーチによると「腕だけでかくのではなく、肩から大きく腕をまわし、ひとかきでしっかりと前に進むクロール」だそう。また、距離を泳がなくても疲れてしまうのは、身体に無駄な力が入っていることも原因となります。理想的なクロールのフォームを身に付けることができれば、楽に長くクロールで泳ぐことができるといいます。
石川コーチに聞いたクロール上達のための5つのコツを、以下で解説します。
- <クロール上達のための5つのコツ>
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- 脱力
- 姿勢
- キック
- 手のかき
- 上半身(肩)の使い方
クロール上達のためのコツ1:脱力
この5つのコツを身に付けて、クロールで楽に長く泳ぐ方法を学んでいきましょう。

水泳初心者がいきなり泳ごうとすると、どうしても身体に力が入ってしまいます。まずは、脱力しながら水中で息を吐くことを覚えましょう。水上に顔を上げたときに息を吸うことばかりを意識すると、息が浅くなってしまうので、まずは水中に潜った状態で鼻から息を吐きます。きちんと息が吐ければ、水上に顔を上げたときに自然と大きく息を吸い込むことができます。
- ・習得のためのポイント
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クロール上達のためのコツ2:姿勢

息を吐くことができるようになったら、次は「けのび」を練習しましょう。けのびとは、うつ伏せになって水面に浮く姿勢のことで、両手が耳の上を通るようにまっすぐ伸ばして頭の上で重ね、足はつま先までピンと伸ばして、身体を一直線にするのがポイントです。力を抜いて楽に浮くことを意識してください。
- ・習得のためのポイント
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クロール上達のためのコツ3:キック

けのびの姿勢から、キックをすると前へ進みます。「たくさんキックしなくても、足の甲と裏にしっかり水をあてれば、楽に進むことができます」(石川コーチ)。
足の付け根からつま先までをピンと伸ばすのではなく、ひざから下を脱力させて、しなやかに動かすことを意識します。ひざを曲げた状態から伸ばして、足の甲を下げるキック(ダウンキック)と、ひざが伸びた状態から曲げて、足の裏を上げるキック(アップキック)が同じ強さでできるようになれば、効率良く前に進むことができます。
- ・習得のためのポイント
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クロール上達のためのコツ4:手のかき


水中で手をかくときには、手のひらの面で水を後方に押すように意識します。その際に、水をかく面積が大きくなるようにと、指先に力を入れて閉じてしまいますが、指を閉じると前腕に力が入りやすくなってしまうので、指は少し開いておきましょう。
クロール上達のためのコツ5:上半身(肩)の使い方

腕は肩から大きくまわします。腕を後ろから前にまわす動きに合わせて、上半身もいっしょにひねって傾けてあげると、腕をより大きく動かすことができます。この動きを「ローリング」といいます。水中で前から後ろに腕をまわすときには、手のひらで水を押すようにかき、逆の手を前方向に伸ばすことで、肩を左右に開くようにします。

水中から手を上げるときには、小指から抜くようにしましょう。親指から出すと、肩を痛めることがあるので、注意してください。
- ・習得のためのポイント
- 右手をまわして元の位置に戻し、手をそろえてから左手をまわす、というように、最初は左右の手を入れ替えながら練習しましょう。慣れてきたら、右手を前から水中に入れるタイミングで、左手を後ろから水上に出す、というように、左右の動きを連動させていきます。
- ・息継ぎのポイント
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まずは100m泳げるようになりたい!初心者向けの練習法

5つのコツを練習して、25mを泳げるようになったら、そこからはどのような練習を行えばよいのでしょうか。石川コーチに聞きました。
――100m泳げることを目標にする場合、どんな練習をすればよいのでしょうか。
石川「まずはもっと楽に泳げるように、脱力を意識しながら、手でしっかり水を押して、ひとかきで長い距離を進めるようにしましょう。疲れないで25mを1本泳げるようになったら、30秒~1分くらい休憩して、2本目を泳ぎます。楽になってきたら、休憩時間を少しずつ短くしながら、25mを2本から3本、3本から4本へと増やしてみてください。それも余裕が出てきたら、50mを続けて泳いで休憩して、また50m泳ぐというように、休憩なしで泳ぐ距離を増やして、最終的には100mを目指します」
クロールで楽に長く泳げるようになるには、週何回練習したらいいのでしょうか。
石川「水中というのは特殊な環境なので、続けないとどうしても感覚が鈍ってしまうんです。ですから、本当は毎日練習するのが一番いいのですが、それはちょっときびしいと思うので(笑)、週2~3回を目標にがんばっていただけたら。その代わり、1回の練習時間は30分でも構いません。短い時間でも集中して練習することが重要です」
――プールに入っていないときでもできる練習はあるのでしょうか。
石川「野球のシャドーピッチングと同じで、上半身だけでいいので、鏡の前で泳ぐ動きをしてみてください。自分が泳ぐ姿勢は普段は見られないので、イメージしているとおりなのか、確認してみることも大切です。それに正しい動作を繰り返すことで、身体に動きが染み付いて、実際に泳いでみたときに活かすことができるはずです」
――身体が沈んでしまう人や息継ぎが上手にできない人は、どのような練習をすればよいのでしょうか。
石川「いきなり長い距離を泳ごうとすると、どうしても動きが硬くなったり、先程お伝えしたコツどおりできなくなったりしてしまうので、最初は欲張らずにちょっとずつ分割して、ひとかき泳いで立って休憩、泳いで立って休憩を繰り返しましょう。1回の動作をゆっくり確認しながら泳ぐことで、少しずつ感覚をつかんでいきます。力を抜いて泳ぐことができれば、クロールは楽に長く、気持ちよく泳げる方法なので、焦らず練習してください!」
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~おわりに~
石川コーチ直伝の「クロール上達のための5つのコツ」の一つひとつをしっかり身に付けていけば、楽に長くクロールが泳げるようになります。
ルネサンスは、自分が泳ぐ姿をタブレットで確認できる「スマートスイミング」システムを成人クラスにも導入しました。コーチの指導を受けながら、客観的に自分の泳ぎを確認できるので、一人で練習するよりも早く上達が目指せます。また、個別で泳法アドバイスが受けられるスイミングパーソナルも実施しています。ぜひ、ルネサンスでスイミングに挑戦してみませんか。
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