施設開発チームは、新しく出店するルネサンスの施設を計画していく部署です。
組織は、立地開発担当と施設開発担当に分かれており、立地開発担当者が土地を仕入れ、私の所属する施設開発が施設プランニングから工事監修までを行います。
ルネサンスでは、マーケティングデータに基づき算出された事業計画に則り、現在は、年間2~3店舗を出店しています。建てる施設の大きさは2,000から10,000㎡まで様々。敷地、建物形状や道路の配置などもまちまちです。
お客様の使いやすさを考えながら、建物や設備の配置を計画していきます。
具体的には、スポーツクラブに最低限必要なジム、スタジオ、ロッカー、風呂・シャワー、サウナ、プールをどう収めるかなどを考えていくのです。
設計・建設などの実作業は、設計事務所やゼネコンに依頼しますが、プランニングは私たちの部署で行います。
業界のなかでも、施設開発計画専門の部署があるのは極めてまれです。
たとえ部署があっても、人員はせいぜい数名と聞いています。私のいる施設開発部は総勢17名。
私もそうですが、ゼネコンを始め、建設業界出身者も多く、建築、積算、施工方法など、様々な建設の専門知識を有しています。
設計事務所やゼネコンに丸投げすることなく自分たちでプランニングするので、建物の隅々まで、ルネサンスの企業理念であるホスピタリティ精神をいきわたらせた施設の実現が可能です。
施設の計画に限らず、運動機器や設備についても、ルネサンスオリジナルのものを機械メーカーとタイアップして開発することがあります。
新しく出店するルネサンスの施設を計画する専門部署

他社物件のリノベーションを手掛けるたびに、
自分たちは間違っていないと思う

施設をプランニングするうえで最も考慮することが、お客様の使い勝手であることは言うまでもありません。
例えば、裸や裸足で過ごすことが多いことを考え、寒くも暑くもない空間、できうる限り危険を減らした空間づくりを心がけたり。
また、スポーツクラブは、仕事や普段の生活を離れて健康維持や自己研鑽に使う場所であり、清潔感や新しさが求められます。
汚れにくく美観を保てるようなつくりとすることも重要です。
また、スポーツクラブの土地、建物使用は、数十年契約と長期にわたることがほとんどです。設備を維持するにはメンテナンス作業が不可欠ですが、作業が長期になってしまっては、お客様のトレーニングや健康維持に影響が出てしまいます。
長く建物を維持・存続できるように、錆びない・劣化しないなどの工夫はお客様の目に全く見えないところにまで徹底的に行います。
施工方法や部材などの基準も社内で厳格に定めています。それをまとめた「建築工事仕様書」は辞典のような厚さです。
弊社は、他社のスポーツクラブの事業継承も多く行ってまいりました。
10数年ほど前から、これら他社の思想で作られた施設を、ルネサンス基準でリノベーションし、リニューアルオープンさせることも多くなりました。
ハッキリ言って、ルネサンスほど厳しい基準で建築されたものは少ない。リノベーションを手掛けるたびに、自分たちのやり方は間違っていないとの思いを新たにします。
店舗で働くスタッフにも、
建物周辺にお住まいの方へも配慮

店舗のスタッフが働きやすい空間をつくるというのも大事です。
スタッフがメンテナンスしやすい施設は清潔に美しく維持できます。
また、スタッフが活き活きと働くことができれば、お客様へのホスピタリティ精神につながり、その気持ちがホスピタリティを生みます。
しかし、人口、世代構成、集客人数などがすべて同じという地域はありません。
つまり、ルネサンスの施設も一つとして同じものはないのですが、他の施設から移ってくるスタッフもたくさんいるため、クラブで施設の配置などがあまりに違わないようにしていきます。
ホスピタリティということでは、建物周辺にお住まいの方への配慮も欠かせません。スポーツクラブは大きな施設です。
日照はもちろん、少しでも圧迫感を軽減できるような施設を心がけますし、誠意をもって建築交渉には望みます。
こうしたすべてが、施設を介してお客様とのホスピタリティにつながると思っています。
ホスピタリティを考え、実践している部署だという自負

個人的には、設計事務所やゼネコンなどパートナー企業に対するホスピタリティ精神も、とても重要だと思っています。
発注側であるからこそ、私たちが「ありがとうございます」や「すみません」を言うよう心がける。
そうすれば、パートナー企業の方々も、モチベーションを持って、楽しく仕事ができます。
それが、結果としていい施設の建設につながり、ひいては、スタッフの働きやすさやお客様とのホスピタリティや、サービス品質の向上につながると思うからです。
ホスピタリティという言葉は、最近富に言われるようになったと感じています。
日本人からその感覚が失われてきたからこそ、クローズアップされるようになったのではないでしょうか。
人として当たり前に接し、心を打つことを一生懸命に考えていれば、ホスピタリティは自然と生まれてくると思います。
施設開発を行う部署ですが、私は、自分の部署がホスピタリティを考え、実践している部署だと自負しています。