
ダイエット効果を高めるウォーキングの方法とは?消費カロリーも解説
気がつけば体重は過去最高を更新、お腹もポッコリで、運動をはじめるしかないと心に決めても、いきなり道具を買いそろえたりするのはちょっとハードルが高いですよね。であれば、大きな準備の必要がないウォーキングからはじめてみるのはいかがでしょうか。
今回は、ランニングイベントのサポーターとしても活躍するルネサンスのフィットネストレーナーに、ダイエットに効果的なウォーキングの方法やウォーキングの消費カロリー、継続するコツについて聞きました。

教えてくれたヒト
- スポーツクラブ ルネサンス
高橋トレーナー - フィットネストレーナーとして栄養・運動指導を担当。adidas GYM&RUNの有資格者であり、指導歴は10年以上。ランニングやマラソンイベントのサポーターとしても活躍中。「ウォーキングやランニングが楽しくなるようお手伝いできたらなと思っています」
ウォーキングにはどのような効果がある?消費カロリーはどれくらい?

--ウォーキングをすると、身体にどのような効果があるのでしょうか。
「ウォーキングには、体力の向上と脂肪燃焼という2つの大きな効果があります。継続して行うと、歩くために必要な筋肉がついてくるのと同時に心肺機能も向上するので、どんどん長く歩けるようになるでしょう。そして、血糖や脂肪をエネルギーとして使うので、歩けば歩くほど、体脂肪が燃焼されていきますよ」
--ウォーキングが健康にいいのはわかりましたが、気になるのは、ウォーキングのダイエット効果です。
「ウォーキングだけで劇的に体脂肪が燃えることはありませんが、その反面、運動に不慣れな方でも続けやすいというメリットがあります。週1回激しい運動を行うよりも、ウォーキングを毎日30~60分続けたほうが、1週間の総消費カロリーは大きくなります。これを4週続けた場合、ウォーキングのほうが減量幅は大きくなるでしょう。運動が苦手な方にとってはハードな運動より、続けやすいウォーキングを継続するほうがダイエット効果は高いと思います」
--具体的にウォーキングで消費するカロリーはどのくらいなのでしょうか。
「METs (メッツ)を使っておおよその消費カロリーを求めることができます。運動強度の単位をMETsといい、運動時にどのくらいエネルギーを消費しているかを示す指標です。1 MET=安静時に使うエネルギーの量、つまり、何もしないでじっとしている時の消費量です。
たとえば、ウォーキングは約3METs(※)つかいます。これは、安静時の3倍のエネルギーを使っているということです。 METsを使って消費カロリーを求めてみましょう。
- <消費カロリーの計算式>
- 消費カロリー(kcal)= 体重(kg) × METs × 時間(h)
例えば、体重60kgの方が1時間のウォーキングを行うと、60kg×3METs×1h=180kcal を消費する計算になります。この計算式は、基礎代謝量や運動の強度によって数値が変動しますので目安として考えましょう。」
※参考:厚生労働省「生活活動のメッツ表」

--ウォーキング初心者にとっては、「どんなコースを歩けばいいのか」悩むポイント。コースによって消費カロリーは変わるそうですが、高橋トレーナーは「一番大切なのは継続すること」だと強調します。
「もちろん平坦な道より坂道や階段のほうが疲れるのですが、キツすぎて止まってしまう程ではなく、自分の体力に合わせて程よく坂や階段があるコースを選ぶとよいですね。ただ、モチベーションを維持できることが大切なので、自分が楽しめるコースを選んでください。次の信号まで早歩きで行くなど、ゲーム要素をプラスして、楽しみながら長く続けるといいと思います!」
--リモートワークで1日自宅から出ないという方も増えていますが、そんな方にもウォーキングはおすすめだそう。
「ウォーキングをすると血行がよくなるので、集中力を高めたり、気分をリフレッシュしたり、眠気を防いだりする効果があります。例えば、リモートワークの休憩中に10分だけ家のまわりを歩くだけで、仕事の効率が上がると思います。また、歩くときには腕を振るので、肩まわりの筋肉があたたまって、肩こりの予防にもつながりますよ」
ダイエット効果の高まる正しいウォーキング方法とは?
ウォーキング前のストレッチや姿勢、歩き方、スピード、歩数など、正しいウォーキングの方法を聞きました。
ウォーキング前のストレッチ
まずは、高橋トレーナーがおすすめするウォーキング前のストレッチをご紹介。
歩く前にストレッチをすることで動きがスムーズになり、腕を大きく振れるようになったり、歩幅が広くなったりするため、歩数や歩行距離が伸びやすくなります。関節も動きやすくなるので、痛みやケガ予防にも効果的。筋肉の温度を上げることもできるので、脂肪燃焼効率を高めることができます。
- ●ストレッチ1:肩回し
-
1.肩に手を置いて、後ろまでひじを大きく回す。
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2.背中の筋肉を意識して、ひじで円を書くように回して元の位置に戻す。前回し、後ろ回しを各10~20回ずつ行う。
- ●ストレッチ2:股関節のストレッチ
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1. 両足をこぶし1個分開けてまっすぐ立ち、 片足を大きく1歩前に出す。
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2. 後ろ足のかかとを上げ、前足のひざを曲げながら、できるところまで身体を沈める。後ろ足の股関節まわりを伸ばすイメージで、背筋を伸ばし、前を見ながら上下に弾む(可能なら前足のひざを90度程度まで曲げる)。これを10~20回繰り返す。左右の足を入れかえ、同じ動作を10~20回繰り返す。
正しいウォーキングの方法
ここからは、いよいよウォーキング実践編です。正しいウォーキングの姿勢や歩幅、正しい姿勢を保つ方法まで勉強しましょう。
理想的なウォーキングの姿勢

背筋を伸ばし、あごは軽く引いて、目線は遠くを見る。頭が上から吊るされているようなイメージで、重心を高く保つ。肩の力を抜き、腰は反らせず、横から見たときに耳、肩、ひざ、くるぶしが一直線になるように意識する。
- ・注意したいポイント
- 目線が下を向くと、重心が下がってひざが前に出てしまい、ひざに負担がかかります。目線は前方に向け、遠くを見るようにしましょう。


正しいウォーキングの歩幅


なるべく歩幅は大きくとって、お尻の筋肉を使って歩くよう意識する。足はかかとから着地して、足の外側、小指のつけ根、親指のつけ根、親指の順番に踏み込む。最後にふくらはぎを使って、地面をグッと蹴って進む。

手は軽く握って、ヒジを90度に曲げて、後ろにひくイメージ。腕もなるべく大きく振る。
理想の姿勢を保つためのテクニック
ウォーキング中に疲れたら、ストレッチも兼ねて一度姿勢を整えましょう。

1.バレリーナのようにつま先を外側に向けて立つ。遠くを見て、肩の力を抜いてまっすぐ立つ。

2.つま先を正面に戻し、両手を上にあげて高く伸びをする。あばら骨を上に上げていくイメージで、お腹を引き上げる。 手を下ろして肩の力を抜く。この姿勢を意識しながらウォーキングを再開しましょう。
ダイエット効果を高めるウォーキングをするには?
--ダイエット効果を高めるためには、息が弾むくらいのスピードで歩くのがおすすめだそう。
「個人の体力差がありますので、無理をせず、息が弾むくらいのスピードがおすすめです。脂肪燃焼に適した心拍数は、最大心拍数の65%程度といわれています。最大心拍数= 220 - 年齢 なので、たとえば、40歳の方の場合、最大心拍数は 220 – 40 = 180 です。脂肪燃焼に適した1分間の心拍数は、最大心拍数 180 の65%で 117 となります。ウォーキングをした際に手首の内側で脈を測って心拍数を確かめて、スピードを調節してください。6秒間脈を測って、それを10倍しても大丈夫ですよ」
--では、1回のウォーキングでどのくらいの距離や歩数を歩けばよいのでしょうか。
「厚生労働省(※)によると、『1日8,000歩』が推奨されています。10分の歩行は約1,000歩です。ウォーキング以外にも日常生活で歩いているので、まずは1日の歩数をスマホの歩数計機能などで確認しましょう。そして、毎日8,000歩を達成できるように、ウォーキングの目標歩数を設定してください」
※参考:厚生労働省「21世紀における国民健康づくり運動」「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)
ダイエット中の理想的なウォーキングスケジュールは?
高橋トレーナーに1週間のウォーキングスケジュールを提案してもらいました。
■理想的なウォーキングスケジュール
スケジュール | ウォーキング |
---|---|
平日(月~金) | 朝、10~30分歩く |
休日(土・日) | 30~60分歩く |
「ライフスタイルに合わせて、どの時間にウォーキングができるかを考えてみましょう。仕事がある日は、目的地よりひとつ手前の駅で降りて歩くなど、10~30分でよいので、すきま時間にウォーキングを取り入れてみてください。その代わり、お休みの日には少し長め、30~60分歩くように意識してもらえたらいいと思います。週1~2日はお休みしてもよいですが、理想としては短い時間でもいいので、毎日続けることが大切です。朝10分歩くことで身体が温まって代謝が上がるので、その日は日常生活を送るだけでも、消費カロリーの増加が期待できます」
--1日のうち、ウォーキングで痩せやすいタイミングと太りにくいタイミングがあるといいます。
「痩せやすいのは『空腹時』です。ウォーキングなどの有酸素運動は血中の酸素、ブドウ糖、脂肪を分解してエネルギーにします。空腹時は血中のブドウ糖が少ないので、有酸素運動を行うと脂肪を分解する働きが起こりやすくなり、脂肪燃焼につながります。ただ、起床直後など極端な空腹時は身体によくないので、スポーツドリンクやゼリー飲料などを飲んでから行うようにしてください」
--一方、太りにくいタイミングは「食後」だそう。
「炭水化物など糖質を含む食事をすると、血糖値が上がります。そうすると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血中の余分な糖を中性脂肪にかえて溜め込む性質がありますが、食後に運動すると糖がエネルギーとして利用されるので、血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌を抑えることができます。ただ、食後すぐに運動すると消化不良を起こしますから、30~60分は空けてください」
継続する(挫折しない)ためのコツ・ポイントは?
ウォーキングは継続することが一番大事。そこで、継続するためのコツやポイントを聞きました。

--挫折しそうになったとき、モチベーションを上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。
「気分転換のために、歩くコースを変えてみるのもいいと思います。私は海沿いを走ったりすることが多いのですが、気分もリフレッシュするので、海沿いのコースはおすすめです。ランニング用のウェアやシューズをそろえるのも、気分が上がりますよ」
--初心者がウォーキングを習慣化するために気をつけるポイントはなんでしょうか。
「がんばりすぎないこと。目標の歩数や時間を達成しなくても、身体に痛みを感じたらすぐやめてください。無理して続けると、ケガの原因にもなりますから、まずはウォーキングをした自分をほめてあげましょう。それから、すぐに結果を求めないことも大切です。1回のウォーキングでの消費カロリーは大きくないので、1週間、1ヶ月のスパンで身体の変化を見てあげてください。ウォーキングで体力は向上します。そうすれば、歩く時間を増やせるので、体脂肪の燃焼量も増えてくるでしょう。長い目で見ることが、継続するモチベーションにつながると思います」
--さらにダイエット効果をあげたいのなら、ウォーキング前に筋トレを行うとよいそうです。
「筋トレを行うと成長ホルモンが分泌され、成長ホルモンの作用で脂肪が燃焼しやすくなるといわれているので、ウォーキング前に筋トレをするのはとても効果的です。筋トレをして疲れた状態が、成長ホルモンが分泌されている状態です。そのタイミングで歩くと脂肪が燃焼しやすく、ダイエット効果が高まりますよ」
~おわりに~
運動が苦手な方でも続けやすいウォーキングは、継続することでダイエット効果が得られます。ウォーキングと軽い筋トレを組み合わせると、さらにダイエット効果が高まるそうなので、ルネサンスなら、お子様がスイミングに通っている間などに簡単な筋トレをしたり、ウォーキングマシンで運動したりすることもできて効率よくダイエットに取り組むことができます。ぜひ一度、ルネサンスに体験に来てみませんか。 見学・体験のご案内