睡眠不足が招くリスクとは?
寝不足から早めに回復するための習慣

仕事が忙しかったり、つい夜ふかしをしてしまったりすると、睡眠時間を犠牲にしがちです。しかし睡眠不足は心身にさまざまな悪影響を及ぼし、睡眠不足が蓄積されるほど健康被害や事故などのリスクも高くなってしまいます。今回は、睡眠不足によるリスクや体が睡眠不足に陥っているサイン、睡眠不足の状態から早めに回復するためのポイントについてご紹介します。

睡眠不足が招くリスク

毎晩十分な睡眠がとれていないと、私たちの心身にはどのような影響があるのでしょうか?睡眠不足が引き起こしやすい4つの症状をチェックしましょう。

ストレスの増加

人は寝不足の状態になるとストレスを感じやすくなり、イライラしやすくなるといわれています。ストレスは心身の負担となり、その疲労によって機嫌が悪くなったり、神経過敏になったりしてしまうのです。

集中力の低下

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睡眠不足は、集中力低下の原因にもなります。また、認知機能も鈍るため、情報を新しく記憶したり、思い出したりすることも難しくなりがちです。その結果、仕事などでの人為的なミス、業務パフォーマンスやコミュニケーションの質の低下などを招いてしまいます。

新陳代謝の低下

十分な睡眠は、体内の新陳代謝や消化器系の機能を良い状態で維持するためにも欠かせません。新陳代謝が最適な状態であれば、私たちの体はカロリーを消費しやすくなり、適切な体重を保てるようになります。

睡眠不足によって新陳代謝が低下した状態が続くとカロリーを燃やすプロセスも妨げられるため、体重増加や肥満につながりやすいといわれています。

事故やケガを招きやすい

睡眠不足によってエネルギー不足に陥ると、体に疲労が蓄積されて身体機能にも影響が出てしまいます。特に反射神経が鈍りがちになり、車の運転や機械操作などでミスを犯しやすくなるのです。

こういったことが引き金となる事故やケガのリスクが高くなるため、事故や重大なミスのリスクが伴う運転や機械操作は、寝不足の日はできるだけ避けたほうがいいでしょう。

睡眠不足のサインって?

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私たちの体は、睡眠不足状態に陥っていると次のようなサインを発します。

●電車に乗っているときや昼食後に眠気を感じ、ついうたた寝をしてしまう
●運転中でも、信号待ちの最中などに突然眠気に襲われる
●布団に入るとすぐに意識を失って眠りに落ちる
●日中はコーヒーやたばこがないと集中できない

このようなサインに心当たりがある場合は、睡眠不足である可能性が高いです。睡眠不足から脱するためにも、スマホやPCなどに費やす時間を抑えるなどして毎日の睡眠時間をしっかりとるようにしましょう。

睡眠不足から早めに回復するためのポイント

寝不足に陥らないためにも、毎日規則正しい睡眠サイクルを保つことが理想的です。とはいっても、さまざまな理由で睡眠時間が短くなってしまう日もあります。そんな寝不足状態から早めに回復するにはどうすればいいのかを確認していきましょう。

日光を浴びる

寝不足であっても、日中の活動に影響を与えないためにも体内時計を正常な状態にすることが大切です。まずは朝起きたら、しっかりと日光を浴びましょう。また、体内時計を整えるためには朝風呂や軽い運動も効果的です。

外でウォーキングやストレッチなどで軽く体を動かすだけでも、寝不足の状態から覚醒しやすくなる上、日光をしっかり浴びることができます。

朝食をきちんととる

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日光を浴びるのと同様に、体内時計を整えるために朝食をきちんと食べましょう。睡眠不足の状態で朝食を抜くと、午前中のモチベーションや活動の質を大きく下げてしまいます。

朝食の内容は、栄養バランスを重視しましょう。「パンやおにぎりだけ」のような栄養の偏ったメニューではなく、ビタミンやミネラルを含む野菜や果物、たんぱく質を含む卵や乳製品などがそろった朝食がおすすめです。

仮眠・早寝をする

睡眠不足の場合、日中にどうしても眠気を感じやすいです。その場合は、15~30分程度の仮眠をとることがおすすめです。少しでも疲労が解消されることで、頭をすっきりとさせることができます。逆に長時間の仮眠は、夜に寝付きにくくなる原因となるため避けましょう。

仮眠は可能であれば午前中か、遅くとも15時頃までにとることが理想的です。それ以降に仮眠をとると、体内時計が乱れやすくなってしまうためです。

集中力を出したいときのカフェインはほどほどに

コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには強い覚醒効果があるため、寝不足のときに積極的に飲むという方もいるでしょう。カフェインは、胃腸で吸収されてから効果を発揮するまでに15~30分ほど要します。また、効果の持続時間は人それぞれですが、2時間半~4時間程度とされています。

カフェインのとり過ぎは胃腸の負担となりやすく、また夜眠れなくなってしまう可能性もあるため、あくまで集中力を出したいときだけ、適量を飲むように心掛けましょう。

~おわりに~
平日に睡眠不足を感じたら、週末に寝不足状態をリセットさせることも大切です。ベストな睡眠時間は個人差がありますが、多くの人の場合、睡眠時間が7時間未満になると、疲労や不調の原因となる睡眠負債が発生するといわれています。
この睡眠負債を解消するためにも、週末は普段よりも少し長めに眠ることがおすすめ。しかしこれは、平日よりも起きる時間を遅くするのではなく、「いつもより早く寝る」ようにするのが肝です。平日で不足した分の睡眠時間を補うことで、きちんと眠るサイクルが整い、睡眠負債も蓄積されにくくなるでしょう。