ストレスを感じやすい性格とは?
イライラを上手にコントロールする方法

ストレスの感じ方には個人差があり、思考や行動パターンによって、心身が受ける負荷は大きく変わってきます。例えば、上司から同じことを注意されても、ある社員は不安感に悩まされてしまう一方で、別の社員は前向きにとらえて仕事に戻ることができるということも、物事の感じ方によるストレス反応の違いといえるでしょう。ここでは、ストレスを感じやすい人と感じにくい人の違いのほか、ストレスを溜めにくい人の行動や思考パターンについて紹介します。

ストレスはなるべく受けないようにするのが重要

人のストレスに対する心身の反応の違いは、物事の感じ方やとらえ方によって変わってきます。物事のとらえ方は、元々の性格や環境の影響を受けやすいですが、トレーニングによって変えることも十分可能です。

ストレスの原因となる事象には、自分でコントロールできるものもあれば、回避できないものもあります。そのため、コントロールできない事象をどのように受け止めれば、できるだけ心身への負担を軽減させるようにできるのかが重要といえるでしょう。

ストレスを感じやすいのはどんなタイプ?

まずは、ストレスの影響を受けやすい人の傾向を見ていきましょう。特にストレスを感じやすいといわれているのが、「せっかちタイプ」と「いい人」タイプです。

せっかちタイプ

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次のような、いわゆる「せっかち」なタイプの人は、ストレスを感じやすいといわれています。

●常に時間に追われている
●何事もスピーディーにこなしたい
●短気な性格
●競争心が強い

せっかちタイプは時間にきびしく仕事などの処理スピードが速い一方で、他人に対してきびしくなりがちな一面も。リラックスした人間関係を築きにくく、時に漠然とした焦燥感や不安を抱えてしまうこともあります。真面目で仕事もできる方に特に多いタイプですが、こういったストレスによってメンタル不調を起こす方は少なくありません。

「いい人」タイプ

愛想が良く誰に対しても人当たりのいい「いい人」タイプも、ストレスを抱えやすいとされています。

●感情を抑えがち
●不平や不満をほとんどいわない
●受動的で自己犠牲的な性格

いい人タイプは本音を吐き出すのが上手ではないために、特に人間関係でストレスを抱えやすいといえます。愚痴などの本音もなかなか言えないため、無自覚のうちに怒りや不安感を心の奥に溜め込んでしまいがち。我慢強い一方で、ある日突然心のバランスを大きく乱してしまう可能性があります。

ストレスを感じにくいタイプって?

ストレスを感じにくいタイプは、「マイペースタイプ」です。

●常にリラックスした状態で暮らしている
●過剰な競争心がない
●感情を適切に表現するのが得意
●周囲の人と楽しく付き合える

感情表現が得意で競争心も強くないマイペースタイプは、ストレスを感じにくいとされています。オンオフの切り替えが上手で、集中して仕事に打ち込むことができ、実は優秀な成績を残せるタイプが多い傾向があります。

ストレスを溜めない人から学ぶ7つの行動・思考パターン

ここからは、ストレスを溜めにくくするための指標となる、行動・思考パターンを見ていきましょう。注意したいのは、無理に本来の性格を変える必要はないということ。性格まで変えようとすると、それがストレスの原因となることもあります。あくまで思考と行動をコントロールしながら、物事に対して生まれた感情を素直に受け止めることが大切です。

1 細かいことを気にしない

ストレスを抱えやすい人は、あらゆる物事について細かい部分まで気にしがちという傾向があります。気になる点を他人に指摘したり、みずから対処しようとしたりすることで、もやもやを晴らそうとします。

ストレスを溜めない人は、気になる点があったとしても、全体に影響がなさそうであれば細部は上手に流します。アクションを起こすのは、何らかの大きな影響がありそうな場合のみ。この違いだけでも、心身にかかる負担が大きく変わってくるはずです。つまり、「完璧主義にならない」ことがポイントといえそうです。

完璧主義の場合、理想どおりに物事が進まないと焦燥感や怒りにさいなまれ、大きなストレスを抱えがちです。臨機応変に、妥協できるポイントを判断する習慣をつけてみましょう。

2 行き詰まったら協力者を探す

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忍耐力があって我慢強い人ほど、何事も自分一人でやり遂げようとしがちで、ストレスも抱えやすくなります。その一方で、ストレスを感じにくい人は自分一人では難しいと感じたら、協力者を探してスムーズに達成しようとします。適度に周囲のサポートを求めることは、ストレス軽減だけでなく、仕事の効率化にもつながるでしょう。

3 人の長所を見るようにする

ある特定の人物について考えたり、紹介したりしようとしたときに、短所ばかり浮かんでしまうような人は、ストレスを溜め込みやすいといえます。反対に、人の長所に注目できる人ほどイライラや焦りを感じにくく、ストレスを受けにくいのです。

4 物事を楽観的に考えるようにする

物事を悲観的にとらえる癖がついている人も、ストレスを抱えがち。同じ状況にあっても、何かしらポジティブな要素を見いだしたり、前向きにとらえられたりする人は、ストレスも抱えにくい傾向があるといわれています。人の長所に注目するのと同様に、物事を良い方向に考える癖をつけてみましょう。

5 長い目で物事を考える癖をつける

前述のとおり、せっかちで短気な人ほどストレスを抱えやすく、マイペースで気が長い人ほどストレスを感じにくいもの。せっかちタイプは短いスパンで動く癖がついており、分刻みスケジュールで行動するという人も。できるだけ長期的に物事を考えるように切り替えてみることで、気持ちにゆとりを持たせることができるでしょう。

6 充実した余暇を確保する

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せっかちタイプやいい人タイプの中には、常に予定が入っていないと不安になってしまうタイプや、休憩や余暇を取ることに対して罪悪感を覚えるという人も。その一方で、ストレスを溜め込まない人の多くが、質の高い仕事のためには、適度な休息や充実した余暇が不可欠と考えます。

心身を健康に保つために休息や余暇を確保することは、とても大切です。自分の心が休まる時間を定期的にとることができるよう、スケジュールを見直してみましょう。

7 新しいチャレンジや変化はいったんストップする

忙しさやストレスによって疲労が溜まっているときは、新しいチャレンジや変化は控えることも重要です。というのも、この状態では本来のパフォーマンスが発揮できず、結果的にうまくいかない可能性が高いからです。

特に転職や昇進、結婚といった環境の変化があると、張り切るあまり新しいチャレンジをすることも珍しくありません。しかし、そのような場合も、まずは変化に十分慣れてから取り組むことをおすすめします。

反対に、ストレスや疲労を抱えているときは、いつもの習い事や課しているルールなどをいったんストップしてもいいかもしれません。「調子が戻ったら再開しよう」という思考で心身を休ませることで、回復に専念することができます。

~おわりに~
習慣化した思考や行動パターンをいきなり大きく変えることは難しいもの。しかし、ストレスを抱えにくくするための思考や行動の多くに共通するのは、「適度に自分を甘やかす」ことといえます。自分一人で何とかしようと追い込むのではなく、常に心にゆとりを持てるよう、仕事の取り組み方やスケジュールを調整してみましょう。

また、人に意見やアドバイスを求めることもおすすめです。異なる視点や価値観を知ることで、ストレスを感じにくい人間像が見えてくるかもしれません。