梅雨の体調を整えたい。
気温・気圧の変動を乗り切るポイント

雨の日や気圧が大きく下がるときは、頭痛や耳鳴りがするなど、体調を崩しやすいという女性は少なくありません。天気や気圧と体調は密接に関係しているため、特に雨の多い梅雨時や気候が変化する季節の変わり目は、きちんと体調管理することが大切です。

ここでは、梅雨に体調を崩しやすい原因とその予防法、さらに梅雨シーズンに実践したい服装のポイントなどについて紹介しましょう。

梅雨に体調を崩しやすいのはなぜ?

梅雨になると、頭痛やだるさなどの体調不良に悩まされる方は珍しくありません。これは、自律神経を刺激する天候の変化が激しいことに加えて、疲労が溜まりやすい時期でもあることが原因です。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

原因1 天気や気温、気圧の変動が激しい

梅雨時は天気が崩れやすく、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるシーズンです。さらに、雨の日の涼しい気温と蒸し暑さの両方を感じやすく、寒暖差が生じる時期でもあります。こうした気圧の変動や寒暖差といった外的要因が、ストレスとなって心身に影響を与えるのです。

ストレスを受けると、私たちの体内では自律神経が刺激を受けます。自律神経は体を活発にする交感神経と、リラックス状態にさせる副交感神経があり、この2つの神経がバランスをとりながら、さまざまな器官の働きを担っているのです。自律神経は自分でコントロールすることができないため、無意識下のストレスでもバランスが乱れてしまいます。

交感神経は、気圧の変動や寒暖差に抵抗するために働きます。しかし、交感神経が優位な状態が続くと、緊張状態が続くためエネルギー消費も増え、疲労やだるさを感じやすくなることも。さらに、めまいや不安感を引き起こしたり、片頭痛やリウマチなどの慢性痛を感じやすくなったりするのです。

原因2 休みが少ない

梅雨時は、他のシーズンと比べて休みが少ないという点も、不調を感じやすい原因。6月から7月にかけて、祝日のない期間が1ヵ月以上続くことで、疲労が溜まりやすくなるのです。また、夏に向けて日が長くなると、仕事帰りに出掛けることが増えるなど、活動的になる時間が長くなりがち。

以上のことから、梅雨時は「休みが少ないのに活動時間は長い」という、疲れを溜め込みやすい時期であるといえるでしょう。

天候や気圧の変動による体調不良対策

体調不良を避けるためには、自律神経のバランスを整え、きちんと心身を休めることが重要です。そのためには、規則正しい生活と、なるべくストレスを溜め込まないように心掛けたいところ。ここからは、寒暖差や気圧の変化を感じやすい梅雨時でも、健康に過ごすためのポイントを紹介します。

朝の時間のリズムを切り替える

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昼夜逆転の生活や、空調を過度に利かせた環境での暮らしは、自律神経のバランスが乱れる原因になります。気圧の変動や寒暖差に対処できる体にするためにも、生活リズムを整えることがポイントといえるでしょう。

そこで、梅雨時は特に朝の時間のリズムを切り替えてみるのがおすすめ。いつもよりも10~15分早めに起きて、好きなテレビ番組を見たり、しっかり朝食を食べたりして、毎朝交感神経のスイッチを入れられるようにしてみてください。

雨や曇りの日でも室内は明るくする

雨や曇りの日が続くと、日光を浴びることができず、気分も落ち込んでしまいがち。天気が悪くても、日中は明るい環境で過ごしたいものです。そこで、朝起きたらカーテンを全開にして室内にできるだけ光を入れ、それでも暗ければ電気を点けましょう。そうすることで、体が朝だと認識するはずです。

就寝前は目元を温める

朝に交感神経のスイッチを入れたら、夜は副交感神経に切り替えます。そこでおすすめなのが、就寝前に蒸しタオルやホットアイマスクなどで目元を温めること。リラックスすることで副交感神経のスイッチが入り、睡眠の質も高くなります。

特に心地良さを感じる温度はお風呂と同じくらいで、約40℃です。

耳を回すマッサージを行う

耳周りの血流が悪いと、鼓膜の奥の内耳のリンパ液もいっしょに滞り、気圧の変化によって生じるめまいや頭痛などの症状が出やすくなるといわれています。そこで、耳の血流を良くするマッサージを取り入れてみましょう。

<耳の血流を良くするマッサージ>
1. 耳を上・下・横に各5秒ずつひっぱる
2. 耳の横をつまみ、軽くひっぱりながら後ろへ5回、ゆっくりと回す
3. 耳の上側と耳たぶ側の上下を親指と人差し指で折り曲げ、この状態を5秒間キープする
4. 耳全体を手で覆って、後ろに5回、ゆっくりと回す

1日3回、痛みを感じない程度の力で実践してみてください。

湿気を取り除く

冷えや疲れ、ストレスの蓄積だけでなく、梅雨の湿度の高さによって、関節リウマチの症状が現れることがあります。痛みを悪化させないためには、できるだけ湿度を取り除くことが大切。除湿機をかけたり、こまめに換気をしたりして、湿度を下げましょう。

頭痛があるときは入浴に注意!

入浴による疲労回復やストレス解消は片頭痛の予防になるため、症状の出ていない日はきちんと入浴することがおすすめです。しかし、頭痛が生じているときは、頭痛のタイプによって入浴のポイントが変わってくるため、注意したいところ。

まず、肩や首の筋肉が緊張することで生じる緊張型頭痛の場合、冷えを防ぐことで症状が改善されます。きちんと湯船に浸かって血行を促し、筋肉の緊張をほぐしましょう。

その一方で、交感神経が優位になって血管が拡張したことで生じる、「ズキン、ズキン」という片頭痛の症状が出ている場合は、急な温度の変化によって悪化しやすいため、湯船には入らず軽くシャワーを浴びる程度にしておきましょう。

梅雨時は服装にも気を使おう

寒暖差のある梅雨時は、もう夏だからと油断せず、服装に配慮することも大切。ここでは、梅雨時のコーディネートのポイントを見ていきましょう。

寒さ対策の羽織物を必ず持っておく

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「気温が5℃下がると、1枚多く衣服が必要」とされています。冷えはさまざまな体調不良の症状の原因となるため、天気の変化によって気温も変動する梅雨時は1枚、寒さ対策の羽織物を必ず持つようにしましょう。

また、脱ぎ着しやすい服装を心掛けることで、ストレスなく過ごすことができます。羽織りやすい、薄手のカーディガンやジャンパーがあると安心ですね。

首元は開けておく

片頭痛持ちの場合、顔や首などに布や髪がふれただけでも、刺激を受けて片頭痛を引き起こしてしまうことがあります。顔や首にかかる髪は結んだり、首元が開いた服を着たりして、顔から首回りへの刺激をなるべく減らしましょう。

アプリで気圧予測&体調管理もおすすめ

梅雨時に限らず、一年を通して天気や気圧を把握しながら体調を管理するためにも、気圧予測アプリを活用してみてはいかがでしょうか。こういったアプリでは、数時間ごとの気圧や天気、気温などを予測してくれます。頭痛などの症状が起こりそうな、気圧変動のある日の前日に通知が送られるアプリもあるため、薬を用意して、旅行や重要な仕事などに備えることもできるでしょう。

また、不調を感じた日を記録することができる気圧予測アプリなら、天気や気圧と自分の体調の関係についても把握しやすくなり、体調管理にも便利です。

~おわりに~
休みが少なく憂鬱な天気の日が多い梅雨時こそ、規則正しい生活とストレス解消によって、体調不良のリスクを減らす必要があるといえそうです。寒暖差や気圧の変動と上手に付き合いながら、健康な状態で夏本番を迎える準備をしましょう!