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初心者でも始めやすいスロージョギングとは?
体へのメリットと練習方法

その名のとおり「ゆっくり走る」ことで、初心者でも続けやすいジョギングとして注目を集めている「スロージョギング」。足腰への負担が少ないので誰でも始めやすく、健康づくりやダイエット効果も期待できるといわれています。ただし、スロージョギングは単にゆっくり走るのではなく、姿勢や着地方法にいくつかポイントがあるため、正しいやり方を踏まえて取り組みたいところ。今回は、スロージョギングのおもな効果や正しいやり方、練習のコツについてご紹介します。

スロージョギングとは?

スロージョギング®は、福岡大学・田中宏暁名誉教授が提唱した、時速6km以下でゆっくり走る低速ランニング。ウォーキングと同じくらいの楽なペースでありながら、エネルギー消費量は約1.6〜2倍にもなるのが特徴です。

フォアフット着地(つま先寄りの着地)や自然な姿勢を意識することで、関節への負担を抑えつつ効率的にカロリーを消費できます。 研究では、スロージョギングとウォーキングを組み合わせることで、有酸素能や筋力の向上が確認されています。「走るのは苦手」という人でも取り入れやすい、健康的で続けやすい運動法です。

引用:一般社団法人日本スロージョギング協会「スロージョギング®」とは

ウォーキングの2倍!スロージョギングの4大メリット

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ここからは、スロージョギングを継続することで期待できるおもな効果について見ていきましょう。

エネルギー消費量はウォーキングの2倍

スロージョギングは、効率的に脂肪を燃焼させることができる有酸素運動です。体が感じる疲労感はウォーキングと変わらなくても、エネルギー消費量はウォーキングのおよそ2倍とされています。時速7km以下のゆったりしたペースならば、ウォーキングでもスロージョギングでも、体はほとんどきつさを感じず、息も上がらずに続けられるでしょう。

足への負担が少ない

ランニングは腰やひざに負担がかかりやすい運動で、毎日続けるとケガや体調不良のリスクも高めてしまいます。その点、スロージョギングは足腰への負担が少ない運動で、少しずつ筋肉をつけることができます。足腰に筋肉がつけば、普通に走ったときの負担や痛みを軽くすることも期待できるでしょう。

初心者でも始めやすく、継続しやすい

体力や筋力が落ちている状態だと、軽いジョギングでもきついと感じやすく、継続が難しくなります。一方、体への負荷が少ないスロージョギングは、モチベーションを保ちつつ長期的に体を動かすことができる上、確実に体力アップも実感することができるのでおすすめ。

スロージョギングで基礎体力や筋力が身につけば自信が生まれ、レベルアップしたトレーニングや、ほかのエクササイズへのやる気にもつながるでしょう。

ストレス発散・リフレッシュ効果も

スロージョギングを通して全身の血行が良くなると、脳にもしっかりと酸素や栄養が行きわたるようになります。認知機能や記憶力が向上するほか、思考力を担う部分の働きも活性化されるでしょう。頭がすっきりとして、ストレス発散やリフレッシュ効果が期待できます。

息切れするほどのハードな運動では、反対にストレスとなってしまいますが、スロージョギングでは心地よい疲労感を実感できるはずです。

挫折しない!スロージョギングの正しい実践5ステップ

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「スロージョギングって、どうやるのが正解なの?」そんな疑問を解消し、誰でも今日から、正しく、そして楽しく始められるよう、具体的な5つのステップに分けて徹底解説します。

Step 1:心構えをインプットする【ニコニコペースの法則】

まず、テクニックの前に最も大切な心構えです。スロージョギングの成否は、このルールを守れるかどうかにかかっています。
黄金ルール:息が切れず、笑顔で会話できる「ニコニコペース」を保つこと。
「ハア、ハア…」と息が上がったら、それはペースが速すぎるサイン。隣の人と雑談できるくらいの余裕が、最も脂肪が燃えやすく、続けやすい魔法のペースです。速く走ろうとせず、この心地よさを常に意識してください。

Step 2:正しい姿勢を作る【糸吊り人形イメージ】

正しい姿勢は、疲れにくさとケガの予防に直結します。ポイントは「リラックス」です。
・ 姿勢:背筋を自然に伸ばし、あごを軽く引きます。頭のてっぺんを空から糸で優しく吊られている「糸吊り人形」をイメージしましょう。
・ 目線:足元ばかり見ずに、5~10mくらい先の遠くをぼんやりと見ます。
・ 腕振り:肘を軽く90度くらいに曲げ、歩くときのように自然に振ります。力まず、リズミカルに。

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Step 3:最重要ポイントを覚える【忍者着地&小股ステップ】

ここがスロージョギングの肝です!膝や腰を守り、効率よく進むためのテクニックを覚えましょう。
・ 着地(最重要):かかとから「ドシン!」と着地するのはNG。衝撃を吸収してくれる「足の指の付け根」から、そっと着地します。音を立てない「忍者」のような着地が理想です。
・ 歩幅:大股は禁物。自分の足の真下あたりに足を置くイメージで、歩幅はごく小さく、ちょこちょことした足踏みに近い感覚で進みます。
・ 呼吸:意識する必要はありません。「ニコニコペース」が守れていれば、呼吸は自然に行われます。

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Step 4:まずは「1分」から走ってみる【ベイビーステップ実践】

頭で理解したら、次は身体で覚えてみましょう。いきなり長く走る必要はありません。最初の目標は「たった1分」です。
【今日の目標】「1分走る → 30秒歩く」を5回繰り返す。
合計時間はたったの7.5分。これなら「ちょっとやってみようかな?」と思えませんか?大切なのは、Step2とStep3で覚えたフォームを意識しながら、「心地いい」と感じるペースで走ってみることです。

Step 5:習慣化プログラムに挑戦する【1週間チャレンジ】

「1分走る」に慣れたら、少しずつ時間を延ばして習慣化していきましょう。無理なく続けられる1週間プログラムです。
このプログラムを終える頃には、スロージョギングがあなたの生活の一部になっているはずです。

プログラム内容 ポイント
1~2日目 1分走る→30秒歩く
5回繰り返す
まずはフォームを意識。辛ければ歩く時間を延ばしてもOK!
3~4日目 3分走る→1分歩く
4回繰り返す
ニコニコペースを保てていますか?息が切れたらペースダウン
5~7日目 15~20分
連続で走ることに挑戦!
辛くなったら迷わず歩きましょう。大切なのは続けることです

三日坊主にならない!楽しく続けるための2つのコツ

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スロージョギングのやり方が分かっても、多くの人がぶつかる最大の壁、それが「継続」です。「よし、やるぞ!」と意気込んでも、3日後には「今日は疲れたから…」「雨だし…」と、いつの間にかやめてしまった経験はありませんか?それはあなたの意志が弱いからではありません。続けるための「ちょっとしたコツ」を知らないだけなのです。

ここでは、誰でもすぐに試せる具体的な2つのコツをご紹介します。これを実践すれば、「やらなきゃ」という義務感が「今日も走りたいな」という楽しみに変わるはずです。

コツ1:完璧を目指さない「60点主義」のススメ

継続できない最大の原因は、「完璧」を目指しすぎることです。「毎日30分走る!」という高い目標を立てると、一度でも達成できない日があっただけで「ああ、もうダメだ…」と自己嫌悪に陥り、そのまま挫折してしまいます。

そこで提案したいのが、「60点でもハナマル!」という考え方です。
「ゼロ」にしないことだけを意識する
・ 疲れている日は「10分だけ」走る
・ 雨の日は「家の中で足踏みだけ」する
・ 時間がなければ「通勤中に1駅だけ」スロージョギングに切り替える
どんなに短い時間でも、「今日もできた!」という事実が大切です。100点を目指すのではなく、0点を回避することだけを考えてみてはいかがでしょうか。

コツ2:走る時間を「ご褒美タイム」に変える

運動を「頑張るべき苦行」と捉えているうちは、なかなか続きません。継続の最強の秘訣は、スロージョギングの時間を、あなただけの「特別なご褒美タイム」にしてしまうことです。

① 耳から楽しむ「お楽しみコンテンツ」を用意する
お気に入りの音楽やプレイリスト、面白いポッドキャストやラジオ番組など「この時間は、アレを聴ける!」という楽しみを作りましょう。
② 五感で楽しむ「探検家モード」になる
いつも同じ景色では飽きてしまいます。コースを変えてみる、時間帯を変えてみる、季節の変化を探すなど少しの工夫で、走る時間が「探検」に変わります。
③ 走った後の「プチご褒美」を準備する
走った後の爽快感にプラスして、冷えたプロテインドリンクや炭酸水、少しリッチな入浴剤を入れて、ゆっくりお風呂に入るなどお楽しみを用意しておきましょう。

室内でもできるスロージョギング

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スロージョギングは、正しい姿勢や着地方法を意識すれば、室内でも実践可能です。その場で足踏みをする形で取り組んでみましょう。集合住宅で下階へ音が響くのが気になる場合は、マットや座布団を敷いて行うと◎。

室内でもスロージョギングに取り組めれば、雨の日や紫外線の気になる日でも気軽に体を動かすことができます。時間が空いたとき、外へ出ず、すぐに実践できるのもうれしいポイントです。テレビを見ながら、音楽を聴きながらなど、リラックスした状態で行うといいでしょう。

よくある質問

Q. どれくらいの頻度でやればいいですか?

A. まずは「週2〜3回」から始めてみましょう。毎日やる必要はありません。むしろ、運動習慣がないうちは、1日おきに休息日を設ける方が筋肉の回復も促され、継続しやすくなります。
最初の目標は週2~3回、1回15~30分程度で。慣れてきたら、週の合計走行時間が180分(3時間)になることを目指すと、より高い健康効果が期待できます。

Q. いつ走るのが一番効果的ですか?(朝?夜?)

A. あなたが「続けやすい時間」がベストな時間です。朝と夜、それぞれにメリットがあります。
朝に走るメリット
・ 交感神経が活発になり、1日の代謝がアップしやすい
・ 脳が活性化し、仕事や勉強の集中力が高まる
・ 朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、生活リズムが整う
夜に走るメリット
・ 体温が上がっているため、体が動きやすい
・ 1日のストレス解消につながる
・ 適度な疲労感が、心地よい眠りを誘う(※ただし、就寝直前は避けましょう)
どちらの時間帯が優れているということではありません。「この時間なら確保しやすい」という、あなたのライフスタイルに合った時間帯を選びましょう。

Q. 専用のランニングシューズは必要ですか?

A. 最初は、家にある「履き慣れたスニーカー」で十分です。まずは「走り始める」というハードルを下げることが最優先です。わざわざ新しいものを買う必要はありません。お手持ちの運動靴で気軽にスタートしましょう。

もし、継続できて「新しいシューズが欲しいな」と思ったら、以下のポイントで選ぶのがおすすめです。
・ クッション性が高すぎる厚底シューズは避ける
・ かかと部分が硬く、しっかりしているもの
・ 靴底が指の付け根あたりでスムーズに曲がるもの
スロージョギングの「指の付け根着地」がしやすいシューズを選ぶと、より快適に走れます。

Q. どれくらいで効果が出始めますか?

A. 個人差はありますが、早い方で「2週間〜1ヶ月」ほどで心身の変化を感じ始めます。体重などの数値的な変化だけでなく、以下のようなポジティブな変化を感じる方が多いです。
・ 寝起きがスッキリするようになった
・ 日中に疲れにくくなった
・ 気分が前向きになった
・ 体のラインが引き締まってきた
焦りは禁物です。「気づいたら、なんだか調子がいいな」と感じられるようになります。数字の変化だけを追わず、ご自身の心と体の小さな変化を楽しんでみてください。

~おわりに~
きついと感じないスロージョギングは、一見大きな効果は感じにくいエクササイズに思えるかもしれません。しかし、正しいやり方で継続することで着実に体力や筋力がつき、健康増進やシェイプアップ効果なども実感できるはず。スロージョギングで体力や筋力のベースを整えてから、徐々にマラソンやランニングなどのトレーニングへシフトしていくという方法もおすすめです。

また、より本格的に運動を続けたい方や、有酸素運動と合わせて筋トレにも取り組みたい方は、ジムやフィットネスクラブを利用するのもおすすめです。
総合スポーツクラブのルネサンスは、お客様それぞれのライフスタイルや目的に合わせたプログラムをご提案します。初心者の方にも安心してご利用いただけるサポートが充実しているため、お近くのルネサンスクラブの見学予約から、ぜひご検討ください。
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