疲れたときにおすすめ!アクティブレストとは?脳疲労の回復にも
しっかり休んでいるつもりなのに、なぜか解消されない疲労感にお悩みの方もいるかもしれません。あえて身体を動かして疲れを取る「アクティブレスト」は、そんなときに実践したい休養法です。
本記事では、アクティブレストの効果やおすすめの実践メニューや日常生活への取り入れ方も解説します。
アクティブレストとは?効果とどんな方におすすめ?
まずはアクティブレストの意味や効果、アクティブレストがおすすめの方について見ていきましょう。
アクティブレストの意味
アクティブレストは日本語で「積極的休養」と呼ばれ、その名の通り積極的に疲労回復のための行動を取る休養法です。
軽く身体を動かすことで体内の疲労物質の排出を促すというもので、元々はアスリートが疲れを翌日まで残さないことを目的に生み出された疲労回復法でした。運動後に軽く身体を動かすクールダウンも、アクティブレストの一環です。
アクティブレストの効果
アクティブレストを実践することで、次のような効果が期待できます。
- <アクティブレストの効果>
-
- ・血流改善による脳疲労回復
- ・継続的な運動による代謝アップ
- ・イライラやストレスの改善
- ・活性酸素の発生を抑制する
アクティブレストは、アスリートはもちろん、仕事や家事などによる疲労が蓄積される方にも上記のような効果が期待されるため、多くの人々から注目を集めています。
アクティブレストはどんな方におすすめ?
アクティブレストは、次のような方におすすめです。以下が当てはまる方はアクティブレストを実践してみてはいかがでしょうか。
- <アクティブレストがおすすめの方>
-
- ・しっかり休養をとっているのに、なかなか疲れが取れない
- ・立ち仕事やデスクワークのような、静的な作業を毎日長時間行っている
じっと身体を動かさずに休むだけでは、疲労物質が排出されず疲労感が残ったままになってしまう可能性があります。また、立ち仕事やデスクワークが習慣化していることによる運動不足も、慢性的な疲労感の原因となるため、アクティブレストによる効果が期待できるでしょう。
パッシブレストとの違いは?
「パッシブレスト」(消極的休養)とは、身体を安静な状態にして疲労を回復させる休養法です。一方、アクティブレスト(積極的休養)は軽い運動で疲労物質の排出を促すため、これら2つの休養法は対照的な意味を持ちます。
パッシブレストは長く続けるとかえって疲労感が蓄積され、疲れやだるさなどが生じることがあります。そのため、パッシブレストで少し回復したらアクティブレストに切り替える、というように上手に使い分けることで日々のパフォーマンスの質を維持しやすくなります。
アクティブレストの基本内容
アクティブレストを実践するときは、次のような運動強度や時間を意識しましょう。
■アクティブレストの基本
項目 | 内容 |
---|---|
運動強度 | 息が上がるほどハードではなく、気軽に続けられる強度。運動していて心地良いと感じられる程度。 |
時間 | 1日10分程度が目安 |
ハードすぎる運動は心身への負担も大きく、かえって疲労感を高めてしまいます。あくまで軽い運動に留めることが大切です。
アクティブレストのおすすめ実践メニュー
ここからは、アクティブレストにおすすめの実践メニューをご紹介します。4つの方法から、自分に合った方法を見つけることが大切です。
有酸素運動
有酸素運動にもさまざまな種類がありますが、アクティブレストでは息が上がらない程度のウォーキングやジョギングがおすすめです。余裕を持って続けられる速度や距離を意識しながら取り組みましょう。
また、有酸素運動のうち、ランニング・ジョギングでのやり方やダイエットに興味のある方には、こちらの記事もおすすめです。
ランニングでやせるには?初心者向け・ダイエットに◎なメニュー
- ■有酸素運動は脳の活性化にも効果的
- 有酸素運動はアクティブレストとしての効果があるだけでなく、脳の活性化にも効果的と考えられています。運動をすると、脳から「脳由来神経栄養因子」が分泌されます。これは新たな脳の神経ネットワークや血管を作る助けになります。ただ運動するだけでなく「歩きながら計算する」など、運動ともう一つのタスクを同時に行うことで、認知機能が向上し、仕事の効率アップが期待できます。
脳疲労を感じている方や、脳の活性化に興味がある方は、ルネサンスの「シナプソロジー研究所」の動画をぜひご覧ください。視覚・聴覚・触覚などの感覚器へさまざまな刺激を与えることで、脳を活性化させることを目的としたプログラムをご紹介しています。
教えてくれたヒト
- 株式会社ルネサンス
シナプソロジー研究所 教育トレーナー
星野 義倫
ヨガ
ヨガは深呼吸を行いながらゆっくりとさまざまなポーズをとっていきます。
この、ヨガの基本である深呼吸自体が簡単な運動となっているため、アクティブレストとしてもおすすめです。自宅で気軽に実践できる点はヨガの魅力のひとつです。
簡単にできるヨガの実践方法が気になる方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事: ヨガ歴14年のインストラクターが実践!どこでも肩こり解消ポーズ3選
水泳
泳がなくても、プールで全身を水に浸けるだけでも効果が期待できます。これは、浮力によって筋肉の緊張が緩和されるだけでなく、水圧で全身の血行が促されるためです。
軽く泳いだり水中ウォーキングをしたりすることで、より高い運動効果が期待できるでしょう。
水泳によるダイエット効果や実践方法が気になる方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事: 水泳ダイエットの効果や消費カロリーは?身体へのメリットも解説
ストレッチ
ストレッチは、種類によっては通勤中や仕事中にも実践できます。じっくりと筋肉を伸ばすことを意識して、すきま時間に行ってみましょう。
ここでは、座った状態と立った状態でいつでもできるストレッチをそれぞれご紹介します。
・猫背の解消に!座ったままできるストレッチ
椅子に座った状態で背中や肩、腰を伸ばすストレッチです。デスクワークなどで長時間同じ姿勢が続いているときや、猫背を解消したい場合におすすめです。
- <座ったままできるストレッチの方法>
-
- 椅子に座り、背筋をまっすぐに伸ばします。頭の後ろで両手を組みましょう。
- 頭で両手を押すイメージで、5秒程度かけて背中を反らしていきます。
- 5秒経ったら力を抜き、頭を元の位置に戻します。2と3を2~3回繰り返しましょう。
- 今度は頭の左側を右手で覆うように押して、顎を引きながら目線を斜め右下に落とし、5秒程度かけて首の左後ろから左肩にかけて伸ばしていきます。
- 5秒経ったら力を抜き、頭を元の位置に戻します。4と5を左右2~3回ずつ行います。
- 最後にもう一度、2のストレッチを行います。頭を倒すと同時におなかを突き出すようにすると、さらに効果的です。
頭を動かすときは、腰の位置を動かさないように注意して行いましょう。
・すきま時間に立ったまま行う背中ストレッチ
立ったまま気軽にできる背中のストレッチです。立ち仕事中や休憩時間に積極的に実践して、ストレッチを習慣化しましょう。
- <立ったままできるストレッチの方法>
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- 両足を腰幅程度に開いて立ちましょう。
- 両手を組み、前方へ腕を伸ばしながら手のひらが外側になるように手を返します。親指が手前(下側)にくる返し方です。
- そのまま両手のひらを天井へ向け、頭上へ腕を伸ばしましょう。体をゆっくりと右に倒し、体の左側を伸ばしましょう。
- 呼吸を止めずに、30秒程度キープします。30秒経ったら左右を変えて、同じように伸ばしましょう。
頭上へ腕を伸ばす際はひじをしっかりと伸ばして、上に高く伸びるイメージで行いましょう。
左右に身体を倒すときは無理に倒そうとせず、伸びて気持ちいいと感じる程度に留めます。また、ストレッチするときに足の裏が床から離れないように気を付けましょう。
こちらの記事では、背中のこりに効果的なストレッチやセルフケアにおすすめのアイテムをご紹介しています。
関連記事: ストレッチで背中のつらいこりを解消!隙間時間にできるほぐし方
日常生活の中で取り入れられるアクティブレスト
仕事や家事でなかなか運動時間を確保できない、という場合は、日常生活の中で積極的にアクティブレストを取り入れる方法がおすすめです。
次のような方法なら、仕事中や自宅、外出先など、普段の生活の中で手軽にアクティブレストを実践できます。
- <アクティブレストの主な実践方法>
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- ・30分に1回程度背伸びをする
- ・積極的に階段を使う
- ・ゆっくり湯船に浸かる
- ・1,000歩(10分程度)多めに歩く
- ・散歩やショッピングに出掛ける
上記のように、普段よりも積極的に身体を動かすことを意識して生活を送ってみましょう。
こちらの記事では疲れがとれない原因や、疲れにくい体にするための方法を解説しています。疲労解消に向けて生活習慣を見直したい方も参考にしてみてください。
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