基礎代謝を上げて脂肪燃焼!
太りやすい習慣を改善する方法
ダイエットをしているのにうまくいかない。そんな状況から、激しい運動や極端な食事制限をして、体に負担をかけてしまうのは避けたいところです。なかなかやせられなかったり、太りやすかったりする原因は、基礎代謝の悪さや、代謝を下げてしまう生活習慣にあるのかもしれません。代謝を上手にコントロールすれば、効率的に脂肪を燃焼できるようになるのです。
ここでは、太りやすい人にありがちな生活習慣を踏まえた上で、基礎代謝を上げるためのポイントをご紹介します。
太りやすい原因とは?
「食事も運動もがんばっているのに体重が落ちない…」そんなときに疑いたいのが基礎代謝の低下です。
生活リズムが乱れ、ストレスが重なり、運動不足のまま年齢を重ねていくと、私たちの体はエネルギーを節約しようとする省エネモードに切り替わります。すると、同じカロリー制限や運動量でも消費できるエネルギーが少なくなり、ダイエットの手応えを感じにくくなるのです。
その状態でさらに無理な食事制限やハードすぎる運動を続けると、体は「飢えと過労」に備えて代謝をいっそう抑え込もうとします。こうして太りやすい習慣の悪循環 が完成し、がんばっているのに結果が出ない――という負のスパイラルに陥ってしまいます。
ポイントは、停滞期を感じたらまず代謝を上げる方向へ生活を整えること。
睡眠を確保し、こまめに体を動かし、バランスよく食べる。この基本を見直すだけで省エネモードは解除され、ダイエットは再び前に進み始めます。
太りやすい習慣セルフチェック
あなたはいくつ当てはまりますか?Yesが多いほど基礎代謝ダウンのリスク大です!
□ 朝食を抜く、食事時間が不規則
□ 間食や甘いドリンクが多い
□ 1日5,000歩未満、運動する習慣がない
□ デスクワーク中心で座りっぱなしが長い
やせやすい体を作る基礎代謝とは?
私たちの身体で行われる代謝は、大きく活動代謝・食事誘発性熱産生(DIT)・基礎代謝 の3つに分かれます。活動代謝は歩いたり走ったりといった動いているときに使われるエネルギー、DITは食べ物を消化・吸収するときに生じる熱、そして基礎代謝は呼吸や心拍、体温維持のように安静時でも常に必要なエネルギーです。
この基礎代謝が1日の総消費エネルギーのおよそ6〜7割を占めるため、ここを底上げできれば「24時間燃焼モード」の体をつくりやすくなります。なお、基礎代謝量は 年齢・性別・筋肉量・ホルモンバランス などの影響を大きく受けます。次の章では、自分の基礎代謝を簡単に知る方法と、上手に底上げするコツを詳しくみていきましょう。
自分の基礎代謝量を知ろう!
基礎代謝は呼吸や心拍、体温維持のように安静時でも常に必要なエネルギーです。目安となる基礎代謝量の計算は、以下の式を使って求めることができます。
基礎代謝量の計算式:基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×体重(kg)
基礎代謝基準値とは、体重1kgあたりの基礎代謝量の代表値のことです。年齢や性別によって下表の通り異なります。
例えば、30代女性・体重60 kgなら 21.7 × 60 = 約1,300 kcal/日。これが、椅子に座っているだけでも自然に消費するエネルギー量です。
基礎代謝アップにつながる5つの生活習慣
ここからは、基礎代謝アップのために実践したい生活習慣を、5つのポイント別に見ていきましょう。
1. 朝のスイッチ-ON ルーティン
朝起きたら、まずカーテンを開けて朝日を浴びましょう。太陽光が体内時計をリセットして交感神経を優位にし、一気に代謝のエンジンがかかります。
続いてベッドや床の上で全身を伸ばすストレッチを20秒。仕上げに常温の水や白湯をコップ1杯飲めば内臓もやさしく目覚め、3分で今日も燃える体の準備完了です。
2. よく噛んで、温かいものを
忙しい朝こそ食べないではなく噛んで食べるが代謝アップの近道です。しっかり咀嚼すると消化吸収に伴う食事誘発性熱産生が高まり、副交感神経がスムーズに働いて体内リズムも整います。
加えて、メニューは 体を温める選択 を意識しましょう。ホットティーや温野菜、具だくさん味噌汁など温フードは内臓をポカポカにして血流を促し、基礎代謝の低下を防いでくれます。
たんぱく質は体重1㎏あたり1.2〜1.6gを目安に。豚肉や玄米に多いビタミンB群、赤身肉の鉄分、ナッツや海藻のマグネシウムなど、代謝酵素を支えるビタミン・ミネラルも忘れずに。
3. 筋トレで動くカラダをつくる
筋肉は脂肪の約3倍エネルギーを消費するため、筋肉量を増やすことが基礎代謝アップの最短ルートです。週2~3回、スクワット・プッシュアップ・デッドリフトのような全身種目を10~12回 × 2~3セット行い、ゆっくり下ろして素早く持ち上げる意識で筋肉に刺激を与えましょう。
加えて、日常の消費を底上げする非運動性活動熱産生も大切です。帰宅時に1駅手前で降りて歩く、階段を選ぶ、デスクワークは30分ごとに立ち上がる。こうしたちょっとした動きを増やすだけで、1日100〜200Kcalの追加消費が見込めます。
4. 水分をしっかりとる
人間の体の大部分は水分からできています。体内の水分は血液として体全体に行き渡り、全身に栄養素や酸素を届けるなど、大切な役割を担っているのです。
体内で適切な水分量が保たれていること、そしてその水分がきれいな状態で全身を巡ることが、健康な体づくりのためには欠かせません。これらの条件が満たされていれば、血液の流れも停滞することなく、あらゆる細胞にきちんと水分が行き届いて代謝もアップします。
1日にとりたい水分量の目安は、1,500mlといわれています。この程度の量の水分を毎日しっかりとって、新鮮な水分が体内を巡るようにしましょう。
5. 体温キープ&休養で代謝の底上げ
夜は、40℃のお風呂に肩まで10分浸かり、からだをポカポカに温めましょう。体温が1℃上がると基礎代謝は約10%アップするといわれています。炭酸入浴剤を加えれば、血行促進とリラックス効果がさらに高まります。
湯上がり後はスマホを少し手放し、寝室の灯りを落として7時間ぐっすり眠るのが理想です。深い睡眠で分泌される成長ホルモンが、筋肉の修復と脂肪燃焼を同時に後押ししてくれます。
よくある質問
Q. 基礎代謝が高いと痩せやすいのはなぜですか?
A. 基礎代謝は、何もしていなくても体が生命を維持するために消費するエネルギーです。この数値が高いほど 1日を通じて使われる総カロリーが増えるため、同じ食事量でも体に残る余分なエネルギー(=体脂肪)が少なくなり、結果として痩せやすくなります。
Q. 女性と男性で基礎代謝はなぜ違うのですか?
A. 最大の理由は筋肉量の差です。筋肉は脂肪の約3倍もエネルギーを消費するため、平均的に筋肉量が多い男性のほうが基礎代謝が高くなります。加えて、男性ホルモン(テストステロン)は筋肉の合成を促し、女性ホルモン(エストロゲン)は脂肪を蓄えやすい働きがあることも影響しています。
Q. 基礎代謝を上げるのに即効性のある方法はありますか?
A. もっとも手軽なのは 短時間の全力運動(HIIT) です。たとえば、20秒間もも上げを限界まで行い、10秒休む ── これを 5 セット繰り返すだけで、運動後もしばらく酸素消費が高まり代謝が上がります。ただし、基礎代謝を根本的に底上げするには、筋力トレーニングで筋肉量を増やし、十分なたんぱく質を摂り、良質な睡眠を確保するといった日々の習慣づくりが不可欠です。
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